2009年8月20日木曜日

三葉虫三態

三葉虫の化石・・
化石では生きていた時の三葉虫の
表面の色や模様までは判りません
そこで、紙粘土で作った三葉虫に
全く三葉虫などには興味のない女性三名に
色付けをしてもらったことがあります

これがその結果ですね・・
女性に頼んだのは、やはり男よりは
ファッションに気を使いますからね
そういった視点で模様や色を付けてほしかったのです

エビやカニにも様々な色と模様があるので
三葉虫にだって様々あってもおかしくはありません
恐竜の皮膚の色や模様も
どのようなものであったかは判っていませんが
トカゲにもいろいろな模様と色があるので
きっとカラフルだったのだと思いますよ


現代に生きているダンゴムシそっくりですね

ダンゴムシはきっと三葉虫の子孫なのです
でもダンゴムシの色は地味ですな・・
観察していると、ダンゴムシは雑食性で
何でも食べますね、好き嫌いなし
自然界の掃除屋さんです
因みに
三葉虫はこのように
丸くなることもできたようです
後ろに反ることもできます(参照

2009年8月19日水曜日

我が家のカッターナイフ

我が家のカッターナイフは
これでござんす

材質は、左は大阪府と奈良県の境にある
二上山(にじょうさん)で 産するサヌカイト
右のものは、ナイル川で拾われたフリント
古代では、どちらの石も
石器の素材として普通に使われていました

原石をうまく割ると
このように鋭利な刃物になります
  コピー用紙もこのように スッパリと切ることができます
  これは黒曜石ですが(ガラスと同質)
さらに切れ味が鋭く
産毛でも剃ることができます
ですから、古代の人々も
これらの石器で髪を切ったり
髭を剃っていたことは容易に想像できます
原始人というと髭も頭髪も伸び放題という
イメージがあるようですが
そんなことはないと私は思います
古代人もオシャレだったのですよ、きっと
縄文時代にはも使われていたし
装身具もいろいろとありました 美容室に
ネイル・サロンなんかもあったりして・・

2009年8月18日火曜日

カエルにカエル

工房入り口の脇に
カエルの置物(韓国李朝風の水滴・書道用具)
置いています
そこにアマガエルが身を寄せていました
まだ小さい子供です

今年は雨が多かったせいか
近くの稲田のオタマジャクシが一斉に
カエルになって、あちこちで
ピョンピョンという現象が二度目になります

我が家の周りにもたくさん寄って来ています
ダイナマイトの上に乗っている
大胆不敵なお方

2009年8月16日日曜日

蝶貝三態

耀貝には、他に二枚貝の種類で蝶貝があります


これは19世紀の東西の調度品ですが

上は日本の江戸時代の櫛
下は同じ頃のヨーロッパのフォークです





この櫛は長さ12cm、最大幅3cmあります
これだけの平面のものを切り出すにも
かなりの大きさの原貝が必要です
それにしても、加工しにくい貝を
よくもここまで仕上げたものです。脱帽します

江戸時代の櫛は他にも ここで紹介しています
蝶貝は平たく大きいとはいえ
このフォークの柄のように長く厚みのあるものを
切り出すには、かなり大きなものが必要です
私が持っているものでは
ちょっと厚さが足りないかもしれません
内側の中心部はそれほど色の違いはありません
白蝶貝と黒蝶貝の一部が切り取られていますが
これは私が楽器の装飾に使ったものです
19世紀ギターのブリッジの装飾

蝶貝は楽器の装飾にも多く使われてきました
色合いによって、黄蝶貝、黒蝶貝、白蝶貝があり
どれも平らで大きくなります
特に白蝶貝は肉厚ですので、加工品の素材として
古来からよく利用されてきました
右下の白蝶貝は最大直径が25cmあります
30cm以上のものもあるということです
左下の黒蝶貝でこれほど大きなものは他に知りません
これで20cmあります


2009年8月15日土曜日

夜光貝

これは奄美大島で採れた夜光貝です
直径は18cmほどありますが
大きなものは20cm以上になります
この表面を削り、磨きあげると

このように美しい輝きの層が現れます

平たいところは、螺鈿(らでん)細工などに利用され
正倉院の収蔵品などにも多く使われています
また、能面に使われる胡粉は
この夜光貝から作られるということです

そして、これは素材としては使われない
芯の部分を利用して作られたものです
孔雀(クジャク)のようです


どこで作られたものかは判りませんが
台の作りの粗雑さから見て
どこかの、お土産用 としてつくられたもののようです
しかしながら、この発想には脱帽します

2009年8月13日木曜日

耀貝の魅力

耀貝には、アワビ貝、夜光貝、蝶貝など
様々ありますが、これらの輝きに
古来から多くの人が魅せられてきました

これはアワビ貝の一種で
ニュージーランド近海で採れたものだということです
同様のものはメキシコ湾近海で採れるものがあり
一般にメキシコ貝と呼ばれています
ニュージーランドやオーストラリア近海のものと
メキシコ近海のものは色あいが違います
メキシコ貝は日本の木工芸家
黒田辰秋氏が使用していたことで有名です

