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2012年2月25日土曜日

佐野勝二作・昭豊銘の鉋


昨日手に入れた佐野勝二作・昭豊銘寸八を
台に挿げ、早速仕事で使ってみました



まず、外丸ノミ用の鞘を作るため
桂材を荒削りから仕上削りまでやってみました


これは仕上削り


切れ味よく、美しい削り肌を得ることができます






次にネック形状のサンプルを
セドロ材で作りました
これも荒削りから仕上削りまで行いました


これは仕上削り








これはネックの丸みを付けるための荒削り


まだまだ切れは軽く、刃先も健全です


参考までに、これは外丸ノミの鞘の接着


形成して出来上がり


2012年2月24日金曜日

平家琵琶、そして新たな鉋

今日の作業

平家琵琶の甲板(又は槽)
(こちらから見ると槽となるのか・・?参照
鶴首が収まるホゾを掘っていく



作業中、注文していた鉋身が届きました
佐野勝二作・「昭豊」銘の寸八
午後からはこれの仕上に専念
上の画像は研ぎ上げた状態

刃角度が低かったので
28度ほどに修正しました
鋼は安来鋼・青紙と思われます

いま現在、新しい台に挿げているところです
後日、仕事で使ってみました(参照

2012年2月28日火曜日

中世中山仕上砥おそるべし

注文していた中世中山仕上砥が、さゞれ銘砥(330mate)から届きました。期待どおりの銘砥でありました。
数年前、木工家の徳永さんのところで、徳永さんの師である竹内碧外が使っていた仕上砥を見せてもらい、研がせてもらったのですが、その砥石に魅せられ、同じようなものがないものかと探していたのです。
ザクザクとした研ぎ応えにもかかわらず、仕上がりが
緻密で、1本の仕上砥で中継ぎと最終仕上げを兼ね備えているもの・・
この夢のような仕上砥は、「さゞれ銘砥」の中岡氏が掘っている中世中山砥にあるに違いないと確信。機会があるごとに1本、また1本と手に入れていたのです。
ほぼ近いものには数本出合いましたが、まだ何かちょっと違うという感が拭えないでいたのです。
そして念願叶い私にとっての理想の仕上砥に出会うことができたのです。中岡氏に感謝、感謝です。 


これは先般手に入れた
佐野勝二作・昭豊銘の寸八鉋
研ぎ面は一分研ぎ(幅3mmほどの研ぎ面)ですが

このように良く反応し
強い研磨力があります
そして鋼(はがね)は鏡面近くまで仕上がるのです
鋼は安来鋼・青紙と思われます




そしてこれは炭素鋼の石社(いしこそ)・寸八
研ぎ面は二分(約6mm)研ぎ




そして研ぎ面三分(約9mm)研ぎの
千代正鉋・寸八



どちらもこのような感じで反応します

2021年8月12日木曜日

ディタル・マリアハープ 響板仕上げ

製作中の
ディタル・マリアハープ
これから響板を仕上げ
力木を接着していく
まずは鉋研ぎ









応援隊長の象さん

寸八鉋での仕上げ削り
使った鉋は
佐野勝二作「昭豊銘」
鋼は特殊鋼、青紙1号
と思われます

こちらは無銘で
鋼は炭素鋼系

2019年6月23日日曜日

超仕上げ砥石 新たな体験

趣味で研ぎを極めている方が
超仕上げ用の天然砥石を
持ってきて下さいました
趣味といっても本格的で
それが高じて原石を仕入れ
ご自分で加工され
これからは販売も
行っていかれる
ということです
今回は超硬口の
鏡面仕上げ用の砥石を
見せて頂きました

まずこれは
京都の鞍馬山の黒砥石
たいへん珍しく
貴重なものだそうで
バブル期には1億円以上の
価格で取引されていたそうです
左は研ぎ面が板目
右は柾目に成形されています
研がせてもらった感じでは
やはり左の板目の方が
研ぎ上がりは緻密でした
研ぎに際しては
かなり硬い石質なので
目起こし(ダイヤモンド砥石で
砥面を擦り、砥汁を残したまま
研ぎ始める)をし
研ぎ進めると
砥汁が粉砕されずに
刃物の研ぎ面を荒らします
ですから、後にリンクした
動画のように
前段階の仕上砥ぎの砥汁を
砥面に付けて研ぎ始めると
より効果的に
研ぎ上げることができます

これは兵庫県北部の
砥石ヶ岳の砥石(玄武岩)
だそうです
超硬口の中砥といった感じです
ですから通常の
ダイヤモンド砥石による
目起こしが効果的です

そしてこれは
動画で使っているもの(左側)
昭和30年頃から35年頃に
販売されていた桂川支流の
丹波地域で採集された
チャートになりかけの
石だそうです
この砥石は当時の
大工さんの年収分で
取引されていたそうです
また、大工さんの他、理髪店、
刀剣研磨師などに
販売されていた
ということです
ここでは便宜上「丹波砥石」
Tanba toishi whetstone 
と命名しておきます

こちらは左は
新潟県産の玉gyoku
よく観察すると
蛇紋岩と軟玉、
そして硬玉(翡翠・ヒスイ)が
混在しています
玉は大変硬く粘りのある
石質なので
砥汁を付けてもツルツルと
滑る感じでした
ですから剃刀の
最終仕上げなどには
向いているのではないかと
思います

右は愛知県産の三河油石
油石といっても油で研ぐ
オイルストーンではなく
見かけが猪肉の脂身に
似ているので
このような名前が
付けられたのだそうです
これは荒めの
アーカンサス砥石と
いった感じです


こちらは北海道の石だそうで
左は十勝石(黒曜石)で
右は蛇紋岩だそうです
黒曜石はほとんど
ガラスと同じで
硬度もそれほど
硬くはないので(硬度5)
仕上げ砥石として
充分使えると感じました
これも砥汁を付けて研ぎますが
グイグイと刃物に
喰い付いてきて
研ぎ上がりも文句なしです

右の蛇紋岩は

このメノウと同様
硬度は7ほどありますので
上の玉と同様の硬さですが
上滑りせず、心地よく
研ぐことができます

動画で使った丹波砥石の緑系
研ぎ感は滑らかで
刃物への喰い付きも程よく
心地よく研ぐことができます




カッターナイフで傷が付くので
ガラスや黒曜石よりは
柔らかい石質です
ガラスや黒曜石の硬度は5
カッターナイフでは
傷が付きません


動画で最初に使ったのは
福井県産寺中砥 Jichu-to
(細かめの中砥)

光を反射させて撮影

仕上げ研ぎの最初に使った
滋賀県相岩谷産 Aiiwadani 
巣板 Suita

そして最終仕上げに
使った丹波砥石
研ぎ上がりは地・刃ともに
しっとりと深く落ち着き
何とも言えない魅力ある趣を
得ることができます
研磨力も強く
一旦研ぎ上げた返りを除去して
再度研いでみると
数回のストロークで
刃返りが出ています
これには驚かされます

研いだ鉋は佐野勝二作
昭豊銘・寸八
鋼は青紙1号と思われます

 

鉋をかけたMaple メープル材
逆目は完全に止まり
全体にシットリとした艶です