2015年3月31日火曜日

妙な水仙 山芍薬 そして桜

毎年犬と猫に踏まれるので、昨年移植した水仙
今年は数が増えて咲いております
しかし、このシュワシュワの花は妙・・


それと昨年適当に植えていた
山芍薬の根から新芽が出ておりました


山芍薬にはおもしろい実が付くようなので楽しみ・・
実が生るまで数年かかるらしいが
気長に待ちますか・・



こちらは近所にあるソメイヨシノの大木
昨日夕方6時頃


ようやく蕾がほころんだところです


夕日に照らされた幹


夕日


天空には月が・・


野焼きの煙で春霞・・


2015年3月29日日曜日

佑水銘特殊小刀を仕事で使う

以前紹介した備中(岡山県)の武田松水鍛冶工房
中西佑水さんが鍛えて下さった特殊小刀は
たいへん優れているので
仕事で使うため、自分の道具として
仕立て直すことにしました


これは刃の形状を使い易いように
グラインダーで形成した状態
実際に使うのは刃先から2cmほどで
その下の部分は指を当てたりするので
できるだけ刃先が厚くなるように削りました


その後、シャプトン「刃の黒幕」#320で荒研ぎをし
これはその研ぎ傷を消した状態です
使った砥石は昨日三木の知人から譲り受けたもので
おそらく関東方面の青砥だと思います
先日紹介した栃木県の深沢砥や荒内砥によく似ています
かなり使い込まれて大きく変形し
砥面を修正したら厚みが3cmほどになってしまいました
こういった関東の砥石が兵庫県の旧家でも使われていた
ということに興味が湧きます


上の青砥で研いだ状態




やや硬口で良く反応し
強い研磨力があります
こういった変形の小刀を研ぐのに重宝します


左は先日紹介した栃木県産の深沢砥



これも昨日譲ってもらったもので
産地不明の中砥です


目〆系のかなり硬い砥石ですが
これも研ぎ面がかなり凹むまで使われていました
上の画像は目起こしをして研いだ状態
鋼はピカリと光るほどに研ぎ上がります




黒い斑点の様子から
一見、福島県産の会津砥かなと思いましたが
群馬県産の沼田・虎砥のような縞が入っています
会津砥にこのような縞があるのは
私はまだ見たことがありません
果たしてどこの砥石なのでしょうか・・



仕上砥ぎはいつものように
森砥石さんからお世話になった
神前Kouzaki産の戸前を使いました


鋼は充分研ぎ上がっていますが
丸みの付いた地鉄面は研ぎムラが目立ちます


仕事で使う分には問題はありませんが


人様に研ぎ上がりを披露しているので
いちおう、化粧研ぎをしておきます
使った砥石は栃木県産の飛駒砥


ま、これくらいでいいでしょう・・






さっそく仕事で使ってみました
この小刀はギターのこの部分を削るために
鍛えてもらったもので、ようやく本領発揮といったところ・・


この後の工程で、バインディングを接着した後も
この部分を削る際に活躍してくれるでしょう


昨日紹介した両ミミをおとした弘正銘の八分薄ノミも
この作業で使います





ここまでは手の力だけでいけますが


この部分は手で押すとヒール部を
傷付ける恐れがあるのでプラ玄翁で叩きます
ノミは25日に紹介した某有名メーカーの三分追入ノミ
手で削ると切れが重いノミも
玄翁で叩くとほとんど分かりません


2015年3月28日土曜日

工房の様子 特注小型モダン・タイプの補強材削り

製作中のMapleメープル仕様
特注モダン・タイプ(弦長630mm)の作業状況


補強材削りで主に使っている古い寸四鉋
銘は正清(地鉄は和鉄、鋼は玉鋼)
これは4年ほど前に紹介したことがありますが
鋼の焼きが甘く、こちらで使うにはやや無理があるので
先週、焼入れと焼戻しをやり直したものです
これで刃先はかなり強靭になり
さらに永切れするようになりました 


補強材削り用として両側のミミをおとした特殊薄ノミ
刃幅24mmですが両端を1.5mmほど丸めています


銘は東京鑿共同組合のマークが入った弘正
鋼はヤスキハガネ青紙を思われますが
研ぎ易く、しかも切れも素晴しい文句なしの刃物です
これとは別に通常の八寸(24mm)薄ノミも使っていますが
本黒檀の木口削りでも軽い切れで威力を発揮してくれます




反り台の一枚刃小鉋




そして補強材の断面仕上げに使っている特殊鉋
これは自分で仕立て直したものです


こういった作業は体への負担はほとんどないので
刃物は選びません
まずサイズが重要で、とりあえず切れてくれればOK


作業を終え、掃除をしていると
その音を猫が聞きつけ、入って来ました・・


背中を掃くとなぜか嬉しそう・・
変なお方・・

2015年3月25日水曜日

某有名メーカーの追入鑿ノミを入手


今は廃業されている有名某メーカーの三分(9mm)追入ノミを入手
三分ノミは頻繁に使うので、これまで2本使いきり
今は3本目を使っている
使いきるといっても長さが半分ほどになると
使いにくいのでその時点で買い換えてきた
今はハイブリッド全鋼のものを使っているが
ノミは削る際に力を入れやすいので、切れの軽さは
ほとんど関係ないと思っていたが・・


裏を研ぎ上げた状態
鋼はかなり強靭な焼きが入っている感じ・・


銘にはモザイクをかけておきます
東京鑿共同組合のマークが入っているので
分かる方には分かるかも・・


研ぎ上げた鎬面の状態
最終仕上げには若狭・中井産の合砥を使用


粘りのあるウォルナットを削ってみたがかなり切れが重い
これは追入ノミだが、楽器製作では叩いて使うことは希で
ほとんど手の力で削る
いままで使ってきたものが
たまたま皆切れが軽かったのか
このように切れの重いノミがあるとは驚き・・
いい経験になりました


現在主力で使っているハイブリッド全鋼の三分ノミ
サクサクと軽く削ることができ、コントロール性も優れている


これは桃マークの四分ノミ、これもよく切れる


桃マークの四分ノミについては私は知りません
ご存知の方がいらっしゃいましたら
ぜひご教示願います

3月28日、兵庫県三木市の内藤商店さんから連絡を頂き
左端の四分ノミは双桃マークということで
右端のハイブリッド全鋼ノミと同じ
三木市の小山金属製だそうです
鋼はスウェーデン鋼となっています
ご教示頂き、ありがとうございました


刃角度はどれも約30度