2018年2月11日日曜日

倭人について少し・・

梁職貢図と東部ユーラシア世界
という本を手に入れたので
倭人(わじん)について
ちょっと調べているのですが

梁職貢図に描かれている
倭国使(倭人)は
日本人離れしているような
雰囲気があります

に描かれている倭人(倭国使)
こちらも上の図と同じように
インドあたりの
南国人のように見えます

これは梁職貢図に描かれている
百済(くだら・ひゃくさい)の
国使ですが
この顔の雰囲気は

日本の高松塚古墳内部に
描かれている壁画の人物に
似ているのではないでしょうか
時代は梁職貢図は6世紀
高松塚古墳は
7~8世紀とされていますので
時代は100年ほど
隔たりがありますが
この時代
6世紀から8世紀にかけては
朝鮮半島の情勢は
波乱に満ちていて
660年には中国の唐と
朝鮮半島の新羅連合軍により
百済が滅亡させられています

百済は復興を期し
日本に救援を求め
その二年後にはかの有名な
白村江の戦いが勃発するのですが
そこに至るまでの
日本と百済との関係は
深いものがあったことは
様々な歴史書から
推察することができます

HPで以前述べたことがある
3世紀頃と思われる
天日槍(アメノヒボコ)は
朝鮮半島の
新羅(シラギ・シンラ)
から渡来している
ことになっていますので
時代によっては新羅とも関係が深く

また、高句麗(こうくり)とも
親密な関係があった
時代もあったようです
有名なところでは
高麗王若光(7世紀頃)ですか・・
高麗氏は9世紀に編纂された
新撰姓氏録にも記載されています

これは先に紹介した
唐閻立本
(とう・えんりっぽん)会図に
描かれている高麗国の人物像です

そして新羅人

これは百済人
上の梁職貢図の百済国使とは
やや趣きは違いますが
これらも倭人とはずいぶん
違った容貌です

そもそも倭人というのは
日本列島に住んでいた民族ではなく
中国大陸にも朝鮮半島にもいた
民族のようです
時代によっては朝鮮半島南部から
九州北部が倭と呼ばれて
いたこともありましたし
歴史家の故・鹿島曻説では
後漢書などの記述から
倭は満州の「北倭」だったと
言えるとしています
また、故・鳥越憲三郎説では
倭人は中国雲南省の民族である
ワ(人偏に瓦)人と同族である
としています

これらは、どちらも
南インドをルーツとした
東南アジア系の民族で
ですから容貌は
上に紹介した梁職貢図に
描かれている倭国使のように
インド人のような南国人だったのは
頷けるところであります

ですから、白村江の戦いの後
日本は唐に支配され
属国になってしまったということも
充分有り得るのではないでしょうか
このことはアカデミックな正史に
反することなのですが
美術史が専門の鈴木治氏が
上梓された
白村江」などを読むと
こちらの方が納得できるのです

参考までに
これは唐の第九代皇帝
玄宗とされている人物です 

話を倭人の風貌に戻しますが
古事記や日本書紀には
記載されていない
卑弥呼のことが書かれている
魏志・倭人伝では
当時の倭人の容貌について
「男子無大小鯨面文身」
(男は大人も子供も
顔と体に入れ墨をしている)
と説明されています

これは弥生時代後期
卑弥呼の時代とほぼ同じ時代の
土器ですが
こういったような顔を
鯨面と呼んだものと思われます

以下、倭人のことが記載された
中国の史書を紹介しておきます
「魏志」倭人伝

「後漢書」倭伝

「隋書」倭国伝

「晋書」夷伝・倭人


2018年2月9日金曜日

薄ノミの裏を研ぐ ベタ裏気味の方がよい場合もある

仕事で使っている刃幅24mmの薄ノミの

裏が短くなり

このような作業がやりにくくなったので
(裏の平面部分が少ないので
ピッタリと面合わせができない)
裏研ぎを行った

これは400gritのダイヤモンド砥石

次に使ったのは800grit

そして1200grit
もっとベタ裏でもよいくらいですが
この程度に留めておきます

そして内藤商店の人造砥石2000grit


動画参照下さい

ここからは天然砥石
これは群馬県産砥沢虎砥
約1000gritの硬口

そしてこれは
愛知県産三河名倉のアツ
約1500gritの硬口

ここから仕上げ研ぎ
使っている砥石は産地不明の
硬口仕上砥 約3000grit


最終仕上げに使ったのは
京都梅ヶ畑中山産の硬口戸前

鋼が青紙なので
炭素鋼のようには光りませんが

仕事で使うには充分です


2018年2月8日木曜日

ひな祭りイベント そして端材のオブジェ


丹波篠山
今田町にあるカフェ
ひとやすみ」では
2月7日~4月8日
ひな祭りのイベントが行われます
営業日は毎週水曜日と木曜日
午前11:00~午後5:00
期間中 3月3日、4日
そして4月8日には
コンサートも企画されています


まず3月3日(土)は
マリアハープ 無料コンサートと
体験会 午後1:00開演
席数が限られていますので
予約が必要です 079-550-7530
私も伴奏で参加します


そして3月4日(日)に行われる
ギタリスト増井一友氏と
マリアハープ弾き歌いの
によるコンサート
午後1:30開演 入場料¥500
こちらも予約が必要です
079-550-7530


そして最後に
ケルティックハープ奏者の
そしてマリア味記子さんによる
コンサートが4月8日に
多目的ルームで開催されます
午後3:00開演 入場料¥500
19歳未満無料
予約はとくに必要ありません

出演者プロフィール

以下
カフェひとやすみの展示の様子を
少し紹介


拙作の端材のオブジェも展示されています


小さな人形はマリア味記子さんの作品

そして人形作家 神戸哲雄氏の作品
豆 飾り雛
販売もされています 




これはマリア味記子さんの作品


これは蛇足で展示はしませんが
今日作ったオブジェです



2018年2月5日月曜日

変わったアンモナイト そしてHSS鉋砥ぎ

一見、丸い石に見えますが・・

パカリと割れると
中にはアンモナイトが・・
これはイギリス産

そしてこれは南米ペルー産の
アンモナイトを2個接着したものですが
一つの一部に白い筋が入っています
これは白い石のようですが
一旦、化石になったものが
地層のズレなどで途中で割れ
その隙間に新たに白い石質のものが
充填されたのでしょうか・・
不思議です


二つを接着したアンモナイトが
いつの間にか増えています・・


さて、こちらは天然の中砥
手前は硬口の伊予砥Iyo-to
上は山梨県産の羽黒砥(硬口)です
どちらもハイス鋼砥ぎに
威力を発揮してくれます

伊予砥はやや粗めで
硬口なので、目起こしをして研ぐと
55mm幅の粉末ハイス鉋を
切れが止んだ状態から砥ぎ始めて
1分も研がないうちに返りが出ます

これは最終仕上げ砥ぎを行った状態です
仕上砥は京都梅ヶ畑奥殿Okudo産の
硬口浅黄Asagi 
この仕上砥もハイス鋼によく反応してくれ
研磨力もあり
心地よく研ぐことができます
砥ぎ動画参照下さい

ハイス鉋とは思えない研ぎ上がりです

使った天然砥石
左から粗め硬口の伊予砥Iyo-to
その右は山梨県産羽黒砥Haguro-to
次は愛知県産三河名倉砥Mikawa-nagura-to
ここまでは中砥で
その右は仕上げ砥の京都新田Shinden産戸前Tomae
右端は京都奥殿Okudo 産浅黄Asagi


このとき他に研いだ鉋たち