2010年5月20日木曜日

塩田石を求めて その2

この川は塩田八幡宮から500mほど南に
流れている有馬(ありま)川 です
この川の上流には熊野神社と大歳神社が
並んで建っているのに興味が湧くのですが
このことは次回述べます





こちらは上の写真の反対側、東側の風景です
月見橋の下から眺めた風景ですが
空は広く解放感があり
奥の山から満月が昇っていく様子は
すばらしいだろうと想像できます
在原業平の兄である行平など
平安時代の歌人たちがここを訪れたのも
納得できるというものです
とは言うものの、昔の流れは
塩田八幡宮の近くだったということで
前回紹介したように、そこに今では
厳島神社の小さな社が建てられています






さて、塩田石なるものの手掛かりでも
見つからないものかと
有馬川の岸に地層を探しましたが
現在ではほとんど護岸工事が為されていて
地層が見えるところはありませんでした

それならば、河原の石を見てみようと
河原に降りましたが
転石はほとんどが花崗岩で
その他の石も石英質の硬いものばかりでした






ところが、場所によっては
上の写真のように風化が進んで
柔らかそうな石も散見されたので
塩田石の期待はできそうです






上の石を花崗岩で叩いてみると
ボロリと剥がれました
面を擦ってみると密度も適度にあり
砥石として使えそうな雰囲気です
砂岩か凝灰岩が見分けづらいところですが
どうも凝灰岩のような感じがします
出土した塩田石はもっと粒子が緻密なので
塩田石とは言えないかもしれませんが
砥石にはなりそうです





持って帰って面を出し
早速刃物を当ててみました
サリサリと反応しますね・・
石の質感や刃物への当たり具合は
但馬砥によく似ています(参照
これは凝灰岩のようですね





傷は大きめで、砥石としては荒砥の部類に入ります
比較的傷が均一なので
使えないこともありません
古代の人だったら砥石として使っていたでしょうね





参考までに、これは出土した塩田石です
緻密なので、現在使われている砥石としては
愛知県に産していた三河名倉砥が似ています
これも凝灰岩ですが今では掘られていません

今回は川での探索となりましたが
次回は山を探してみたいと思っています

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