2013年5月2日木曜日

新作 特注ラコート・タイプ  Bubinga仕様


新作 特注Lacoteタイプ 弦長640mm

右クリックで別ウィンドウで開くと
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ブリッジの材質は黒檀・Ebony


さざ波のような美しい杢が出ているブビンガ材





指板はフレットが全く出ていない










糸巻きはSloane製 Leaf Bronze 仕様


新作 19世紀ギター 特注ラコート・タイプ Maple仕様


新作 特注Lacote タイプ 
弦長640mm
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横・裏板は深い杢の
カーリーメープル 





フレットは19世紀の
オリジナル・ラコート同様の
洋白銀・板フレット

ペグは市販品ですが
ノブと弦を巻き付ける
ローラーの回転比が
4:1になっている優れもの
軽い回転で音程の微調整が
楽に行え従来のペグのように
調弦で手首を痛めたり
することもないでしょう
これはペグの革命と言っても
過言ではありません



2013年5月1日水曜日

藤四郎銘十本組鑿の六分鑿を研ぎ上げる


千代鶴是秀作と思われる藤四郎銘の十本組鑿の内
六分鑿を研ぎ上げてみました
以下の画像3枚は研ぐ前の状態








まず裏の研ぎから
最初にシャプトンの「刃の黒幕」#1500を使いました
動画参照下さい


次に天然砥石の三河中名倉(アツ層)をかけ


裏の仕上は京都梅ヶ畑・奥殿(おくど)産白巣板を使いました
動画参照下さい





次に鎬面を研いでいきます
まず荒研ぎとして、シャプトン「刃の黒幕」#320をかけ


中研ぎとしてシャプトン「刃の黒幕」#1000で研ぎました



中研ぎの続きと仕上げ研ぎの動画では
最初に産地不明の中砥(粗め)
次に硬めの佐伯(さえき)砥、そして三河中名倉のアツ層
仕上げ研ぎの最初は、中継ぎとして
京都丹波・奥ノ門産の戸前
最後に京都梅ヶ畑・中世中山産の
やや硬めの戸前を使いましたが、動画撮影後
この中山産の硬めの戸前で最終仕上げをしました










刃先は美しく仕上がっています


千代鶴是秀作か?藤四郎銘組鑿と国弘銘鉋


兵庫県三木市の通称・井上神社から
明治時代から昭和の初め頃に活躍した刃物鍛冶名人
千代鶴是秀作と思われる10本組の追入鑿Nomi
銘は藤四郎

左勝廣銘のコテ鑿(参照下さい)
それに加え千代鶴是秀の先輩格にあたる
国弘銘の鉋2丁を預かってきました
この組鑿は5年ほど前にこちらのHPで
紹介したことがありますが(砥石はこちらで紹介しています)
兵庫県三木市に古くから存在していた日原大工という職能集団があり
その棟梁をやっていた大工職人の道具一式が井上神社に収まったのです

かなり使い込んだ形跡がありますが
先日これを見た数寄屋大工の国分氏は
一様に研ぎ減っているのが興味深いと言っていました
おそらく組鑿をいくつか持っていて
頻繁に使う鑿は他のものを使っていたのではないかと推察していました
このことは、国分氏が後日この組鑿を
宮大工で有名な西岡常一氏の唯一の弟子である
小川三夫氏に見てもらった際にも
同じことを口にされていたそうです



藤四郎という刻印銘が確認できます
これが真作だとしたら、千代鶴是秀作の鑿が
このように組になって揃っているのは
貴重ではないでしょうか

柄はグミの木


こちらは日原大工の棟梁の
道具箱の一つに収まっていたもので
国弘銘の鉋2丁です
手前は寸三小鉋(身幅54mm)
奥は寸六の長台(身幅67mm)



通称、天国弘と呼ばれているもので
刻印の銘振りが違っています
右の寸四身には重ね鷹羽の刻印が打たれています
国弘鉋には偽物が多いということなのですが
さてこれはどうなのでしょうか・・
四代目の作ではないか・・という意見も頂きました

これら紹介した藤四郎銘の組鑿と国弘鉋2丁
そして左勝廣のコテ鑿を
私が研ぐという大役を仰せ付かったわけですが
果たしていかに・・・



鉋身の背を受ける台の馴染(なじみ)
紙が挟んである状態なので
この部分も補修をしようと思います

研ぎの手始めとして
まずグラインダーで火花を出してみました
動画参照ください
こういったことはなかなか機会を得ることができないので
貴重な資料となるのではないでしょうか

これは藤四郎銘一寸二分(刃幅約36mm)の追入鑿
炭素鋼系の火花が出ています

これは国弘銘寸四(身幅約54mm)鉋身

そして国弘銘寸六(身幅約67mm)の鉋身

火花から判断して3点とも炭素鋼が使われているものと思われます
ということは、千代鶴是秀作のノミの鋼は
スウェーデン鋼ということになるのでしょうか・・
興味深いところです・・