2017年3月31日金曜日

工房の様子 特注19世紀ギターの製作

特注19世紀ギター
初期ミルクール・タイプの製作状況
ライニング材(接着代Shiro)を接着したところ


接着後
余分を削り落とし

贅肉Zeinikuを削っていく



響板の接着 

そして裏板の接着





YouTube動画

2017年3月28日火曜日

鉋削り比べ アサメラ材を削る

特注 初期ミルクール・タイプの
側板を組上げたところ

こちらは平家琵琶の槽(背面板)
材はアサメラ1枚板
接着面の仕上げに先般手に入れた
浪花淩作銘の古い寸八
長台鉋を使ってみた

アサメラ材は堅材の部類ですが
それほど堅さは感じません
ただ、柾目面は1cmほどの間隔で
強烈な逆目が交じっていて
その逆目を止めるのはかなり
難しいところがあります

逆目はほぼ止まっていますが
かなり強烈な逆目なので
白く曇って見えます

接着面を仕上げた後の刃先の状態
ハイス鋼でもさすがに刃先が
白く磨耗していますが
まだ切れは止んでいません


こちらはマリアハープのブリッジ
として使ったアサメラ材
これを削る際に古い三木鉋
三代三郎銘と甲子銘で
削り比べをやってみました

板目を削ったので、強烈な逆目はなく
堅いアサメラ材でも切れは軽い
とくに右の「三代三郎」銘は
軽快に削ることができる
ウォルナット材やセドロ材では左の
「甲子Kinoe-ne」銘が
切れが軽く永切れしてくれたが
このアサメラ材では
「三代三郎」銘の方が切れが軽く
刃先の持ちも良かった
鋼というものは不思議です・・

マリアハープ2台分のブリッジの
厚みを仕上げたところ


こちらは「甲子Kinoe-ne」
寸六(特殊鋼 昔の青紙鋼か)
刃先がかなり磨耗していて
ほぼ切れが止んでいる

こちらは「三代三郎」
寸六(特殊鋼 昔の青紙鋼か)
「甲子」寸六とほぼ同程度削った状態
やや刃先は磨耗しているが
切れは軽快でまだまだ切れる

次に形状を仕上げていく際に
3丁の小鉋で削り比べをやってみた

これは荒削りで使った古い会津鉋
重輝(玉鋼)

そして、これも荒削りで使った
燕鋼(tsubame-hagane)の
善作銘(現代製)

3丁めは仕上げ削りに使った
青紙系特殊鋼の小鉋
銘はモザイクをかけ伏せておきます

削り終えた状態
結果は上の三木鉋の削り比べと同様で
特殊鋼の燕鋼が最も切れが軽かった
次に青紙系特殊鋼、そして玉鋼は
最も切れが重かった
これには驚かされた
玉鋼の切れの鋭さが
このアサメラ材では
裏目に出たのか・・不思議・・
材と鋼の相性をこれまで
顕著に感じたことは初めてです
最も刃先が持ったのは玉鋼で
これは昔の会津鉋重輝
次に燕鋼(現代の善作銘)
そして青紙系特殊鋼で
これは現代の某有名メーカーのもの



作業後の刃先の状態
これは青紙系特殊鋼
ほとんど切れが止まっています
この鉋は青紙系の鉋としては
かなり優れているのですが・・

これは燕鋼
刃先はかなり磨耗しているが
切れはまだ軽快

そして玉鋼
刃先は少し磨耗している程度で
まだまだ切れる

2017年3月27日月曜日

イベントの紹介

2017年4月1日(土)
神戸長田教会内に併設されているギャラリーWith で
「Gallery with   佐野由美展」が行われます
時間は午前10:00~午後5:00
入場無料

日本キリスト改革派  神戸長田教会園舎 
神戸市長田区蓮宮通4丁目-8-2
Tel:078-691-0527 
今回は佐野由美さんのネパールで​の作品を中心に
展示されるということです
お近くの方、ぜひ!​


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4月3日(月)、4(火)日
恒例の展示会が開催されます。
会場:大阪市中央公会堂 3階 中集会室

4日は午前9時~11時の間、会員さんを対象に
メープル材の逆目を止めるための
鉋仕立ての講習を行います
一般の方の入場は10時からですが
途中からでも見学は自由ですので、興味のある方は
ぜひ足をお運び下さい
私は講習会終了後も午後2時頃まで
会場で鉋を仕立てたり、研いだりしていると思います
冷やかし歓迎!

2017年3月25日土曜日

特注19世紀ギター ミルクール・タイプ

特注19世紀ギター初期ミルクール・タイプ
横板を削っているところ
材はWalnut ウォルナット

複雑な杢で強烈な逆目が交じっているが
逆目は完全に止まっている

こういった強烈な逆目の交じった
粘りの強い材を削るにはやはり炭素鋼の鉋がよい
左端の古い会津鉋重高寸六は玉鋼だが
切れは鋭く軽快で心地よく削りことができる
右の2丁は特殊鋼
重高に比べるとかなり切れが重い


次に、響板の補強材を仕上げていく



出来上がり



こちらは裏板
おもしろい木目の
Walnutウォルナット材

2017年3月23日木曜日

19世紀ギター Mirecourtミルクール・タイプ

これから製作していく19世紀ギター
特注、初期ミルクール・タイプ
弦長630mm






サウンドホール縁飾りには
Abaloneアバロン(メキシコ・アワビ貝)を
嵌め込んでほしい、という要望なので


このようにしてみました


サウンドホールを切り抜き

縁に黒檀を接着する準備

この作業がけっこう繊細で
小刀だけが頼り・・


この小刀は古い会津刃物
重春銘の銑から自作したもの

黒檀を曲げているところ




このように接着して出来上がり