2010年7月27日火曜日

三河名倉砥

中砥(参照)の三河名倉砥を手に入れました
愛知県北設楽(したら)郡で採掘されていた砥石で
現在では掘られていないということです(参照
刀剣の研ぎでも重要なものだそうです(参照

反応よく、心地よく研ぐことができます
この砥石は一般刃物用としては
大きめのサイズで30切サイズ
幅75mm、長さ205mm、厚さ42mm
私は刀剣用の人造中名倉砥も
使っていますが、やはり天然ものの
優れたものは研ぎ心地が違います
こういった優れた天然ものには
今ではまず出会うことができません

鉋身を研いでみました
人造砥石の1000番の傷を
わずかの時間で消すことができます
この後仕上げ研ぎを行いますが
短時間で仕上げることができます

これは京都梅ケ畑奥殿(おくど)産の
仕上砥石(巣板層のもの)です
これもたいへん優れた仕上砥石です

これで研ぎ上がりです

因みに、これは30年ほど前に手に入れた
三河中名倉砥です
惜しみながら大事に使っています

これは今年手に入れたものですが
三河名倉の中でも白名倉を専門に
掘っていた方の手許に
あったものだそうです
この方は亡くなられ
今では三河名倉砥の採掘は
完全に途絶えたということです

この写真の砥石は右側に針気が多く
ちょっと研ぎにくいですが
鋼に傷が付くことはありません
厚みが1cmほどしかないので
使わずに資料として残しておこうと
思っています

2 件のコメント:

  1. 出先(山や川)で面白い石があると、キヨンドさんを真似て私も刃物を当てて見ます。
    無いですね。
    無いからこそ、古代のかたがたは税金として砥石を収めてたんでしょうね。
    防人として出る場合、刀と携帯砥石は必需品だといいますが、刀を手に入れるだけでもヒト財産必要なのに、ほとんどのかたが帰れなかったといいます。
    赴任先でどのような人生を送っていったのでしょうね。

          源 信正

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  2. 古代遺跡から出土する砥石には
    穴を開けた携帯用のものも多いですね。
    防人と砥石・・・虚を突かれました。
    時代は違いますが、私の出身地の近くには元寇防塁跡がありました。
    その山側には砥石山があり、荒目の砥石が採れていたと
    いうことです。
    その砥石も防人たちが使っていたかもしれませんね・・
    ところが、私の出身地近くの横枕遺跡からは
    弥生時代の砥石が5点ほど出土していますが
    明らかに携帯用のものと思われる砥石は
    緻密で丹波産の青砥によく似ているのです。

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