2013年6月9日日曜日

江戸時代の丹波柏原の彫物師 中井権次一門


先月、ここ丹波篠山の北隣の市
兵庫県丹波市氷上町で
江戸時代に活躍していた
寺社装飾彫刻家一門、中井家についての
研究発表があったので足を運びました
中井一門は江戸時代の初めに
寺社大工として柏原かいばら藩に招かれ
四代目からは彫物を専門として
名を馳せたということです
その作品は今でも多く目にすることができ
地元の有志の方々による
調査・研究グループが組織され
今回の発表が行われました


今回、発表をされた
柏原市在住の岸名経夫氏

参考資料



以下は、研究グループにより
調査された写真と解説の抜粋











これらの写真を含め
調査活動のことが丹波新聞で紹介され
それが寺社建築の写真を
専門とされている
若林純氏の目に止まり
それを縁に氏による綿密な
撮影も行われたそうです
この成果は中井一門の彫物写真集として
今秋発刊される予定だということです
氏の写真集は私も持っていますが
これに中井家の彫刻が加わると
いうことは望外の喜びです

それから、私が興味を惹かれるのは
先般紹介した
播州(兵庫県南西部)三木の
日原大工とこの中井一門の関係で
今いろいろと調べている
ところなのですが
あまり、と言うか
ほとんど交流はなかったようです・・

これは柏原の中井家の元祖である
京都の中井正清を筆頭とする中井家に残る
膨大な古文書の中から建築指図をまとめた本に掲載されているもので
京都の知恩院の配置図です

そしてこれは今では
見にすることができない
京都二条城の天守閣の構造図です

他には、この論文集にも
三木の日原大工と中井家の
繋がりを伺えるような
記述はありませんでした


「播磨と淡路の集住大工について」
という永井規男氏の論文は
たいへん興味深いものでした
これらのことについては
追々述べていこうと思っています

2013年6月8日土曜日

伊予砥三種を使って長光銘寸八を研ぐ


ここのところ、丹波産青砥を中研ぎに使った動画を
続けてUPしていたので
たまには違った中砥を使ってみようと思い立ち
長光銘寸八を研ぐに際し
粗めの中砥、中目、細目に
伊予砥を使ってみました
YouTube動画参照ください

動画で最初に使った粗目の伊予砥(四国・愛媛県産)
粒度約#600

ほど良い締まり具合の砥石で
よく反応し、強い研磨力が
あります


次に中目の白い伊予砥
粒度約#1200

やや柔らかめで
良く反応します


そして、中研ぎの
最後の段階として
細目の伊予砥を使いました(粒度#2000以上)
青蓮華風の模様が
全体に入っています

この伊予砥は硬口ながら
目起こしをしなくても
何とか研ぐことができます
こういったものには
なかなかお目にかかれません


仕上げ研ぎの中継ぎは
丹波亀岡丸尾山産
「八枚」を使いました

中研ぎを細かく
研ぎ上げておくと
この砥石だけで鋼は
鏡面近くまで
研ぎ上げることができます

そして最後の
鏡面仕上げとして
福井県産仕上砥を使いました

今回もこの仕上砥の
特徴が発揮され
鋼は鏡面に、地鉄はしっとりと仕上がりました

2013年6月6日木曜日

今朝の工房


野生化したアサガオが早くも一輪花を付けていました


カタバミの花


これも葉はカタバミみたいですね・・
種類が違うのかな・・


これは何だろう・・


これも分からない
毎年今の時期にシュワシュワとした黄色い花が咲く
とても丈夫で地を這うように増殖していく


これはご近所さんのドクダミの花
葉っぱに触ると鼻が曲がる・・


こちらは工房裏に生えているドクダミ
八重咲きは珍しいのでは・・


こちらはサツキが満開
アジサイはまだまだこれから、というところです


2013年6月1日土曜日

日原大工の棟梁が使っていたコテ鑿を研ぎ上げる


播州(兵庫県南部)日原大工の棟梁が使っていた
左勝廣銘のコテノミを研ぎ上げました





はがねは強靭、地鉄じがねは極柔らかい鉄でした

銘は左文字なので、反転させてみると
勝廣のようです
左勝廣ですね(参照


最終仕上には福井県産仕上砥を使いました
柔らかい地鉄でも、しっとりと美しく研ぎ上げることができました