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2015年4月30日木曜日

古い会津鉋 重高を仕事で使う

昨日紹介した古い会津鉋
重高寸六を新しい台に挿げる
と言っても、¥3000ほどの既製品の
二枚刃鉋を購入
その台と押金を転用する

こうすると、台だけ、とか押金だけとか
買うよりもかなり安価に
そして時間を短縮して
済ませることが出来る
これを作って下さったメーカーには
申し訳ないけども
どうぞご勘弁を・・

古い会津鉋は身の厚みが薄いので
馴染みに1.5mmほどの板を接着

出来上がり
右は以前紹介した
同じ重高銘の小鉋(身幅35mm)


銘振りから、左の寸六は初代
右の小鉋は二代目と思われます


左の寸六は刃口が広かったので
補修しました

さっそく仕事で使う
製作中の2台の
特注小型モダン・タイプの
補強材を荒削りしてみました

荒削りながら、艶のある美しい鉋屑です


荒削り終了

寸六の方は刃先はほとんど変化ありません
かなりの強靭さに驚きました

昨日も紹介した研ぎ上げた状態の
拡大画像(約180倍)

こちらは二代目の小鉋
寸六よりはかなり少ない削り量でしたが
刃先はかなり白く磨耗しています
一般的な鉋はだいたいこんな感じです

研ぎ上げた刃先の状態は
同じ重高銘の影響か、よく似ています 


2015年5月13日水曜日

古い会津鉋 重上寸六を入手

古い会津鉋、重上・寸六(身幅66mm)を
手に入れました
研ぎ上げた状態


鋼(はがね)は和鉄(玉鋼)と思われます

重上は刃先の強靭さに評価が高く人気があり、
偽物も作られたということですが、この鉋は果たしていかに・・
使ってみれば分かるでしょう

研ぎに使った砥石、すべて天然砥石
中央左から中砥ぎの最初に使った茨城県産
深沢砥(粒度は約#800)
その右は中砥の栃木県産荒内砥(粒度約#1200)
その右は三河名倉砥(層はボタンと思われ粒度は約#1500)
右端は仕上砥ぎの中継ぎに使った京丹波亀岡、神前(Kouzaki)産戸前
下は最終仕上げに使った茨城県産赤沢砥
上は裏研ぎ専用の京都梅ヶ畑、奥殿(Okudo)産白巣板


地鉄(じがね)は幕末期の日本刀のような研ぎ上がり状態です
この鉋身は元々は外丸鉋と思われ、その形跡が
身の鎬部分の両端に見られます

刃先の拡大画像(約180倍)
先般紹介した重高・寸六とよく似た印象を受けます
研いだ感じや砥石の傷の付き方から
やや焼き入れは甘いかな・・
という気がします

台を自分好みに変えているところ
まず、木端返しの角度を修正しました

二枚刃鉋は一枚刃鉋と違って
押金(裏金)で逆目を止めるので木端返しは必要ありません
深い逆目を止めるには二枚刃の先端の様子を
確認できることが重要なので私は木端返しは
ほぼ90度に切り下ろし、幅も狭めにしています
刃口はできるだけ狭い方がいいのは一枚刃鉋と同じ
以前紹介した押金考参照下さい



木端返し部分出来上がり

鉋身を押さえる溝を修正しているところ

刃口部分が出来上がりました

次に削り面を調整(下端削り動画参照下さい)



出来上がりました


刃口の幅が不揃いでやや広すぎるが
中仕工鉋としては何とか使えそうであります

さっそくハカランダ材を試し削り
玉鋼独特のサリサリとした削り心地です

荒削りながら、深い逆目もほぼ止まっています
永切れを期待したいところであります
これからしばらく仕事で使ってみます

その後、いろいろ使ってみた結果
刃先の持ちが悪く
仕事で使えるレベルではありませんでした
重上鉋は往時かなり評判がよく
偽物も出回ったようですが
これはもしかして、その偽物かもしれません


2013年4月20日土曜日

古い会津鉋 寸六鉋身を3枚入手



古い会津鉋、寸六鉋身(身幅65mm)を3枚入手しました

まず、「重道」銘のもの
かなり錆がひどく、鋼もごく薄いものなので
使えるようになるかどうか微妙なところです・・


裏を透き直し、研ぎ上げてみました


刃の両端がほとんど鋼がない状態です
それでも何とか使えそうです
刃角度は約27度


研ぎ上がりの状態
刃先は緻密に仕上がっており、期待が持てます
(はがね)は炭素鋼です



次は、これも同じく「重道」銘の寸六
銘ぶりが上のものと違いますね
こちらの方が達者に切られています
銘の下の花押の刻印も微妙に違っています
こちらもベタ裏になっていて
所々深い錆がありますが、鋼が厚いので
何とか使えるようになると思います






裏を透き直し、研ぎ上げました


刃先2mmほどを刃角度27度に修正しました




こちらも精緻な仕上がりで期待が持てます
鋼は炭素鋼

所々見える横縞は
研ぎ上げた後に塗った刃物油を拭き取った跡

後日、この鉋と國弘鉋2丁とで削り比べを行い
YouTubeに動画をUPしました




最後の1枚は重延(しげのぶ)銘の寸六
重延といえば左銘のものが有名で人気もありますが
こちらは左銘になる前のものですから
時代は大正頃でしょうか・・
特殊鋼系の火花が飛びますので
大正時代のものでしたら東郷鋼ということになります


刃先から1mmほどを刃角度約27度に修正しました


刃先に問題はありません
研いだ感じでは粘りが強い鋼のような印象を受けました
以上、3枚の古い会津鉋
台に挿げ、使ってみた感想は後日報告します