2009年8月13日木曜日

耀貝の魅力

耀貝には、アワビ貝、夜光貝、蝶貝など
様々ありますが、これらの輝きに
古来から多くの人が魅せられてきました

これはアワビ貝の一種で
ニュージーランド近海で採れたものだということです
同様のものはメキシコ湾近海で採れるものがあり
一般にメキシコ貝と呼ばれています
ニュージーランドやオーストラリア近海のものと
メキシコ近海のものは色あいが違います
メキシコ貝は日本の木工芸家
黒田辰秋氏が使用していたことで有名です

ところが、同様のことは
トリニダードトバコの人たちも行っているのです


これはトリニダードトバコの工芸品ですが
魚にしてしまったところに、大いに興味を覚えます
日本人には、まず発想できない感性だと思いますね


こうして手に持つと、その感触は本物そっくりなのです
クネクネとした動きにウロコの感触・・

メキシコアワビの表面の様子は
海の色でもあり、さざ波の模様でもあります
そこに生息する魚を作ろうと思うのは
当然なのかもしれません

因みに、美しい緑色の翡翠(ヒスイ)の産地である
新潟県糸魚川の渓谷の水の色は
深い翡翠色と同じなのです

2009年8月10日月曜日

貴重品 ゴホウラ

巻貝の貝殻ですが




適当なところでカットすると
ご覧のように美しい造形模様が現れます
こようなことは
古代の人々もやっていたようで




ついに、このような腕輪を作ってしまったのです
この貝は南洋の海に生息している 
ゴホウラ
という貝だそうですが
この貝の腕輪はよほど貴重なものだったのか




時代が下り古墳時代になると
このように、わざわざ碧玉(へきぎょく)という
ひじょうに硬い石で同じ形状のものを
作るようになったのです 参照

2009年8月9日日曜日

8月8日はハーバーの日・・

昨日は神戸ハーバーランドに行ってきました
ウィーンで活躍されている指揮者
抜井厚氏の一時帰国歓迎会での
余興を頼まれたのです
8月8日はハーバー
(8 8
の語呂合わせですな
の日ということで
お祭り騒ぎの大変な賑わいでした

終わって外に出てみると
すでに夜になっていました
考えてみると、こうして夜の港神戸を
眺めるのは初めてなのでした

2009年8月4日火曜日

ついでにギターの裏板を・・

ギターの裏板は表板より硬い木を使います


これはローズウッドという木です
硬い木を削る鉋は、表板のように柔らかい木を
削る鉋とは違ったものが必要となります
上の画像の左の小さい鉋は荒削り用のもの
鋼は超特殊鋼(燕鋼)が使われています
右の仕上げ用の寸八鉋は、粉末ハイス鋼のものです
どちらの鋼も強靭で切れ味がよく、永切れします

この画像は荒削りの状態です
ローズウッドは逆目が細かく入り混じっています

この逆目を仕上げ鉋で止めてしまいます

これでほとんど逆目がなくなりました
こうしておくと、音作りも含めて
後の作業がたいへん楽になります
特に、私は木の肌を生かしたニス仕上げを行いますので
この作業は重要なのです
スクレーパーやサンディングでは手間がかかってしまいます

2009年8月3日月曜日

鉋屑 木細胞

今日はギターの表板と裏板の 鉋(カンナ)かけを行いました これは仕上げが終わった状態

寸八の仕上げ鉋は名工・三代目千代鶴こと 今は亡き落合宇一氏の「三水」銘のものです 鋼は炭素鋼と思われますが 研ぎあがりの冴えと切れ味は すばらしいものがあります 鉋台は削ろう会発足に尽力されたことでも知られる 名古屋の青山鉋店の青山駿一氏に打ってもらいました 氏には私が独立する前からお世話になっています

寸八鉋とは このように削り巾が一寸八分(約5.5cm)の 巾を削ることのできる鉋のことをいいます 鉋の刃先の巾は6cmほどありますが 平らなところを削ったときに段が付かないように 両側を少し研ぎ落していますので 削り巾は5.5cmほどになります

この鉋屑を顕微鏡で覗いてみました

これは約150倍に拡大したものです 丸い玉のようなものは何なのでしょうか・・ 材種はヨーロッパ・アルプス産のスプルースで 製材されてから30年ほど経っているものです
さらに拡大してみました 丸いものは木細胞の一部でしょうか・・