2020年8月15日土曜日

江戸時代の描かれた楽器

これは以前紹介した江戸時代初期の画家
岩佐又兵衛勝以が描いた屏風絵の一部
ケースに入れられた三味線が描かれている

全体図

これも岩佐勝以が描いたもので
琵琶法師が描かれている
この琵琶も黒漆塗りと思われる
ケースに入れられている


同じく琵琶法師図
これも黒いケースに入れられている


これは鎌倉時代後期(14世紀)
に描かれた琵琶法師
(東北院職人歌合絵巻)。
これも白いケースに入れられている
岩佐勝以はこれを参考にしたのか
布の袋に入れられた琵琶が
描かれているのが一般的と思っていたが
このようにケースに入れられたものが
描かれているのは
大変興味深いところ

さて、この琵琶も江戸時代初期の画家
岩佐又兵衛勝以が描いたものですが
かなり異様な琵琶です
撥が当たるところを保護するための
撥面の位置が覆手(bridge )の下側にあり
鶴首(neck )の形状もおかしいし
柱(fret )のサイズも違う
これはどう見ても楽器を見ずに
描いているとしか思えない
ということは
これはかなりの規模の工房で描かれ
描き職人(弟子や息子など)も
多人数であったことが想像され
興味深いところ

これが通常の琵琶

異様な琵琶が描かれている全体図
(といっても、絵巻物の一部)

鍬形蕙斎が
描いた琴師の工房の様子


喜多川歌麿が描いた琵琶
絃の張り方が
三味線のようになっている
実際にこういった琵琶が
あったのだろうか・・

人倫訓蒙図彙で紹介されている
琴師の工房の様子
この琵琶も絃の留め方が
三味線のようになっている

この絵も同様

こちらの琵琶は本来の留め方だが
絃を留めている覆手の形が異様で
三日月形になっている


異様な楽器といえば
この楽器もかなりおかしい
説明は「寛永、正保の頃の古画なり。
胡弓の古製と見るべし。
胴丸く、弓短小にして今と大いに異なる也。和漢三才図絵に胡弓は
南蛮より始まる、と見えたり。
この図の古製蛮絃に近し。」
と書かれている
通常、胡弓の胴は三味線同様四角だが
これは丸い
絃倉の転手の位置も逆
弓の形状もかなり違う
それから、この絵が
胡弓弾いているところならば
弓を当てている絃の位置が
駒bridgeの下側というのもおかしい
おそらくこれも想像で
描いたものと思われる

いろいろ調べていたら
イランの民族楽器ケマンチェという
よく似たものが見付かった
右の三絃のものは胴が丸く
糸巻きの位置も同じ
おそらくこの楽器が描かれたのでは

参考までに鈴木春信が描いた三絃の胡弓

北斎の娘、應為酔女筆の
署名がある三曲合奏図
この胡弓は四絃で、江戸時代中頃に
四絃になったとされている
因みに、北斎の娘、應為(おうい)の
署名は通常「應(応)為榮(栄)女」
だが、稀に「榮女」が「酔女」と
書かれたものがある
酔狂でそうしたのか・・

同じ構図の無銘の絵
イアタリア、ジェノバの
キヨッソーネ東洋美術館所蔵

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