製作中の平家琵琶の鶴首(ネック)の
継ぎ部分を仕上げました
このホゾ部分を甲板(裏板)に差し込んでから
甲板の仕上を行います
材は、琵琶を注文して頂いた方の依頼で
庭木として植えていたカリンの木を使っています
庭木が枯れ、伐採したものを
大切に保管されていたということです
そういった木ですから、私も心をこめて
大切に加工していきたいと思っています
バンドソーで挽いたら、鶴首の裏に
木の芯が出ました・・
最後の仕上削りのときに角を丸くするので
それで無くなればいいのですが・・
八音抄では、鶴首を含め
各部材の処理と音との関係について
次のように記されています
甲・腹厚く、覆手こはく、頸太き琵琶は音小さくて、
三・四の絃はよく鳴りて、一・二の絃は鳴らず。腹薄く、覆手柔らかに、頸細くなりぬれば、一・二の絃は音勢あれども、三・四の絃鳴らず。すべて声かしこき琵琶は、一・二の絃少しおろかなり。声おろかなるは三・四の絃ならず。一・二の絃はよく聞こゆ。ただし遠くて悪し。されば腹は厚くてくつろぎ、覆手は薄くて硬く、頸は細くて強きが良かるべきやらむ。
厚い薄いは鑿のひと削りで決まる。
返信削除そのひと削りの厚みを決めるのは職人の感性次第。
頑張れ頑張れ。」
おおきにです。
返信削除鶴首に使っているカリンの木は
緻密でドッシリとしているのですが
加工は意外と容易なのです。
ノミでサクサクと削ることができるし
鉋も素直にかけることができます。
不思議な木です。
八音抄の記述にピッタリの材質かもしれません。