2019年1月19日土曜日

Cosimo Tura コジモ・トゥーラ と有元利夫の絵

コジモ トゥーラの画集を入手
1958年に発行されたものなので
モノクロ写真が多いのが少し残念
この絵は作者不詳ということで
三人の子供はコジモ・トゥーラが
描いたと説明されています

この描かれている女性を見て
有元利夫が描いた女性を
連想したのですが
女性の雰囲気といい
雲の描き方といい
よく似ているので驚きました

以下、有元利夫が描いた女性



最初に紹介した絵の
カラー版

これはコジモ・トゥーラが
描いた聖母子ですが
足元で演奏されている
楽器に興味を惹かれます

5コースのリュートと
その上は5弦の
フィドルでしょうか


この絵は
処刑されたキリストを
両側で支えている
天使が描かれていますが
この背景をじっくりと観察すると
驚かされてしまいます

この世ならざる存在
とでもいうのでしょうか

人物が透けています・・

時代が下って
19世紀後期の画家
ゴーギャンが描いた
「説教の後の幻影」では
背景に取っ組み合いをする
幻影が描かれていますが

これは天使とヤコブと
されています

2019年1月16日水曜日

葛飾北斎日新除魔帖

明治39年(1906年)に
発行された本を入手
バラバラの状態なので
製本をやり直そうと思います

この本は晩年の北斎が
魔除けのため
毎朝仕事始めに描いた
とされる獅子図が
まとめられてたものです

葛飾北斎日新除魔帖

ここで説明されている
阿栄(おえい)とは
北斎の娘のこと
以前のブログ投稿
参照下さい
阿栄は優れた画家でもあり
離婚して家に戻ってからは
北斎と一緒に描き
北斎の代筆もやっていた
とされています
号は應為(おうい)

ちぎれていた表紙を
端裂で補強


各ページの補修を
終えたところ

オリジナルは
金属線で綴じられて
いたようなので
銅線で綴じてみました




表紙の裏と奥付けの裏に
古裂を貼り付けてみました

補修した新しい紙に
水彩絵の具で古色付け


今日の日付の獅子図
卯年となっていて
解説では天保14年
西暦1843年に描かれた
とされています
この年の正月元旦から
描き始められ
12月29日に至るまで
描かれたもののうち
219点が現存している
ということで
この本では86点の獅子図と
宝珠の図、そして
長寿の薬の調合法の
説明書き
合わせて八十八点が
掲載されています

その中から獅子図を
少し紹介しておきます



2019年1月15日火曜日

百合の花の象嵌 Inlay

いま作っている楽器に
ユリの花をデザイン化して
象嵌をするので
描かれた百合の花を
いろいろと参考にしてみました

これは江戸時代の陶芸家
尾形乾山が描いたもの

これは作者は誰でしょうか・・
乾山と同様、琳派風でもあります

これは乾山の兄尾形光琳
描いたもの

そして幕末の大画家
葛飾北斎が描いた百合

これは北斎の娘である
阿栄(おえい)が描いたもの
雅号は鷹為(おうい)
YouTube動画参照下さい

因みにこれは鷹為が
描いたものですが
鷹為の人物画は指がすらりと
異様に長く描かれているのが
特長とされています
この指を見て、私は
藤田嗣治が描いた女性の指を
連想しました

これは藤田嗣治の作品ですが
指が異様にすらりと長く
描かれています


そのことをSNSで紹介したら
知人から、イタリア15世紀の画家
コズメ・トゥーラが描いたものと
よく似ていると指摘がありました
こうして見ると
確かによく似ています
いろいろと興味が湧きます

さてこちらは藤田嗣治が描いた
百歳の自画像
藤田嗣治は81年の生涯でしたが
100歳の自画像を描いているのは
興味深く、また鷹為の父である
北斎が目標としていたことを
連想させられました
北斎は90歳でこの世を
去っていますが
自分の絵は110歳で完成される
と信じて毎日精進していた
ということです
90歳で病に倒れ
臨終の間際には
あと5年だけでもいいから
長生きしたいと口にした
と伝えられていますが
この意欲にはまったく驚かされます

藤田嗣治も葛飾北斎も
自分の腕を上げるために
毎日毎日ひたすら絵を描いた
とされていますが
このことはもちろん
苦痛ではなく
才能ある人はそれが楽しくて
仕方がないのだろうし
少しずつ自分が進化・深化・新化
していくのが実感されて
さらに、さらに上を
目指していたのだと思います

ということで
こちらはユリの花を
Inlayする前段階
下地を仕上ているところです

そして白蝶貝のシートから
デザイン化したユリの花を
切り出しているところ


こんな感じに嵌め込みます


もう1台の方は
こんな感じです


2019年1月13日日曜日

江戸時代の鋸と鉋



昭和49年に新建築社
から出版された本
日本の古来からの
大工道具に関する絵が
紹介されています

これは江戸時代初期の
川越三芳野天神縁起絵巻
に描かれたもの
初めて見る鋸・・

金切り鋸のように
弓が付けられています

これも同じ絵巻に
描かれたもの

鉋を研ぐ際の
持ち方に興味が沸きます

これは鉋刃を出しているところ
と思われますが
台尻を叩いている
のでしょうか・・

こちらでは押して
鉋削りをしています

これは江戸時代中頃に
描かれたもの
この絵では鉋を引いて
使っています


鋸は木葉型ですね

犬が描かれていて
微笑ましい