2012年2月21日火曜日

大谷山産仕上砥を使って石社鉋を研ぐ


You TubeにUPした研ぎ動画
画像を紹介しておきます
研いでいる鉋身は石社(いしこそ)氏作・寸八
鋼は炭素鋼系です

最初に使っているのは中砥の
丹波亀岡・岡花産青砥(参照
粒度は約#1000








次に産地不明の中砥(目〆系)
粒度は約#2000







次に仕上研ぎの中継ぎとして
丹波亀岡・丸尾山産八枚層のもの







次に京都・新田産巣板








そしてこれは20日に砥取家さんのところで
入手した大谷山産、戸前層の浅黄
砥取家さんではカミソリ砥として売られていて
名倉が必要と説明されていますが
これは全く必要なく、まったりと研ぐことができます
小振りのコッパですが鏡面仕上げ用としては
トップクラスの砥石です






久しぶりに砥取家さんへ・・

You Tubeに研ぎの動画をUPするようになって
砥石に関する問い合わせを
多く受けるようになりました
外国の方からもよく質問を受けるのですが
今回、砥取家さんが掘られている
御廟山産の砥石のことを知りたい
という問い合わせがきました
この方は日本製の木工道具や砥石を
使っておられ、同じような仲間もいるようで
砥取家さんの砥石のことは
私よりも詳しいくらいなのです(参照
私は御廟山産の仕上砥は持っていないので
砥取家さんに教えを乞いに行ってきました


ここは山から掘り出してきた砥石を
加工する作業場


御座敷には大小様々な砥石が展示されています



御廟山産の砥石がありました


これは鏡面に仕上がる硬口の
砥前だということです Sizeは30型


上の砥石で仕上げられた小刀を
見せてもらいました
すばらしい研ぎ上がりです
研ぎ上げたのは村上さん

2012年2月20日月曜日

長勝鋸 おそるべし

京都の長勝鋸店に行ってきました

今回はギター用フレット溝切り専用鋸
研ぎをお願いに行ったのですが


見せてもらった窓付導突鋸にびっくり
導突鋸にしては刃が荒いし
おまけに窓付なので
こんなんで切れるのだろうか?
と思ってしまったのだが、使ってみて驚いた
柔らかい針葉樹、そして硬い楢材
それから黒檀を挽いてみたが
どれも同じように軽く切れ
しかも切り痕が美しいのです


これはコクタンの切り痕
上が窓付導突鋸で、下は某メーカーの導突鋸
艶が全く違います
切り筋は私の腕の悪さの証拠
ごまかしが利きません・・


これはナラ材
同様に滑らかな切り口です


窓付導突は縦挽き、横挽きを問わず使え
特に斜め切りに威力を発揮する
ということなので
このように切ってみました
縦挽きの切り痕など、鉋をかけた面と
区別が付きません・・おそるべし・・
こちらのHPで紹介している
19世紀ギターのネック・ヒール部分
加工にはもってこいの優れものです
ということで、特注形状で注文してきました
出来上がってきたら、また紹介します

長勝鋸関連動画

2012年2月19日日曜日

ポプラ材を削る


燻煙熱処理された
ポプラ材で作っている
Boxハープの裏板を仕上げました


使っている鉋は
左から、荒削りに使った
正清」銘・寸四
中央は先日紹介した中仕上の
「初弘」銘・寸六
右は仕上削りに使った
「清弘」銘寸八
清弘は東京鍛冶の祖とも言われ
(ノミ)の名工
切れ味は何とも言えない
柔らかさがあり
それでいて鋭いのです
また、驚くほど永切れします
これはかなり古いものと
思われますが
今ではほとんど
入手困難なものです

谷口清三郎作・ガガリ鋸

20年ほど前に入手したガガリ鋸
銘は「伏見住 谷口清三郎」

 メープル材を挽いているところ
YouTube動画参照下さい




10mm厚のポプラ材を
半分の厚みに挽いてみました
ガガリ鋸はこういった時に
威力を発揮します

半分に挽いた板を2mm厚まで削り
曲げたところ(動画参照下さい)