2013年7月5日金曜日

新たに掘られた福井県産仕上砥


7月3日に福井県の仕上砥を掘っているE氏が
新たに掘ったものを持って来てくれました
今回のものはこのような感じ
並べた順は砥石層と同様にしました
下の黒っぽいものは
カラスの塊りのようでもありますが判然としません
硬さも最も硬いものです
ナマズが入っていても硬いというのは
この産地の特徴とでも言えるのでしょうか・・




最初に層の最上のものから研がせてもらいました
こちらの面は赤ピン系に見えますが


反対面は緑色です
石やガラスなどの赤と緑の色は
成分は同じなのだそうですが
温度によって赤になったり緑になったりするようです
ですからこの砥石も長い年月の間に高温になった時期があり
そのときの温度差がこのような色の違いになったのでしょう・・


見た感じは硬質ですが
研いでみると良く反応し、強い研磨力があります
砥泥は邪魔にならず、底力もあります


研ぎ上がりは、荒い研ぎ感にもかかわらず
鋼は輝きが出ています
これもこの産地の特徴と言えます

京都の本山では中山産に同様のものを見ることができます
それから丹波亀岡市の大内、一本松
南丹市の芦谷、池ノ内産のものに
こういったものがありますが
研ぎ心地は福井県産には独特のものがあり
硬口でも滑らかに研ぐことができますj



次はやや硬めのものですが
これもこちらの面は緑色ですが


反対面は赤色です


これも心地よく研ぐことができます


最初のものよりも地鉄じがねの肌がクッキリと現れ
鋼の光り方が増しています
文句なしの仕上砥です




最後にカラスの塊りのような仕上砥
ひじょうに硬いにもかかわらず
水加減を調整するとよく反応し
適度な滑走感を得ることができます


地・刃ともに鏡面に仕上がります


刃先の拡大画像


さらに時間をかけて研ぎ上げてみました


鉋身(寸六・身幅6,3cm)は採集人のE氏が持って来てくれたもので
親類に大工をしていた人がいて
その人が使っていたものだということです
ここまで短くなっているので
よほど気に入って使われたのでしょう
銘は判然としません・・
篆字の「天」は確認できますが
國弘系でしょうか・・

炭素鋼系で独特の火花の飛び方をします
おそらく和鋼と思われます
手持ちの古い会津鉋に同様のものがあります
強靭な焼きが入っていて、しかも地鉄も硬めなので
研ぐのにかなり苦労します・・
台に挿げ、使える状態になったらまた報告します

今回持って来てもらった仕上砥のなかの2丁を使って
ハイス全鋼小刀を研いでみました
YouTube動画UPしました



E氏が他に見せてくれたものはこの2点
上は紀州(和歌山県)産の荒砥と思われますが
下の白い中砥が興味深い・・
おそらく熊本産の備水砥と思われますが
鋳型に使われたもののようです


鋳型に使われたものでしたら
対になったものがあるはずで
これはその片方ということになります
形状から、釣りに使う鉛の錘でも作られたのでしょうか・・

昔の文献でも砥石を鋳型に使ったということが記されています

0 件のコメント: