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2016年1月7日木曜日

特注マンドラの製作状況

ニスの下塗りを終えた状態
響板には色を付ける予定だったが
サウンドホールの縁飾りや
ピックガードのRed Mallee材の
色あいとのバランスを考慮した結果
響板には色を付けないことにした




そしてフレットを打ち込む前に
指板のポジション・マークを入れる
形状はピック・ガードと同じような雰囲気にした
素材はメキシコ・鮑Awabi貝
Abalone



位置か決まったら
ミニ・ルーターで荒彫り



その後、ノミ(刃幅12mm)で
仕上げていくが
その前に研ぐ必要がある
これは栃木県産の深沢青砥で
中砥ぎを行っているところ

そして仕上砥ぎには
奥殿産の戸前を使ってみたが
心地よい研ぎ感で、研磨力も強い

深沢産青砥(粒度約1000)の研ぎ傷を
およそ1分でここまで持っていけた
これにはたいへん助かる
地鉄jiganeには奥殿産独特の
やや荒い研ぎ傷が付いているが

鋼haganeはほぼ鏡面に研ぎ上がっている


こちらは刃幅9mmの
これもよく反応します

こちらも深沢青砥の後
1分ほど研いだ状態
通常のノミのように
研ぎ上げた際の鋼の冴えや
地鉄の美しさはないが
切れの軽さと永切れは優れているので
これにはたいへん助かっているのです

そして以下は仕上げ彫り




収まりました

指板表側に貝のポジション・マークを
収めるときには
将来、メンテナンスで
指板を削ることを考慮し
外し易くしておく
こうして、隙間にカッターナイフを
挿し込み

軽く持ち上げるだけで
外せるようにしておきます


そしてセラック樹脂で固定


こうしておくと、将来貝を外す際には
加熱してセラック樹脂を軟化させ
カッターナイフで持ち上げると
簡単に外すことができる

これを瞬間接着剤など
合成接着剤で接着してしまうと
貝を割って取り除くことぐらいしか
方法がないのです

貝を固定したら
余分のセラック樹脂を除去し

ヤスリで貝を削り

サンドペーパーで平に仕上げます



そしてフレットの打ちこみ

完了

2015年5月13日水曜日

古い会津鉋 重上寸六を入手

古い会津鉋、重上・寸六(身幅66mm)を
手に入れました
研ぎ上げた状態


鋼(はがね)は和鉄(玉鋼)と思われます

重上は刃先の強靭さに評価が高く人気があり、
偽物も作られたということですが、この鉋は果たしていかに・・
使ってみれば分かるでしょう

研ぎに使った砥石、すべて天然砥石
中央左から中砥ぎの最初に使った茨城県産
深沢砥(粒度は約#800)
その右は中砥の栃木県産荒内砥(粒度約#1200)
その右は三河名倉砥(層はボタンと思われ粒度は約#1500)
右端は仕上砥ぎの中継ぎに使った京丹波亀岡、神前(Kouzaki)産戸前
下は最終仕上げに使った茨城県産赤沢砥
上は裏研ぎ専用の京都梅ヶ畑、奥殿(Okudo)産白巣板


地鉄(じがね)は幕末期の日本刀のような研ぎ上がり状態です
この鉋身は元々は外丸鉋と思われ、その形跡が
身の鎬部分の両端に見られます

刃先の拡大画像(約180倍)
先般紹介した重高・寸六とよく似た印象を受けます
研いだ感じや砥石の傷の付き方から
やや焼き入れは甘いかな・・
という気がします

台を自分好みに変えているところ
まず、木端返しの角度を修正しました

二枚刃鉋は一枚刃鉋と違って
押金(裏金)で逆目を止めるので木端返しは必要ありません
深い逆目を止めるには二枚刃の先端の様子を
確認できることが重要なので私は木端返しは
ほぼ90度に切り下ろし、幅も狭めにしています
刃口はできるだけ狭い方がいいのは一枚刃鉋と同じ
以前紹介した押金考参照下さい



木端返し部分出来上がり

鉋身を押さえる溝を修正しているところ

刃口部分が出来上がりました

次に削り面を調整(下端削り動画参照下さい)



出来上がりました


刃口の幅が不揃いでやや広すぎるが
中仕工鉋としては何とか使えそうであります

さっそくハカランダ材を試し削り
玉鋼独特のサリサリとした削り心地です

荒削りながら、深い逆目もほぼ止まっています
永切れを期待したいところであります
これからしばらく仕事で使ってみます

その後、いろいろ使ってみた結果
刃先の持ちが悪く
仕事で使えるレベルではありませんでした
重上鉋は往時かなり評判がよく
偽物も出回ったようですが
これはもしかして、その偽物かもしれません