2014年1月11日土曜日

佐野勝二作と思われる千代鶴銘鉋の台を修復

台もかなり使い込まれて悪い状態ですが
何とか修復してみました




台頭は金槌で叩かれグサグサの状態なので




5mmほど切り落としました


木口の割れやヒビを瞬間接着剤で補修


全体に鉋をかけ汚れを除去


虫食いの痕もついでに補修


押金(裏金)の押さえ棒も新しくしました(釘を使用)


刃口を狭くし、木っ端返しをもう少し厚くするため
樫材の薄板を瞬間接着剤で貼り付けました
埋木をしなくても、これで充分いけます


出来上がりました
台は尻も5mmほど切り落としたので
全体で1cm短くなりましたが
まだまだ充分な長さがあります(約32cm)
右は同じ佐野勝二作の昭豊銘寸八






刃口はできるだけ狭い方が逆目を止めやすくなります


身の仕込みはどちらも八分勾配くらいですね


はがねと地鉄じがねの鍛接の様子
上が千代鶴銘寸八で下は昭豊銘寸八
刃先はどちらも試し削りを行った後の状態です


地鉄の銑で削られた跡や
身の厚み具合などよく似た感じです
右が千代鶴銘寸八で左は昭豊銘寸八

2014年1月3日金曜日

正月恒例の山歩き

近くの山をちょっと歩いてきました


ほとんど獣道・・
飼い犬にも風格が・・?




心身ともに清浄になったような気がするので不思議・・
やはり自然は素晴しい
海の近くで生まれ育ったので
ほんとうは海が見たいのですが
山には山の素晴しさがあります




今年もサルノコシカケ発見



これは昨年12月の写真ですが日本海です
兵庫県北部・但馬たじまの香住かすみ海岸


香住の大乗寺・応挙寺


山門には、かの彫刻家中井権次一門による彫り物が・・




2014年1月2日木曜日

新たな道具たち 豆鉋と玉龍、正宗銘の小刀

豆鉋の平で二枚刃のものが必要になったので新調
写真上のもの 身幅は24mm
その下の6丁は身幅が狭く、皆一枚刃





こちらは知人から分けてもらった小刀

鋼はどれも安来鋼・青紙
左の2枚は「玉龍」銘で身幅は約11mm
知人によると、おそらく三木の刃物だろう、ということです

右は八分(24mm)幅で銘は「正宗」
これは鎌倉鍛冶、正宗二十四代目である
綱廣氏が鍛えたものです


写真は裏も表も鍛冶研ぎの状態の新身


玉龍銘は一枚を刃渡り角度を
グラインダーで修正


研ぎ上げました
刃角度は約27度


裏はディスク・グラインダーで適当に透き直しました



こちらは研ぎ上げた正宗八分
刃角度は約13度


刃先は問題なし





試し削りで柔らかいスプルーズ材を削ってみしたが
刃角度が低すぎ、刃先がすぐにこのようにボロボロと捲くれ
切れなくなりました
やはり刃角度13度は無理があります


ということなので、刃先から3mmほどを
刃角度約23度で研ぎ直しました


裏も切れたので研ぎ進め


これで問題なく使えるようになりました
写真は柔らかめのスプルーズ材を削ったところですが
なかなか軽い切れです


これはギターのネックなどに使うセドロ材
やや柔らかめの材質です
これも切れは軽く、心地よく削ることができます


最後に粘りの強いメープル材
これも大丈夫です
これでしたら充分仕事で使えます



こちらは玉龍銘11mm
安来鋼・青紙としては軽い切れですが
正宗八分に比べると重い感じです
ですが、価格が¥1000程度というのに驚いてしまいます







最後に、現在主力で使っている無銘の10mm幅小刀
これはこれまで何度か紹介してきましたが
30年程前に研ぎの師匠の紹介で
刀匠に5枚打ってもらったものの最後の1枚です
当時、5枚で\3万ほどでした
鋼は安来鋼・青紙ですが切れは軽く
手持ちの小刀の中では最も切れが軽いものです



2014年1月1日水曜日

江戸時代の巻き絵

年末の大掃除のときに書棚から出てきたもの
数年ぶりに再開
江戸時代に描かれたものです


こちらは「漢人遊山水」という題が付けられているもの


そしてこちらは「漢画扇面」
どちらも雲母引紙きららびきがみに描かれています






これは当時12才の利三郎少年が描いたもの


天保八年二月吉日
利三郎 写之 享年12才
利三郎 写之は別人が書いたものと思われます
父親か誰かが記録のために書いたのでしょうか・・
微笑ましい