2年ほど前に
播州(兵庫県南部)・日原大工の棟梁が
使っていた藤四郎銘の組鑿Nomiと
國弘Kunihiro銘の鉋
そして左勝廣のコテ鑿を
研ぎ上げたことがありますが(参照)
その道具たちに錆が付いたので
再度研いでほしい、という要望がありました
左勝廣の銘は
これまで判読できませんでしたが
銘を反転させてみると
上の文字は勝と読めるような・・
おそらくこれは左勝廣に間違いないでしょう
参照下さい
研ぎ直す前に試し削りを行ってもよい
ということなので
さっそく仕事で使ってみました
YouTubeに動画をUPしました
動画で使ったのはこの四本
左から刃幅五分(15mm)、八分(24mm)
六分(18mm)、一寸(30mm)
動画では五分~六分~八分~一寸
そして、その逆、という順番で使いました
削った材はオリーブ材
これはやや堅めで粘りの強い材です
刃の研ぎ角度は五分のものが約24度
動画撮影前の刃先の拡大画像(約150倍)
こちらは動画撮影後
以下、同じです
六分は
約27度
八分は約24度
一寸も
約23度
竹中大工道具館の新築工事にも携わられた
工藤工務店の工藤一男氏によると
低い刃角度の追入鑿は
深く差したり抵抗力を少なくして割るなどのために
刃角度を22度から24度位まで低くし
包丁のように、刃先だけ小刃Kobaを付けて
使っていたのだそうです
昔の大工さんの経験から得た知恵ですね
感心しました・・
普通のノミは27度から30度位で研いでいたそうです
上の刃先の拡大画像を見てみると
やはり刃角度が低いものは
刃先が細かく欠けています
オリーブ材の木口削りでやられたものと思われますが
刃角度が約27度のものは大丈夫なので
工藤氏がおっしゃっているように
刃角度が低いものは28度くらいで
小刃を付けた方が良さそうですね
動画撮影を終えた状態
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