2012年5月29日火曜日

シクンシ科の月桂樹


3月に注文していた
オリエンタル・ウォルナットが
ようやく届きました



今回は試みにギタ-用材を
10セット注文してみました


ウォルナットということですが
見たところクルミ材ではなさそうです


削った感じもウォルナットとは思えません
業者から送られてきた伝票には
INDIAN LAUREL となっています
ロ-レルといえば月桂樹のことですが
インターネットでちょっと調べてみたら
月桂樹と呼ばれる木には
クスノキ科のものと
シクンシ科のものがあるようです(参照
シクンシ科のものはインドやミャンマーに
生息しているようなので
今回のものはこのシクンシ科のものと思われます


鉋で削ると美しい縞模様が現われました


水で濡らしてみました
ニスを塗るとこのような感じになります
タッピングの反応は
メープルによく似た感じです
Boxハープと相性が良さそうです



2012年5月27日日曜日

今日の工房 裏板を接着


製作中の2台のギター
きょう裏板を接着しました






これはフォルクローレ用ギターとして
製作しているものですが
ボディの大きさはモダン・タイプとしては
かなり小型です(参照)。弦長は650mm

今回はこの型で楽器全体の反応が
できるだけ深くなるように試みました
この表現は言葉では難しいのですが
楽器全体をタッピングしたときに
コツコツとした部分が存在しない
とでも言いましょうか・・
楽器の種類を問わず、レベルの高い楽器は
こうした反応を示しているように
私は感じているので
ここ10年ほど様々な試みをやっています
現時点で言えることは
この反応は19世紀ギターでは難しく
大型のモダン・タイプではハーモニック・バー
の下方でしか実現できないような気がしています
それが今回の小型のモダン・タイプでは
比較的可能性が高いような気がしているのです


2012年5月26日土曜日

手タレ







手の型を取りたいという依頼があり、手タレをやりました
かなり細かいところまで再現されるもので・・
同じ形にして自分の手を見ても
まったく別物にしか見えないのが不思議・・

2012年5月22日火曜日

奥殿産本巣板天井でハイス鋼の鉋身を研ぐ


20日に紹介した仕上砥石
奥殿産本巣板天井でハイス鋼の鉋身を
研いでみました(動画参照

動画で最初に使っているのは
愛媛県産の伊予砥(粒度は約#1000)
この砥石は柔らかめで、通常の鉋身は
砥泥が出すぎてやや研ぎ難いのですが
ハイス鋼の鉋身にはほど良い反応をしてくれ
心地よく研ぐことができます
研磨力も強く、ハイスにはこれ!という感じです




次に使っているのは
これも前回使用した、新たに手に入れた
天然中砥、沼田砥と思われるものです
粒度は#1500以上ある感じで
中研ぎの最終段階として威力を発揮してくれます
ハイス鋼にもよく反応します




そして仕上げ研ぎですが
これも前回使用した
奥殿産本巣板天井層のものです
通常の鉋身よりも反応良く
中砥の傷をあっという間に消すことができました




そしてこれは以前紹介した中世中山砥
これもハイス鋼によく反応し
上の奥殿本巣板天井とよく似ています


研ぎ上がりも同様の仕上がりで


二つを並べてみると
質感、模様など見た目もよく似ています


側の状態ですが
右の奥殿産本巣板天井は
巣の層が顕著に確認できるので
巣板ということが納得できますが
左の中世中山砥は
全体に質は均一で層は判然としません


この二枚の仕上砥で
燕鋼の鉋身も研いでみましたが


ハイス鋼同様よく反応しました

2012年5月20日日曜日

奥殿産本巣板天井で初弘鉋を研ぐ


YouTubeにUPした研ぎ動画
画像を紹介しておきます
研いだ鉋身は初代・初弘の寸六
はがねは炭素鋼


動画で最初に使っているのは
群馬県産の砥沢・虎砥
粒度は約#1000


研ぎ面の幅は6.5mmで
二分(約6mm)研ぎとも言います


次に使っているのは
産地不明の中砥
これもおそらく上と同じ虎砥(沼田砥)と思われますが
粒度は細かめです(#1500以上)


中砥ぎの最終段階として使えるものは
なかかなかお目にかかれません
しかも目起こしをしなくても
よく反応してくれるので
少しでも手間を短縮でき、助かります


ここから仕上げ研ぎですが
これは今回新たにさゞれ銘砥さんから
お世話になったものです


産地は京都梅ヶ畑・奥殿おくど
層は本巣板の天井だということです
硬めの石質ですが、よく反応し
強い研磨力があります
以前、森砥石さんから見せてもらった
に研ぎ感がよく似ていて、粘りを感じ
まったりと研ぐことができます


鋼はほぼ鏡面に仕上がります
この研ぎ感でここまで細かく
仕上がるのには驚きます


試しに研ぎ幅が一分(約3mm)の鉋身を
研いでみましたが、これも大丈夫でした


一分研ぎの鉋身も初弘
これは代が初代なのか二代目なのか
判然としません(鋼は安来鋼・青紙と思われます)


上に紹介した産地不明の中砥には
特によく反応します

2012年5月19日土曜日

小林久美子さんの銅版画展



兵庫県三田市にある
「ギャラリーけやき」に足を運びました


開催中の「小林くみこ」銅版画展









「流るるままに・・淡い想い」







「上質な空間」



この2点を工房に掛けることにしました


2012年5月14日月曜日

中世中山仕上砥二種類で鉋身を研ぐ


YouTubeにUPしている研ぎ動画
画像を紹介しておきます

これは中研ぎの最初に使っている
上野(こうずけ)国(群馬県)産
砥沢・虎砥(沼田・虎砥)
粒度は約#1000

研いでいる鉋身の鋼(はがね)
1970年代のスウェーデン鋼


次に使っているのは
丹波亀岡・岡花産青砥
粒度 約#1200


上野国(群馬県)産瓢箪・沼田砥
粒度#1500程度


ここからは仕上げ研ぎです
まず最初に使っているのは
中継ぎ用の粗めの仕上砥
これは昔の木工職人が使っていたもので
おそらく中山産のものだろうと思われます


ザクザクとよく反応し


あっという間に中砥の傷を
消すことができました


そして新たに「さゞれ銘砥」から
手に入れた中世中山仕上砥
やや硬めですが反応よく
心地よく研ぐことができます
中央上部に太い筋があり
一応除去しましたが、まだザリザリと
当たるところがあります
ですが地鉄(じがね)や鋼(はがね)
傷は付かないので
それほど気にすることはないようです




地鉄(じがね)にはやや荒めの傷か付きますが
鋼はほぼ鏡面に仕上がります


この仕上砥は研磨力が強いので
岡花産青砥(粒度約#1200)で研いだ後に
使ってみましたが
少し時間をかければ(3分ほど)
ここまで仕上げることができます
仕事で使うにはこれで充分です
鉋身は藤井刀匠作・玉鋼寸八


これも今回「さゞれ銘砥」から手に入れた
中世中山仕上砥


これは硬めの鏡面仕上げ用ですが
良く反応し、心地よく研ぐことができます