2013年6月1日土曜日

福井県産の仕上砥石


趣味で地元の砥石を掘っているという方が
掘りたての砥石を持って来て下さいました
産地は福井県南部ということです
これらはどう見ても仕上砥石ですね・・
近辺では滋賀県高島や京都北部の美山
といった仕上砥石の産地があるので
その脈からの繋がりなのでしょうか・・
一つ一つがズッシリと重く、密度を感じます




どの石もたいへん硬く、砥石としては
最終仕上げ用ということになります
持って来られた砥石すべてを研がせてもらいましたが
下に紹介する3丁はトップクラスの威力を発揮する
すばらしいものでした


まず、この大きなものから研がせてもらいました




ナマズが入っていますが柔らかさは全くありません
ですが、最高度の硬口ながら良く反応し
ほど良い刃物への喰い付きなので滑走感があり
心地よく研ぐことができます


研ぎ汁はあまり出ませんが
このように美しい鏡面に仕上がります
この前段階の研ぎは丹波産青砥の後に
中継ぎ用の粗めの仕上砥を使いました

特に地鉄じがねの仕上がりは特筆もので
輝きの中にしっとりとした潤いがあるのです
このような仕上がりの砥石は
手持ちの京都産のものにはありませんでした
日本刀の古刀(平安時代~室町時代)の地鉄
を見ているような錯覚に陥りました・・




こちらは上のものよりも緑が濃く
研ぎ感はさらにしっとりとしています
砥ぎ汁も黒いものが出、期待が持てます
研いだ感じは京都梅ヶ畑・尾崎産に似ているのですが
研ぎ上がりはこちらの方が優れていると思います


鉋身が違い、またこの前段階は青砥で研いだだけなので
比較しにくいと思いますが
はがねの光具合はこちらの方が冴えがあります
地鉄じがねは上のものと同様にしっとりとした潤いがあります
これも最終仕上げ用として文句なしの仕上砥です


これは側の様子ですが
美しい模様が出ています


このように部分的に拡大すると抽象絵画のようです・・




これはやや粗い研ぎ感で比較的反応が良いものです
上のものとは層が違うのでしょうか・・


研ぎ上がりはやや曇った感がありますが
地・刃ともに鏡面に仕上がります
この画像も前段階の研ぎは青砥だけで研いだものです

緻密に仕上がるにもかかわらず
力強く研ぐことができるのでノミ研ぎに向きそうです

以上、このように京都産と比べて遜色がない仕上砥が
他にもあったということに驚きを隠せません・・

長光銘寸六鉋を研いだ動画をUPしております
参照ください

3 件のコメント:

echigo さんのコメント...

先日は試し研ぎ有難うございました。あれから色々と調べて、地元の人のお話も聞かせて頂きました。地元の大工さんに聞いても誰も知りませんでしたが、思いも寄らない所からこんな話を聞きました。地元の高齢の女性からです。そのお婆さんは昔、両親が民宿を営んでおられました。そこに泊り込みで天然砥石の採掘に来られていたそうです。定かでは有りませんが昭和30年ぐらいだそうです。しかし、そこで取れる砥石は非常に硬口でその時代は硬口の砥石は人気が無くすぐに閉山したそうです。その砥石はいわゆる【越前若狭砥】といわれる砥石だと思います。僕がたまたま見つけた砥石はその地層の続きなのかなと思います。越前若狭砥を採掘していた村に知り合いが居ますので若狭砥を探してみたいと思います。良い砥石が採れましたらまた、試し研ぎよろしくお願いします。

kiyond さんのコメント...

貴重な情報をありがとうございます。
30年ほど前に研ぎの師匠から
今回のものによく似た仕上砥を貰ったことがあります。
硬口ですが研ぎ易く、ノミや彫刻刀の仕上に向いていました。
この砥石は他にも活用できると思います。
明日にでも私信でお伝えします。

kiyond さんのコメント...

後日ブログでも紹介しますが
動画で研ぎ上げた長光寸六の画像を
HPで紹介しました。
このように地鉄が美しく仕上がる砥石は
他にはほとんど存在しないと思います。
http://www6.ocn.ne.jp/~kiyond/toisi5.html