2016年9月22日木曜日

今日の作業 縁飾り削りとヒール・キャップの接着

これから縁飾りを削っていく

角利のハイス全鋼豆鉋
これは反り台だが、外に平台も使う
この豆カンナは重宝している

平台

ハイス鋼だから堅い本黒檀でも大丈夫

武田刃物の佑水さんに鍛えてもらった特殊小刀
鋼は青紙スーパー
形状が違うので他の小刀と比較するのは難しい
ところがあるが、切れの軽さはトップクラス
堅い本黒檀でもサクサクと削ってくれる


スクレーパーで仕上げ


これは刃幅3cmの彫刻刀から自作したもの



横板仕上がり

表側と裏側は指板を接着する際に仕上げる

その前にヒール・キャップを切り出し

接着




2016年9月21日水曜日

重輝 寸六 縁飾り接着 そして天寿国繍帳のスッポン

先日手に入れた古い会津鉋
渡辺重輝銘 寸六を研ぎ直して
鋸挽き台として使っている欅Keyaki材
荒削りしてみた

逆目はさすがに止まっていないが

堅いケヤキ材を荒削りしても
刃先はビクともしていない
研ぎ直す前に堅い本黒檀Ebonyを
削ってみたが、さすがに刃先が荒れてしまった
やはり本黒檀はハイス鉋に限る



今日の作業の一部
特注ギター2台の縁飾りを接着



さてこちらは
昭和3年(1928年)に発行された「推古より天平へ」
という本に掲載されていた写真
おやっ?と思ったので、ちょっと調べてみたら
日本最古とされる刺繍で、天寿国繍帳というものらしい

そこに描かれている鼈(スッポン)と思われる
亀形のものを見て、飛鳥にある斉明天皇によって
造られたとされる亀形の石造物と
正倉院に所蔵されている
青斑石鼈合子(せいはんせきのべつごうす)を連想した
どれもほぼ同じ時代である
この時代、スッポンは特別なものとして扱われていたのか・・




斉明天皇の時代の飛鳥の亀形の石造物

天寿国繍帳が織られた時代は
日本で始めての女帝とされる
推古天皇の時代と重なっていて
また、この飛鳥の石像物が造られた時代は
皇極天皇とこの女帝が重祚(ちょうそ)した
斉明天皇(皇極天皇と同一人物)と重なっている
このおよそ60年間の間は女性天皇の時代とも言える
この時代にスッポンが重要視されているのには
何か訳があるのだろうか・・興味が湧く



これは正倉院に所蔵されている青斑石鼈合子


これも天寿国繍帳と飛鳥の石像物の亀に
よく似ている・・

2016年9月20日火曜日

e田橋 crazys そして世界最古の釣り針

e田橋 crazys・・・漫才コンビかと思ったが

これがマンドリン・アンサンブルのユニット名
 というのに驚いた、が・・
今年7月に発売されたCDを聴かせてもらって
はたまた驚いた。めっちゃいいやんか! 

収録曲がすべてオリジナル曲というのも驚かされる

マンドリン・アンサンブルのこれまでのイメージを
払拭させられるのは必至と言ってしまうと言い過ぎか・・




そしてこれは今日のWebニュースから
沖縄のサキタリ洞遺跡で見つかった
世界最古の釣り針とされるもの
巻貝から作られているそうだが
耀貝の輝きが2万数千年経っていても
そのまま、というのに驚かされる



2016年9月19日月曜日

ギター製作状況

昨日の様子ですが・・
2台の特注ギター、縁飾りを入れる部分を
掻き取る作業

トリマーで荒取りし

ノミと


彫刻刀で大まかに仕上げ


ヤスリで最終仕上げ



これは上のコテ状のヤスリから自作したもの
苦肉のヤスリ・・

2016年9月18日日曜日

古い会津鉋 重輝・寸六を入手

 身幅約65mmの寸六鉋
内丸鉋として使われたのか
刃先にアールが付いている
かなり使い込まれ
鋼はあと15mmほどしか残っていない


身の厚みは会津鉋としては厚め

平鉋として使うので
グラインダーで修正

そして、砥ぎ上げた状態
刃角度は約28度

鋼は強靭で、この状態でも
砥ぎ上げるのにやや苦労した

刃先の拡大画像(約180倍)
刃先は整然と研ぎ上がっているが
表面に巣のような窪みが確認できる
このようなものは初めて目にした
肉眼では確認できないので
削り肌には悪影響は及ばない感じではある

砥ぎ上げた裏の様子
銘の「重」の字の中央線が
里から上に貫通しているので
若林重房系の鍛冶職人と思われるが
渡辺重輝銘は初めて目にする
堤章氏の著書「会津の刃物鍛冶」でも
記述はなされていない

最終仕上げに使った仕上砥
古いもので側に手挽きの跡が確認できる
おそらく梅ヶ畑・菖蒲産の蓮華巣板と思われ
石質はかなり硬く、地・刃ともに鏡面に砥ぎ上がる
上の黄板は裏砥ぎ専用の
硬口の仕上砥(梅ヶ畑・中山産)

身が短いので、一枚刃として仕立てることにした
台はカリン材を使う

大まかに表面を削り

墨付け


彫っていく


貫通

身の裏が当るところを決める


出来上がり



さっそく試し削り
これはセドロ材

削り肌に問題なし

次に粘りの強いウィルナット材を荒削り

削り肌も美しい

かなり荒い削りを行ったが
刃先は問題なし

しばらく仕事で使ってみることにする