2012年3月31日土曜日

平家琵琶の覆手を接着


製作中の平家琵琶の覆手を接着しました


 腹板(表板)の膨らみは鉋仕上げのままなので
均一な凸面ではありません
ですから、平家琵琶の覆手の接着面を
仕上げる際には、じっくりと
少しずつ削っていくしかなく
 この作業に時間は惜しみません
 このときには二種類の四方反り鉋を
使いますが、その調子がいいと大変助かるのです

藤井刀匠作、玉鋼Tama-haganeの小刀


今日は篠山刀剣会でした



これは篠山在住の刀匠
藤井啓介氏から預かってきたもの

焼き入れの実験をしたものだそうです
通常は焼き入れを行う前に
焼刃土Yakiba-tsuchiを塗り刃文Hamonを出す
のですが、これは「ズブ焼き入れ」と言って
焼刃土を塗らずに、水との接触だけで
刃文を出す高度な技法なのだそうです
ズブ焼き入れの本家である
杉田昭二刀匠の動画を参照ください

画像の刀身に斜めの色の違いが
確認できると思いますが
この境の左側、刃先の方が焼きが入っていて
右側は焼きが入っていません
その境が刃文として現れています
刃文に添って荒沸(Ara-nie・大きめの金属組織)葉You
Ashiといった日本刀の見所が確認できます
匂い口(Nioi-guchi・刃文の線の太さ)
よく締まって面白い刃文です

これを木工道具として自由に使ってもよい
ということでしたので
柄に挿げ、ギターのネック削り用の小刀として
使ってみようと思います
切れ味など結果は後日紹介します

2012年3月28日水曜日

平家琵琶の覆手を作る


製作中の平家琵琶の覆手を
作っていく様子を少し紹介します

これは覆手の先端と猪目(ししめ)
象嵌するための鼈甲(べっこう)

同じく象牙


先端に貼り付ける鼈甲を切り出し
それを埋め込む溝を彫ったところです

ここからは猪目の象嵌パーツ作り




こうして象嵌したあと
猪目に象牙で目玉を入れ
そこに絃を通す穴を開けます

ほぼ出来上がり
この後輪郭を整え面取りをし
腹板(表板)との接着面を仕上げます

2012年3月25日日曜日

中世中山砥でハイス全鋼小刀を仕上げる

さゞれ銘砥から新たに手に入れた
中世中山砥でハイス全鋼小刀を
仕上げてみました動画参照
最初に使っているのは
無印のセラック砥石・中砥#1000
この砥石は手持ちの人造中砥の中では
ハイス全鋼の刃物に最も良く反応します


次に使っているのは天然砥石の伊予砥
これもハイス全鋼刃物によく反応します



そして仕上研ぎの最初は
新たに手に入れた中世中山砥
やや硬めの仕上砥で
通常の刃物でしたらほぼ鏡面に仕上がります


驚くことにハイス全鋼でも
鏡面近くまで仕上がりました
ハイス鋼をここまで光らせる仕上砥は
手持ちの中では他にありません



次に、これは大変硬い中山黄板で
通常の刃物でしたらピカピカの
鏡面に仕上がるものです


良く反応し、黒い研ぎ汁が出ていますが
仕上がりは先の中世中山砥よりも曇っています
刃の先端部分に中世中山砥の研ぎ跡が
残っているので画像で確認できると思います
天然砥石というものはほんとうに不思議です・・


2012年3月24日土曜日

二塩化メチレンとシリコン・ボンドを混ぜてみる


知人の化学者から助言を得て
3月22日に行った実験(といっても、好い加減な)
二塩化メチレンで行ってみました

塩化メチレンはアクリル用接着剤として
市販されているものだそうですが
10年ほど前に買っていたのを思い出し
探し出しました


これを買って使ったときは
それほど使わなかったと思うのですが
ここまで減っていました
揮発性が高いようなので
密閉していても揮発したものと思われます


早速シリコン・ボンドと混ぜてみました
シリコンが溶解されているような気がしましたが
二塩化メチレンの溶解力の強さか
紙コップに沁み込むのが早く
また揮発が早いので
シリコンと混ざっているのか
よく確認できなかったのです
ただ、シリコンの粘度は下がっているような
手応えはありました

