2025年5月28日水曜日

ナマズ石に付いて 忘備録

 

15年ほど前にHPで紹介した
兵庫県の六甲山ナマズ石
長さ8.6m、幅6.9m、
厚さ(文字が書かれてある面)4.1m、重さ推定500トン
文字を近くで見ると
石膏のようなものを塗りつけて
書かれてありました
古さがどれくらいなのかは
観察だけでは
何とも云えませんが
直感としてはかなり古いものと
思われます

近くで見るとこんな感じです
白い線はかなりしっかりと
定着しています
古墳の壁画のように
密閉された空間にあるもの
でしたら、1500年以上の
時間の経過の後でも残っている
可能性はあるでしょうが
こうして露出している状態
だったら、それほど長くは
残らないのではないでしょうか
ですから、この岩が1995年の
大地震以前、どういう状態で
あったのか知りたいところです
もし、巷間で云われている
ように、弥生時代のもの
だとすれば、地震で
落下するまでは、比較的
外気に触れにくい状態で
あったものと想像できます
たとえば、以前紹介した
福岡県北部の亀山古墳の
石棺内部の朱も
古墳が整備されて、石棺内部が 露出し雨ざらしの状態に
なってからは、数年で
剥落していっているようです
六甲山の「ナマズ石」は
文字が書かれてある面が
立っているので
雨が直接あたることは
なさそうですが、1995年当時と
2000年頃の写真、そして
今の状態を比べてみると
やはり劣化はかなり進んでいる
ような気がします
この文字については
川崎真治氏が詳しく
研究されていて、同じものが
日本各地の他、中国、韓国で
確認されているのだそうです
川崎氏によると、この文字は
風神・エンリルを祭る司祭を
意味するものだということです
ですから、この画像の
曲線で描かれている左側に
薄く見える縦の直線も一つの
文字を構成している
偏のようなもののようです

風神エンリルには
暗喩名があるということで
それは50だそうです

◯が五つで50なのでしょうか

これは神、あるいは天を
意味する文字だということです

これは神奈川県の
比々多神社境内にある
縄文晩期とされる線刻石の
文字だということですが
上の文字によく似ています
これに書かれてある片仮名の「ト」
のような文字は上のナマズ石にも
確認されますが
これはシュメール語で
「メ・祈る」、あるいは
「シブ・巫師」の意味が
あるそうです。これらと同様の
文字が書かれた岩は
日本各地で確認されています

2025年5月26日月曜日

パウル・クレーと良寛 そしてポルトガルギター

 


窮谷有佳人 容姿閑且 雅長嘯如有待 独立修竹下 良寛書


阿散那左奈 志も波おけ登も 
餘之恵や之 東之能葉耳 
由き波布禮東も 與しゑや之 
都毛禮者幾幣ぬ 有川之躬能 
可志羅耳布禮留 之羅由
「朝なさな 霜は置けども 
よしゑやし 年の端に 
雪は降れども よしゑやし 
積れば消えぬ うつしみの 
頭に降れる 白ゆ(白雪)」

起波 都美こ所満散礼 
阿川散遊み 者留者久連東毛 
幾遊登者那之弥 沙門良寛書
「きは 積みこそまされ 
あづさゆみ 春は来れども 
消ゆとはなしに」

工房の様子
ポルトガルギターの
内枠を作っているところ




2025年5月22日木曜日

クーデンホーフ光子伝 そしてルノワールの追憶


画家 梅原龍三郎の著書
「ルノワールの追憶」


昭和19年という
戦争大詰めのときに
このような本が出版されて
いたことに驚かされる
そのなかの一節
フランス留学中の梅原龍三郎が
ルノワールの写生に
付いて行ったときのこと
近くの食事処に肉を届けた
肉屋の配達人の子供が
梅原龍三郎と
すれ違ったときの一言
「きついジジィが溶けかかった
ボンボンの様な画を描いてい
居やがる」
これ以上ない率直さと
的を射た批評

ルノワールの風景画

梅原龍三郎の風景画

赤富士


明治時代初め
オーストリア・ハンガリー帝国の
貴族ハインリヒ・クーデンホーフ
伯爵の妻となった
クーデンホーフ光子
旧姓名 青山みつ 
1874年〜1941年
について書かれてある
「グーデンホーフ光子伝」に
目を通していたら
興味深い記述があった

明治6年(1873年)に開催された
ウィーン万博での日本館では
庭園に神社も建てられた
そうだが、その工事の様子を
エリザベト皇后が女官を従えて
見学に訪れた際
大工が鉋がけをしているところに
興味を示し、長い鉋屑を
所望し持ち帰ったという

ウィーン万博の日本庭園の様子

2022年出版の本

日本の展示物
生糸、山繭生糸、織物類、
縫箔物、組物、漆器、磁器、
銅器、玉台、七宝、竹器、
藤細工、 象牙細工、鼈甲細工、
鯨骨細工、革、革細工、
水晶細工、瑪瑙緒〆類色々、 
彫刻物、画、団扇、紙類、蠟、
鉱物、宝石化石類、動物、植物、
巨大物(金鯱、鎌倉大仏紙ノ張抜、東京谷中天王寺五重塔雛形、
大太鼓、大挑灯)」等

日本館の工事の様子が
上に紹介した
大工の鉋がけの様子は
画像が見当たりませんが

1876年の
フィラデルフィア万博の
日本庭園の様子には
大工の鉋がけの画像が
残されています

2025年5月19日月曜日

筑前琵琶改造パーツが揃う そして曜変天目茶碗

 

筑前琵琶の撥を作っていく

先端部分 材はツゲ

畔挽鋸

鏝鑿 kotenomi


剣鉋と呼ばれる特殊鉋




先端部接着完了

そして出来上がり

四絃から五絃に改造の
筑前琵琶の天神部分

改造した覆手

こちらは現代陶芸家による
曜変天目茶碗







野外での動画ご覧ください