2017年5月30日火曜日

工房の様子 次の製作に取りかかる

次の製作に取りかかりました
次は特注19世紀ギター
ラプレヴォット・タイプ
弦長620mm、Suzuki音律
そして特注マンドラ

ラプレヴォット・タイプは裏・横板には
タブノキ材(レッド系)を使います
大きな波状の杢が入っていて
おもしろい木目です

響板は30年以上寝かせた
ドイツ・スプルース
タブノキとの相性を考慮して
反応の良い堅めの材を選びました
こちらにも大波状の杢が入っています

接着面を仕上げているところ
杢部分は強烈な逆目です

周囲の厚みを決め

膨らみを仕上げていく

こちらは特注マンドラ
画像は背面リブ
こちらも同じタブノキ材を使います

響板は、こちらも30年以上寝かせた
ドイツ・スプルース




2017年5月28日日曜日

新作・平家琵琶 漣

平家琵琶の台をオイル・フィニッシュ
これで出来上がり



柱は組み立て式






平曲相伝者 鈴木まどかさんにより
「漣 Sazanami」という銘を頂きました
平家琵琶の銘は昔から平家物語に記述されているものから
選ぶということで、今回の「漣」は平家物語の中の
薩摩守忠度の和歌に出てくる言葉だということです
その歌 参照 
「さざ波や 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの 山桜かな」

2017年5月27日土曜日

改造盲僧琵琶 永田法順氏へのオマージュ

今は亡き盲僧琵琶法師
日向 Hyuga(宮崎県)の永田法順氏の
琵琶語りを聴いて感動した方(この御方も僧侶)が
ぜひ法順さんの琵琶語りをやりたい
ということで、古い筑前琵琶を
なんとか盲僧琵琶に改造できないか・・
と持って来られました

盲僧琵琶は筑前琵琶や薩摩琵琶よりは
歴史は古いので、その流れにある筑前琵琶は
柱Juの位置の変更や追加
そして調弦を変えれば
(法順さんの盲僧琵琶の調弦は
低音からC-F-c-c)
充分使えるのではないでしょうか

持って来られた古い筑前琵琶は
幸いと言うか、両側の月の飾りが欠落しているので
盲僧琵琶の月のように孔を塞ぐかたちで
丸と三日月の金属板を貼り付けることにしました

金属板はたまたま手許にあった真鍮と洋銀を使い

このように接着

そして紛失している糸巻を作り




柱を一つ作り足し






絃を張って出来上がり
永田法順氏は跡を継ぐ人がいなかったことを
気にされていたようなので
この琵琶を使う御方が
法順氏の意思の一端でも受け継がれれば
何よりの法要となるのではないでしょうか