2014年6月29日日曜日

古い会津鉋 重利二寸 一枚刃を二枚刃にする

昔の職人さんによって使い込まれた
古い会津鉋、重利銘・二寸(身幅7.8cm)を手に入れました
一枚刃鉋として使われていました




かなり深い錆のようですが






何とか裏出しも行え、錆も除去できました




ギリギリ鋼も残すことが出来ました
鋼は玉鋼と思われます


研ぎ上がりに問題はありません(刃先の拡大画像)


桑材を削ってみました(YouTube動画UPしました)








削り肌も問題なく


永切れも期待できそうです



こちらには一枚刃鉋は他に何丁もあるので
二枚刃鉋として使っていきたいと思います
ということなので、押金を手に入れ


短くなった身に合うように
押金も短くカットしました


これで何とかバランスも整いました


押金の刃先を仕上げた状態




現状の一枚刃の刃口から
これから木端返しを二枚刃用に修正していきます


刃口用のノミを使って


このように修正しました


押金の位置に墨付をし


穴を開け、釘で作った押さえ棒を差し込みました
これで出来上がりです


刃口がやや広いですが何とか使えるでしょう


試し削り




寸五の蛤チョウナでLaprevotteタイプの裏板を削る

刃幅一寸五分(4.5cm)の蛤はまぐり形チョウナを入手






適当な木の枝に挿げて・・








恐る恐る仕事で使ってみました・・
慣れれば何とか使えそうであります


さすがに薄い響板に使うのは無理


製作中の特注Laprevotteラプレヴォット・タイプ
サウンドホール縁飾り
弦長625mmのSuzuki音律


2014年6月27日金曜日

安価な鉋 試し削り

先般紹介した古い会津鉋、重輝(身幅4cm)を
収めるための台が欲しかったので
同じサイズの安価な二枚刃鉋(千数百円)を買い
台だけ使わせてもらいました


これが収まっていた身
銘にはモザイクをかけていますが
すぐ使える状態におおまかに研ぎ上げられていました





せっかくなので裏を透き直し
(研ぎ上がりに冴えがなく、やや叢雲状態で
気になるところです・・)


きちんと研ぎ直してみました 




刃先を拡大してみると
やや刃先が乱れています


以前紹介した某有名メーカーの小鉋と
削り比べをやってみました(YouTube動画UPしました)


動画撮影後の刃先の状態
右が安価な鉋
刃先がかなり磨耗しています
これではちょっと仕事では使えません・・

2014年6月25日水曜日

古い会津鉋 重正寸八を入手 仕事で使ってみました

古い会津鉋「重正」銘・寸八を
手に入れました
銘振りから初代・藤井重正と
思われます

堤章著「会津の刃物鍛冶」
によれば会津刃物鍛冶の
二つの流派
藤井重正系と若林重房の
初代・藤井重正
ということになります
二代前の幕末の刀工
重房が大元になる訳ですが
その子、長男の
安右衛門重房の子が
この鉋を鍛えた
初代・重正となり
大元・重房の次男
猪之吉重房の子が
若林重房になります

手に入れた状態では
上の画像でもお分かりのように
きれいに裏出しも為され
刃も上手に研がれていましたが
刃角度が24度と
こちらで使うには
低すぎるので

このように刃先から1mmほどを
刃角度約28度で研ぎ直しました

立派な台に収められ
大切に保管されていたようです


こちらで押金を付け
二枚刃鉋にしました

昨日紹介した鴻山銘・寸八と
削り比べをやってみました

左が重房・寸八(玉鋼)
右は鴻山・寸八(特殊鋼)
どちらも刃角度は約28度

こちらは重正

削った材は粘りの強い
Black Walnut
ブラック・ウォルナット
重正は切れが軽快で
鴻山はやや重い切れでした

動画撮影後の重正の
刃先の状態
やや白く磨耗していますが
まだ切れは止んでいません

こちらは鴻山

まだ切れは止んでいませんが
重正に比べると
刃先の磨耗が多い感じです