ところが、同様のことは
トリニダードトバコの人たちも行っているのです


これはトリニダードトバコの工芸品ですが
魚にしてしまったところに、大いに興味を覚えます
日本人には、まず発想できない感性だと思いますね


こうして手に持つと、その感触は本物そっくりなのです
クネクネとした動きにウロコの感触・・

メキシコアワビの表面の様子は
海の色でもあり、さざ波の模様でもあります
そこに生息する魚を作ろうと思うのは
当然なのかもしれません

因みに、美しい緑色の翡翠(ヒスイ)の産地である
新潟県糸魚川の渓谷の水の色は
深い翡翠色と同じなのです

2009年8月10日月曜日

貴重品 ゴホウラ

巻貝の貝殻ですが




適当なところでカットすると
ご覧のように美しい造形模様が現れます
こようなことは
古代の人々もやっていたようで




ついに、このような腕輪を作ってしまったのです
この貝は南洋の海に生息している 
ゴホウラ
という貝だそうですが
この貝の腕輪はよほど貴重なものだったのか




時代が下り古墳時代になると
このように、わざわざ碧玉(へきぎょく)という
ひじょうに硬い石で同じ形状のものを
作るようになったのです 参照

2009年8月9日日曜日

8月8日はハーバーの日・・

昨日は神戸ハーバーランドに行ってきました
ウィーンで活躍されている指揮者
抜井厚氏の一時帰国歓迎会での
余興を頼まれたのです
8月8日はハーバー
(8 8
の語呂合わせですな
の日ということで
お祭り騒ぎの大変な賑わいでした

終わって外に出てみると
すでに夜になっていました
考えてみると、こうして夜の港神戸を
眺めるのは初めてなのでした

2009年8月4日火曜日

ついでにギターの裏板を・・

ギターの裏板は表板より硬い木を使います


これはローズウッドという木です
硬い木を削る鉋は、表板のように柔らかい木を
削る鉋とは違ったものが必要となります
上の画像の左の小さい鉋は荒削り用のもの
鋼は超特殊鋼(燕鋼)が使われています
右の仕上げ用の寸八鉋は、粉末ハイス鋼のものです
どちらの鋼も強靭で切れ味がよく、永切れします

この画像は荒削りの状態です
ローズウッドは逆目が細かく入り混じっています

この逆目を仕上げ鉋で止めてしまいます

これでほとんど逆目がなくなりました
こうしておくと、音作りも含めて
後の作業がたいへん楽になります
特に、私は木の肌を生かしたニス仕上げを行いますので
この作業は重要なのです
スクレーパーやサンディングでは手間がかかってしまいます

2009年8月3日月曜日

鉋屑 木細胞

今日はギターの表板と裏板の 鉋(カンナ)かけを行いました これは仕上げが終わった状態

寸八の仕上げ鉋は名工・三代目千代鶴こと 今は亡き落合宇一氏の「三水」銘のものです 鋼は炭素鋼と思われますが 研ぎあがりの冴えと切れ味は すばらしいものがあります 鉋台は削ろう会発足に尽力されたことでも知られる 名古屋の青山鉋店の青山駿一氏に打ってもらいました 氏には私が独立する前からお世話になっています

寸八鉋とは このように削り巾が一寸八分(約5.5cm)の 巾を削ることのできる鉋のことをいいます 鉋の刃先の巾は6cmほどありますが 平らなところを削ったときに段が付かないように 両側を少し研ぎ落していますので 削り巾は5.5cmほどになります

この鉋屑を顕微鏡で覗いてみました

これは約150倍に拡大したものです 丸い玉のようなものは何なのでしょうか・・ 材種はヨーロッパ・アルプス産のスプルースで 製材されてから30年ほど経っているものです
さらに拡大してみました 丸いものは木細胞の一部でしょうか・・

2009年8月2日日曜日

クワガタ曲線

これはギターの糸巻きのツマミです




市販されている糸巻きのツマミは
現代の大きなボディに合った大きさのものが
付けられているので、19世紀ギターに付けると
見た目が不自然になります
白いプラスチックというのも
雰囲気が19世紀ギターとは合いません





それで、こういうふうにツマミを
作り替えているのです
材質はコクタン(エボニー)
もちろんクワガタ曲線です