2014年1月10日金曜日

佐野勝二作と思われる千代鶴銘寸八を入手

昭和の中頃の刃物鍛冶の名工
佐野勝二が鍛えたものと思われる鉋身(寸八)を手に入れました
銘は「千代鶴」となっていますが
これは佐野勝二が唯一尊敬していた明治から大正時代に
活躍した名工・千代鶴是秀に傾倒していた故の行動だったようです
しかしながら、当然のことですが
当時千代鶴是秀の登録商標を持っていた問屋からクレームが付き
その後、この銘のものは打たなくなったということです


刃は前・所有者によって立派に砥ぎ上げられていました
刃角度は約30度


裏は使い込まれて「ベタ裏」になっていたので
ディスク・グランダーで適当に透き直し
平面レベルがいま一つだったので砥ぎ直しました


鎬面も二分砥ぎ状態(約7mm幅)にし
楽器製作用として研ぎなおしました
YouTubeに砥ぎ動画をUPしました


砥いでいて鋼に強靭さは感じないのですが
独特の粘りがあります(鋼は安来鋼青紙と思われます)
これは手持ちの他の佐野勝二の鉋(昭豊銘寸八)に共通しています
他には初代・金井芳蔵(青紙鋼)もこんな感じです


刃先はやや乱れがありますが
問題なく砥ぎ上がっています


押金(裏金)も裏を透き直しました
鋼が鍛接されていますが
画像左部分に混ぜ鉄のようなものが確認できます
焼きはほとんど入っていません






鎬部分は約23度でグラインダーをかけ
刃先をほんの少し約50度で砥いでいます



動画で使った砥石たち
手前左から産地不明の中砥(おそらく関東方面の青砥と思われます)
次は同じ青砥で石質が締まり気味のもの
その右は仕上砥ぎの中継ぎとして使った
京都高雄産浅黄・戸前
これは「梅ヶ畑村誌」にも登場する古来からの産地です
右端は仕上砥ぎの最終仕上げとして使った
福井県産若狭砥・戸前(参照


2 件のコメント:

尚天然砥石 さんのコメント...

御世話になってます。
佐野さんの鉋は魅力的ですね。
問屋銘の鉋が多くなかなかどれが佐野さんの鉋かわかりません。勉強不足ですね。

新たな若狭砥石ですが地元の方と相談の上、名前を若狭砥石田村山に決定しました。
今後とも宜しくお願いします。

田中清人 さんのコメント...

そうですね。
初代・金井芳蔵のように研ぎやすく
粘りのある鋼で、それでいて刃先は強靭。
不思議な鉋です。
刃先の強靭さと永切れは手持ちの鉋の中ではトップクラスです。
こういったことは見ただけでは分かりませんね・・
以前こちらで紹介した国明銘は佐野勝二では
ないような感じです。
同じ青紙ですが、研いだ感じや刃の持ちが違います。
「若狭砥石田村山」万歳。