2010年8月15日日曜日

特注サイズギター製作 その1

これから特注サイズの
モダンタイプ・クラシックギターと
これも特注の19世紀ギター
ラプレヴォット・タイプを製作していきます
今回製作するのは、HPで紹介している
アグアドが使っていたとされるタイプです
どちらも初めての試みなので
注文をして下さった方の了解を得て
その製作過程をブログで紹介していきたいと思います
これは特注サイズのモダンタイプの響板ですが
この状態は、一枚の板を厚みを半分に製材した後
本を開くように両側に開いたものです
その状態でニカワで接ぎ付けます

この板はヨーロッパ・アルプス産のスプルースで
30年近くエイジングさせたものです
全体に大波の杢が入っています


その接ぎ面を長台鉋で仕上げるのですが
板をぴったりと合うように削るには
まず鉋台の削り面の確認から行います


鉋台が狂っていたら矯正し、それが終わったら
このように接ぎ面を仕上げます
その様子はYou Tube にUPしましたので
そちらでご覧ください



接着面が仕上がったら
このようにニカワで接着します


今回製作する特注サイズは
上の型の黒い縁のものです
依頼のサイズになるように
新たに図面を描いたものです
その外側の型は現在の私の
モダンタイプのサイズです
このサイズは一般的なクラシックギターよりは
小さめで、トーレスの標準タイプや
ブーシェの弟子に当たる
ジュリアン・ゴメス・ラミレスとほぼ同じ大きさです

特注サイズの内側の型は
19世紀タイプの私のオリジナル
最も小さいのがラプレヴォット・タイプです

接ぎ付けが終わったら
大まかに表面を仕上げて
ギターの形に切り抜きます
その削りの様子もYou Tube にUPしました

次の工程はこちら


切り抜きは、私は小型のバンド・ソーで行っています


今回製作する二台分の響板と裏板が揃いました


2 件のコメント:

  1. ギターは学生時代カルカッシをちょこっとかじったくらいなのでよくわからないのですが、大きくなると低温の響きがよくなるんですか?
             源 信正

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  2. ボディの大きさと楽器の響きの善し悪しは
    ほとんど関係がありません。
    ただし、ボディが大きいと低音の音質は違ってきます。
    大味になるといいますか、
    蝉とカラスとライオンの鳴声の違いと同じとでもいいましょうか・・
    ただ、蝉、カラス、ライオンの声の音源といいますか
    体から発するエネルギーの大きさは違いますが、
    ギターの場合、弦の張力による違い(音源のエネルギー)
    は楽器が大きくても小さくてもそれほど変わりませんので
    ボディが小さいほど楽器が発する音量に関しては
    有利と言えます。
    もちろん奏者による違いはありますが・・
    音質は楽器の作者と演奏家により様々に変化しますので
    何とも比較のしようがありません・・

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