2010年12月17日金曜日

お守り刀展拝観

大阪歴史博物館で開催されている
お守り刀展覧会に足を運びました

 地下鉄の出口を出ると
間近に博物館の建物が聳えています
後方には大阪城天守閣が聳えているのが見えるのですが
後ろに立っている高層ビルに呑まれて
ちょっと威厳が消されてしまっています・・





 会場入り口の様子
せっかくなので、常設展示も見ることにしたら
エレベーターで10階まで行くように云われたので
そのようにしました
刀剣展は6階で行われているということです






 10階から常設展示を見ながら
エスカレーターで降りていくと
途中の踊り場が全面ガラス張りになっていて
このように大阪城を望むことができます





 会場内は撮影禁止になっていたので
展示の様子はお伝えできませんが
私の心に残った一振りを
ぜひ見ていただきたいと思います
(販売図録から部分転載)

これは鎌倉時代中期頃の姿をした太刀ですが
作者は岐阜県の吉田政也氏
今年、平成二十二年の新作です
全面が山鳥毛丁子刃文となっています
おそらく岡野家に伝わる国宝の一文字「山鳥毛」を
意識して打たれたものであろうと思いますが
見事でありました
研ぎも氏自身が行ったということですが
妖しいまでの存在感に
時間の経つのを忘れて見入ってしまいました
ぜひ一度手に取って拝見したいものです

その他の展示刀の受賞作は
全日本刀匠会HPで紹介されています





 それからこの短刀は
展覧会とは関係がないものですが
展示会場で販売されていた刀剣誌の
精炎vol.3に掲載されていた
天田昭次氏の作品です
見事な相州伝に息を呑んでしまいました・・





博物館を出ると
天守閣の上には月が出ていて
空の左側には、伊丹空港か関西空港かは
分かりませんが
飛び立った旅客機が間近に・・
このとき、なんとも云えない感慨に打たれてしまったのです・・

2010年12月8日水曜日

特注仕様のラプレヴォット・タイプ完成

が出来上がりました
弦長:640mm









新作 小型モダン・タイプ完成

 新作の小型モダン・タイプが
出来上がりました
弦長:640mm
音出しをYou TubeでUPしました

ボディサイズ
長さ:460mm 上部幅:250mm 
ウエスト幅:205mm 下部幅:330mm

長さ:480mm 上部幅:255mm
ウエスト幅:210mm 下部幅336mm

参考までに
1864年製の弦長650mmのトーレスの
ボディサイズは
長さ:483mm 上部幅:272mm
ウエスト幅:235mm 下部幅:360mm 

























2010年12月2日木曜日

三河白名倉と中世中山仕上げ砥

新たに手に入れた砥石を
早速使ってみました

まずこれですが
京都梅ケ畑地区にある中山間府のなかで
中世(江戸時代以前)から
採掘されている坑道で新たに掘られたものです
前回のものより硬めの
最終仕上げ用のものを手に入れました
入手先:さざれ銘砥




ひじょうに硬いにもかかわらず
よく反応し、心地よく研ぐことができます











そしてこちらは
三河白名倉砥の天上層のものです



これはほとんど仕上げ砥と
云ってもいいくらいです
寛政十一年(1799年)に発行された
「日本山海名産図会」 で
三河名倉砥が仕上砥石として
紹介されているのが納得できます

2010年12月1日水曜日

手焙り形土器は何に使ったのか

先日、主に東海地方で出土している
銅鏃を紹介しましたが(参照
攻める方の武器があれば
守る方の武具もあるはずです
まず考えられるのは鎧ですが
弥生時代の鎧は、古墳時代のような鉄製ではなく
木で作られたものだったようです
それから、弥生時代には盾も使われていたようで
これも木製だったようです

常設展示されているものですが
中央部に丸いものが付いていた痕跡があります


こちらは愛知県から出土している
弥生時代の巴形銅器です
これは盾に付けられていたのでは
ないかという説もあります
そうすると、上に紹介した木製の盾と同様のものに
付けられていた可能性もでてきます

それから、裏側に付けられている金具は
後付けだと思われますが
これを取り付けるには、現在行われている
ロウ付けと同様の作業が行われたものと思われます
そうすると、このときに手焙り形土器が使われた
可能性があるのではないでしょうか


こちらは佐賀県から出土しているものですが
この鉤状の突起も後付けと思われます
これらを作るための刃物や工具を
加工する際に手焙り形土器が
使われていたのかもしれません(参照