2013年4月30日火曜日

河原で拾った砥石で鉋身を研いでみる


丹波に滞在中の山口県の数寄屋大工、国分秀基氏が
京都の川の河原で砥石の原石を拾ってきたということで
早速試し研ぎを行ってみました
これはどう見ても中研ぎに使う青砥ですね・・


面を出して、いま仕事で使っている
青紙スーパー鋼の鉋身を研いでみました
硬めで反応があまりよくありませんが
何とか研ぐことはできます
青砥は柾目面で研ぎますが
この面は板目になっているためか
研磨力がありませんが


研ぎ上がりは、青砥特有の針気がなく
美しい研ぎ上がりです(動画参照下さい)
柾目面で研いだらどういう結果になるのか
石をカットしてぜひ試したいところです


2013年4月25日木曜日

知人の数寄屋大工が来丹


数寄屋大工の知人
国分秀基氏が山口県から来丹
まず刃物産地の三木市へ案内
ここは通称・井上神社
木工に関する資料館と
言っても過言ではない秘密の場所・・
誰でも入ることはできない
手にしているのは氏所有の五寸鉋
五寸角(約15cm角)の柱を
一削りで仕上げることができる


これは井上神社に保管されている
木工道具の一つ
左〇廣銘のコテ鑿(ノミ)
左市弘銘の鑿はよく知られているが
はて、これはどういうものか・・
その後、左勝廣銘と判明(参照

奥に写っているのは
明治から昭和にかけて活躍した
刃物鍛冶名人
千代鶴是秀作の十本組鑿(ノミ)

その後、一路 京都亀岡へ・・

ここはかの森砥石さん・・
五寸鉋の最終仕上げ用の砥石を吟味中

こちらの手持ちの砥石も
いろいろと試し研ぎ
動画UPしました


2013年4月21日日曜日

製作中の2台のLacoteタイプ 旋盤加工でパーツを作る


ブリッジ・ピンとエンド・ピン、そしてブリッジ装飾のボタンを
作るための黒檀材を下拵えした状態


旋盤加工の動画をUPしました


ブリッジ・ピン


エンド・ピン(ストラップ・ピン)


出来上がり
明日弦を張る予定


ハナズオウと端材のオブジェ


工房近くの土手に毎年この時期美しい花を付ける樹がある
何という樹か知らなかったが
ハナズオウというマメ科の樹らしい




花が一斉に咲いた後に
遠慮がちに葉が出てくる・・


枝には去年の実が枯れたまま付いている
マメ科だからか、エンドウマメのような形状・・



これは今日の作業で出た端材で作ったオブジェ




2013年4月20日土曜日

古い会津鉋 寸六鉋身を3枚入手



古い会津鉋、寸六鉋身(身幅65mm)を3枚入手しました

まず、「重道」銘のもの
かなり錆がひどく、鋼もごく薄いものなので
使えるようになるかどうか微妙なところです・・


裏を透き直し、研ぎ上げてみました


刃の両端がほとんど鋼がない状態です
それでも何とか使えそうです
刃角度は約27度


研ぎ上がりの状態
刃先は緻密に仕上がっており、期待が持てます
(はがね)は炭素鋼です



次は、これも同じく「重道」銘の寸六
銘ぶりが上のものと違いますね
こちらの方が達者に切られています
銘の下の花押の刻印も微妙に違っています
こちらもベタ裏になっていて
所々深い錆がありますが、鋼が厚いので
何とか使えるようになると思います






裏を透き直し、研ぎ上げました


刃先2mmほどを刃角度27度に修正しました




こちらも精緻な仕上がりで期待が持てます
鋼は炭素鋼

所々見える横縞は
研ぎ上げた後に塗った刃物油を拭き取った跡

後日、この鉋と國弘鉋2丁とで削り比べを行い
YouTubeに動画をUPしました




最後の1枚は重延(しげのぶ)銘の寸六
重延といえば左銘のものが有名で人気もありますが
こちらは左銘になる前のものですから
時代は大正頃でしょうか・・
特殊鋼系の火花が飛びますので
大正時代のものでしたら東郷鋼ということになります


刃先から1mmほどを刃角度約27度に修正しました


刃先に問題はありません
研いだ感じでは粘りが強い鋼のような印象を受けました
以上、3枚の古い会津鉋
台に挿げ、使ってみた感想は後日報告します



2013年4月19日金曜日

Lacoteラコート・タイプの指板


製作中の2台のLacoteラコート・タイプの1台は
指板をスキャロップscallop仕上げにします
以前、荒削りの動画をUPしておりますので参照下さい


四方反り鉋で荒削りをした後
外丸ヤスリとサンドペーパーで仕上げます



ヤスリかけを終えた状態
この後3種類のサンドペーパーで仕上げます


2013年4月15日月曜日

古い会津鉋 重房二種


古い会津鉋 「重房」銘寸八(身幅約70mm)を手に入れました
銘振りからかなり古い重房と思われます

裏押しをやり直し

刃角度約27度に研ぎ上げました


研ぎ上げた刃先の状態
緻密に美しく仕上がっています
炭素鋼ですが、焼きがよく入っています
ここまで焼きが入っていて刃先が緻密に研ぎ上がるというのは
玉鋼ではあまり見られません・・
安来鋼はまだ無い時代なので
どのような鋼が使われたのか知りたいところであります

以前手に入れていた刻印銘の重房寸六と
削り比べを行いました


切り銘重房寸八の削り痕
深い逆目も完全に止まって、艶のある美しい削り肌です

こちらは刻印銘重房寸六
逆目は止まっていますが
やや肌が荒れています

動画撮影後の切り銘寸八の刃先
刃角度は約27度

ほとんど変化はありません

こちらは刻印銘寸六
刃先から1mmほどを刃角度約27度に研いでいます

画像では分かりにくいですが
こちらは刃先が摩耗しています
これくらいの削りで刃先が摩耗していては
仕事では使えません・・

動画では、身の収まりが緩すぎ
刃の出しと押え金の調整に苦労したので
台の押え溝を補修し、身が「きつく」収まるように
調整をやり直しました
裏金の差し込みもやや固くしました


これで削り肌に艶が出ました
身の収まり具合と押え金の圧力の影響が
削り肌にも及ぶということを再認識しました

刻印銘重房寸六はやはり焼きが甘すぎるので
焼き入れをやり直すことにしました

ついでに、同様に焼きが甘すぎる
重利銘二寸鉋身もやってみます

ということで、決行
焼き入れの動画は以前UPしておりますので

ただ今焼き戻し中
今回は約160で1時間の設定をしています

焼き戻し後、研ぎ上げてみましたが
どちらも鋼が薄かったため、焼き入れ後の歪み修正で
刃先中央部の鋼が無くなってしまいました

重利二寸
刃先中央部の楕円で囲んだところが
鋼が無くなったところ

鋼部分の刃先の状態は良かっただけに残念です

こちらは重房寸六
のところが鋼が無くなっています

こちらも鋼部分は強靭になっていました