二日後の固まった状態は
通常の固まり方よりもやや柔らかい感触でした


前回と同じように
塩ビ・シートにシリコン・ボンドを出し


布で拭き取ってみました


次に二塩化メチレンを沁み込ませた布で
拭いてみると、溶解力が強いためか
あっという間にこのとうり
塩ビ・シートの方が溶けてしまいました
アクリル板などを溶解して接着するものなので
当然の結果とも言えますが・・


これも前回と同様に
木にシリコン・ボンドを塗り付け


それを二塩化メチレンで除去し





よく乾かした後
タイトボンド(水溶性接着剤)
接着してみました


タイトボンドが乾いた後
少し力を入れて剥してみたら
このように接着面を痛めることなく
剥すことができました
ということは、完全に除去できていなかった
ということになります


これは22日に
IPAで除去したものを

同様に接着していたものですが
指で剥すのが難しい状態だったので
プライヤーで挟んで剥してみたら
このように剥がれました
木目の向きが割れやすい状態だったので
今日行った板の接着とは比較できません


ということで
同じ板の別の箇所にシリコンボンドを塗り


IPAで除去しました


よく乾かした後
同様に水溶性のタイトボンドで


接着


タイトボンドが完全に固まってから
手で剥してみましたが
かなりの力でも剥がれず
無理をしたら、画像の状態のように
割れてしまいました
残りの部分はまだしっかり接着されています
ということは、二塩化メチレンは揮発が早いので
木に沁み込んだシリコン分を充分に
除去できていなかったのかもしれません


2012年3月22日木曜日

IPAでシリコン樹脂を薄めることはできるのか・・


サザレ銘砥(330mate)の中岡氏から
IPAを送ってもらいました
これはガソリンの水抜き剤と
ほぼ同じものだそうですが
これで1液硬化シリコン樹脂を
溶かすことができるかどうか試すためです

ついでに、手許にある
溶剤や洗浄液として使っている
変性エタノール、アセトンでも試してみました
普段、シリコン樹脂が手に付いたときには
変性エタノールで除去していますが
シリコン樹脂を溶いたりはやったことがないので
今回試してみました


これはそれぞれの液と
シリコン樹脂を混ぜたものです
右からIPA、変性エタノール、アセトンですが
溶解力が最も強いと思われるアセトンでも
溶けていないようです
変性エタノール、IPAも
溶けている感じはありません


ほぼ20時間経った様子
画像では分かりにくいですが
右のIPAと混ぜたものは
やや白濁しています
その左二つはほとんど同じ状態で
固まっていますが
固まった状態の弾力は
左のアセトンを混ぜたものが最も強く
順に変性エタノール、IPAと
弾力が弱くなっています

その1日後、弾力は
どれもほぼ同じになっていました


これはチューブから出したすぐの
シリコンボンドですが


布で拭き取ると、このように残ります


それを各溶剤を布に付けて
拭き取ってみると
右のIPAと、中央の変性エタノールは
きれいに除去できました
左のアセトンは白く曇りが残りましたが
アセトンは溶解力が強いので
塩ビと思われるシートを溶かしているようです
これがPETPP、あるいはアクリルでしたら
こんなことはありません


ちょうど小刀の柄を作っていたので
シリコンボンドで木を接着してみました






約20時間後
夜中の温度管理はしていなかったので
まだ完全には硬化していませんが
接着はされていました


仕上げた状態


切り取った端を剥してみたら
まだ完全に硬化していません


それをIPAで除去してみました
右側3分の1


中央部を変性エタノールで除去


左3分の1はアセトンで除去
それぞれきれいに除去できましたが
アセトンは右の二つに比べ
除去がスムーズにはできませんでした


シリコンボンドを除去した面と面を
タイトボンド(水溶性接着剤)で接着してみました
問題なく接着できているようです