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2023年8月30日水曜日

リュート奏者太田耕平氏 そしてフラメンコギター奏者須田隆久氏

 

リュート奏者太田耕平さんが
修復を終えた楽器を受け取りに
工房に来られました
私が持っているギタ-も
太田氏の楽器

せっかくなので
9月に岐阜県で展示する
拙作のギターを試奏してもらいました


こちらは
先般製作した五絃琵琶を
注文して下さった
フラメンコギター奏者の
氏はギターだけではなく
日本の薩摩琵琶と
その他各種琵琶も弾かれ
東西を融合した新たな音楽を
創造されています


2023年8月13日日曜日

描かれた琵琶とリュート そしてコブザ

 

扶桑隠逸伝に
描かれている盲僧琵琶

俳諧百一集から貞室 
歌は「是は是はとばかり花のよしの山」
解説文は「妙境おのづから吉野見ぬ人の目も喜しむ。此一句に此山の絶景尽たり」


金沢大学に所蔵されている
近世の加賀藩における
1年間の行事や風俗について
描かれた絵図
儀式風俗図絵の「七夕:乞巧奠」
には琵琶も描かれているが
これは芸事の上達を願うため
タライに梶の葉を浮かべているのは
七夕の星見をする
設えshitsuraeらしい

この絵では箏が置かれている

現在も行われていて
その様子

大宮八幡宮での「七夕:乞巧奠」


これは琵琶の親戚とも言える
ルーマニアのコブザ
指板にフレットがないのは
アラブのウードにも似ています

さてこちらは
ウードが祖先とされる
リュート
右手の構え方に注目

こちらは左手で弾いてますが
構え方は上の絵と同様で
弾く指は弦と直角になっています

これまで、リュートを弾く指は
このように弦と平行に近い角度で
弾かれるのを
よく目にしましたが

Gerard Rebours氏は
昔描かれているような
奏法を提唱、実践されている

こちらはバロックギター

2023年5月4日木曜日

描かれた19世紀ギター


注文していた本が届いた
表紙の絵はかなり詳細に
描かれていて

右手の様子では
爪は短めで
小指を表板に置いて
弾いている

弦の太さまで分かる
というのは凄い

左手は、親指が
指板近くに置かれている
これは現代の
クラシックギターでは
為されていない

19世紀ギターの
オリジナルには
小指を置いた痕跡が
残っているのもある

また、このように
予め小指を置くための
小指レストが付けられて
いるものもある

これは19世紀の
ギター奏者兼作曲家
ディオニシオ・アグアドの
教本に掲載されている肖像画
アグアドは教本では
右手は弦長の8分の1の
ところを弾くように
としているが
そのとおりの構えが
為されている

アグアドが考案したとされる
ギター保持具
当時もギターの構え方には
苦労していたようですね

2023年4月6日木曜日

モーツァルトとフォルテピアノ

モーツァルトが活躍していた頃の鍵盤楽器は弦を鳥の羽ではじいて音を出すチェンバロからハンマーで叩いて音を出すフォルテピアノ(ハンマークラヴィーアHammerklavier)に移行していた時期で、モーツァルトも21才のときにアウクスブルクを訪れた際に鍵盤楽器製作家のシュタインの工房でフォルテピアノを弾かせてもらっている。音の強弱をつけることができ、音質も豊かなフォルテピアノをモーツァルトはたいへん気に入り、それ以来フォルテピアノを使ったとされている。

製作家のシュタインは演奏も達者だったようで、モーツァルトの手紙では「三台のピアノのための協奏曲」の公開演奏会ではシュタインが第三ピアノを担当したと書かれている。

また、シュタインの工房を訪れた際のシュタインの話を説明している手紙では「彼のピアノは寿命が長いという評判で、響板が割れたり、裂けたりしないように注意しているということです。ピアノ用の響板を仕上げると、それを大気、雨、太陽熱、などあらゆる魔物にさらして、それで割れ目を作り、木片をそこに膠(ニカワ)で接着します。そうすると強くしっかりした響板になるということです。もし板に割れ目ができれば、彼はまったく御満悦です。今後それ以上のことが起きないという保証になりますからね。ときどき彼は自分で刻みを入れて、もう一度ニカワで固め、ほんとうに強固なものにします。」と書かれている。

シュタイン製フォルテピアノ
1775年作

シュタインの肖像画
白水社刊行
モーツァルト書簡全集
から部分転載



モーツァルトが使っていた
ヴァルター製フォルテピアノ
1781年製
黒鍵盤は黒檀、白鍵は牛骨が
貼られているらしい

2023年2月24日金曜日

トン・コープマン そしてブリッジ作り換え


昨日は神戸まで
トン・コープマンの
チェンバロ演奏家に
足を運びました

 
トン・コープマンの音楽は
ほがらかで生き生きとしていて
聴いていると活力が湧いてきます


お目当ては
後半に演奏される
フローベルガーの曲
トン・コープマンの
フローベルガーは始めて


こちらは今日の工房
ハイス全鋼小刀を研いだところ
仕上研ぎの
動画UPしました

使った砥石は
強い研磨力がある
京都梅ケ畑奥殿okudo産の
巣板suita



修復中のヴィンテージ・ギターの
作り換えたブリッジ 



2022年5月2日月曜日

ギター伴奏 そして南方録


昨日はちょっとギター伴奏

戻ると注文していた
南方録の影印本が
届いていた

ついつい落書き
猿蟹合戦は
何の思いもなく
適当に書いたのだが
いま考えると
サルを豊臣秀吉に
カニは千利休に例えると
どうなるのかな・・
という気もしてきた


自作の俳句




こちらは本文の一部

2022年2月24日木曜日

正倉院琵琶模作完成


正倉院琵琶を
模作した琵琶が
出来上がりました
動画ご覧下さい




捍撥(撥面)の絵

落帯の絵も素晴らしい
腹板(響板)はシオジ材
三枚接ぎ

楽器の重さは約5.6kg





槽(甲)は紫檀三枚接ぎ




海老尾はツゲ材
転手(糸巻き)は紫檀


正倉院所蔵琵琶の柱は
檜材が主ですが
紫檀甲との相性を考慮して
ツゲ材で作りました





こちらは琵琶置き台

黒柿木目の景色