2024年5月8日水曜日

ヒマシ油添加シェラックニスを試す


シェラックニスにヒマシ油を
少量添加すると
刷毛塗りしやすくなり
塗膜も独特の美しさが得られる
ということなので試してみた
刷毛塗りのしやすさはもっと広い面を
塗らなければ分からないが
ニスの乾き具合や指触の感じは
ほとんど変わらない
同様の添加剤として亜麻仁油を
変性させて作られたリノキシンがあるが
それと同じような効果が
得られる感じか・・

添加したヒマシ油は
シェラックニス100mlに対し
太さ3mmほどの棒に付着させて
7滴垂らした

ひまし油メーカーの説明には
「ヒマシ油は、優れた安定性、
保色性、可撓性、顔料分散性、
湿潤性、潤滑性、低温特性、
電気特性、および生理的特性を
有するために
そのままラッカー、レザー、
印刷インキ、コーキング材、
潤滑剤、文房具、化粧品、
電気絶縁 材料、医薬品
などに配合使用されています。」
とあります

前回の塗りの後、サンドペーパー600番で
研磨し刷毛塗りを行った
メープルの一面だけ試しに320番の
サンドペーパーで深めに研磨したが
やはり塗り肌が荒れてしまった
刷毛塗り後10分ほど経った状態


そして最後に荒れたメープル面を
600番で研磨し改めて刷毛塗りした状態


これはこれまで試してきた
テストピース
古いものは1987年のものもある


2024年5月5日日曜日

Luca Signorelli ルカ•シニョレッリ


ピエロ•デッラ•フランチェスカの
弟子とされるLuca Signorelli
ルカ•シニョレッリが描いた楽器
Vihuela ビウエラのヘッドが
ボックスタイプになっているのが
興味深い


Fiddle フィドル

Harp ハープ

Psaltery プサルテリー

Lute リュート

静物画も素晴らしい

2024年5月4日土曜日

ギタリスト中川亨氏 工房の様子 

 



工房に寄って下さいました
若い頃、スペインとフランスに
留学されていて
その時の思い出話は
たいへん興味深かった

こちらは工房の様子
製作中の19世紀ギター
フレットを打ち込む準備

NAKAYAの替刃式鋸
組子用


この特殊鑿nomiは
ヤスリを焼き戻して自作したもの

ヤスリの跡が残っている

修復中の18世紀マンドリン
指板加工中


指板装飾の欠落パーツを
白蝶貝で作っているところ



ヤスリで整えて出来上がり

中央はオリジナル

このように象嵌する

2024年5月2日木曜日

なごにゃん 栗顔 そして貝殻コレクション

去年収穫した栗の実
顔を描いて
富士山に付ける


「なごにゃん」というものらしい

人間が食べるものらしい

貝殻コレクションの一部
この中に木彫り作品が
交じっている
お分かりでしょうか







これは2cmほどの
小さなものだが
存在感は大きい

骨董商の知人に貰ったもの


昔の「貝合わせ」とは違う感じ
絵柄は昭和な雰囲気もある
どうやって遊んだのだろう・・
おはじきか・・


2024年4月30日火曜日

ボエティウス キタラと弥生時代の琴


5世紀から6世紀のイタリアの賢人
ボエティウス(古代ローマ末期の哲学者、政治家)は
古代ギリシャのソクラテスのように
政敵によって訴えられ、反逆罪で死刑になり
44年の生涯を閉じている
ソクラテスは毒杯を飲まされているが
ボエティウスは拷問によって処刑されたらしい
ボエティウスの著書は日本語にも訳されていて
処刑される前に書かれた「哲学の慰め」は
1969年に出版されたものを持っているが
「音楽教程」はこれまでほとんど見当たらなかった
それが昨年11月に新訳で発刊され
喜び勇んで手に入れた



哲学の慰め


「音楽教程」は当時の楽器と音楽の基本が述べられていて
楽器について興味深いところをちょっと紹介
当時も音楽コンクールが行われていて
通常は楽器に7弦のキタラ(リラという7弦の竪琴を
演奏家用として箱型に改造したもの)が
使われていたが、それを11弦に改造した楽器を
使った参加者が王と監督官に叱責されている

リラ(7弦)

リラを改造したキタラ

ここで興味が湧くのは
7弦の竪琴に単純な構造のリラと
箱型に改造したキタラの存在

これは日本の弥生時代の琴にも同様のものがあり
板に弦を張った単純な構造のものと
現在の琴のように箱型にして
音量が増すように工夫されたものがある
弦の数は5本、6本、7本と様々だが
リラやキタラとほぼ同様なのが興味深い

江戸時代に平田篤胤が著した仙境異聞では
天狗にさらわれた寅吉少年が
仙界で見た琴も紹介されているが
それは真鍮の弦が11本張られている
また、ボエティウスは音楽については
プラトンを引用し「世界のアニマ(魂)は
音楽の調和と結び付けられている」
と述べているが、日本の秀真伝(ホツマツタエ)では
歌と合わせて琴を奏すれば
言語明白になり
五臓六腑(いくらむわた)が整うと説明されている
言霊(ことだま)のはたらきを一層発揮するために
琴は大切なものとされていた
仙境異聞でも、 音楽を伴った仙界の舞
天地の神に捧げるために行われ
そのときにはア・イ・ウ・エ・オ・・の50音が
奏楽に合わせて一言ずつ発せられ
それに振りが付けられているのです