2014年11月23日日曜日

工房の様子 製作中の19世紀ギター3台

Maple仕様のLaprevotteタイプの裏板
膨らみを削っているところ






四方反り鉋かけ終了


その後スクレーパーで均す


スクレーパーかけ終了





その後サンドペーパー#150で仕上げ





こちらはWalnut仕様のもの
膨らみを仕上げた後、内側を四方反り鉋で削っていく




鉋かけ終了


鉋かけの後、スクレーパーで仕上げ
私は内側はサンドペーパーは磨かない


裏板出来上がり





こちらはLacoteタイプの響板
サウンドホールの縁飾りを入れたところ


2014年11月21日金曜日

鉋かけ台 木工作業台


こちらで使っている自作の鉋かけ台について
よく問い合わせがあるので
以前YouTube動画で紹介したことがありますが
それを参考にして作ったという方が連絡を下さいました
その方は何とスペインの木工家(Julio Alonso diaz さん)であります
この方は家具が専門のようですが
「私はスペイン人だが、魂は日本人です」とおっしゃる
日本贔屓の御方であります

西洋では押して使う鉋を
このように引いて使う日本の鉋でも使ってしまう
という心意気に感心してしまいます


Julio Alonso diaz さん自作の鉋かけ台






こちらは以前紹介した木工家が自作されたもの
木工仲間としてたいへん嬉しいことです





2014年11月17日月曜日

助川砥を含め5種類の青砥を研ぎ比べ

茨城県日立市で産出されていた
助川砥(青砥)を手に入れました

このようなラベルが貼られています

ラベルの天側が柾目になっているものと
思われますが
寸八鉋を砥ぐには狭すぎるので
板目面を研ぎ面にして使ってみました

せっかくなので、他の産地の青砥と
研ぎ比べをやってみました
TouTube動画参照下さい

やや硬めですが、よく反応します

板目面の影響か研ぎ傷が浅く
全体にピカリと光る感じに
研ぎ上がりました

これは動画ではやっていませんが
柾目面でも研いでみました

板目面とはずいぶん違った研ぎ上がりで
ムラのある荒い傷が付き
中砥というよりは荒砥のような感じです
私としては、この面では
研ぐ気になりません・・
やはり、以前紹介したように
このように粒度にムラがあり
荒めの青砥は板目面で
使った方がいいような気がします

また、昔の大工さんのなかには
行きつけの砥石店に
新しい砥石が入荷すると
その一つを試し
良いものだったらまとめて
大量に買って行った
ということを聞いたことがありますが
その理由が分かるような気がします

動画で次に使ったのは
同じく茨城県産の
大泉砥とされるものですが
その後、この砥石は
栃木県茂木町深沢産のもの
ということが判明(参照
丹波亀岡産の佐伯砥saeki-to
よく似ているのが興味深いところです


上の助川砥よりは細かめの石質で
粒度は揃っています

次に使ったのは栃木県産の荒内砥


やや粒度にムラがありますが
上の大泉砥とほぼ同じような
研ぎ上がりです

そして青砥の本場とも言える
京丹波・亀岡産の青砥


丹波産青砥によく見られる
針気が気になります
粒度は上の大泉砥と
ほほ同じ感じです

丹波産青砥


粒度がよく揃っていて
針気はほとんどありません
素晴しい研ぎ上がりです
このような青砥には現在では
ほとんどお目にかかれません

2014年11月16日日曜日

産地不明天然中砥二種試し研ぎ 

新たに入手した産地不明の天然中砥
福島県のリサイクルショップで手に入れたものです

中央が新たに手に入れたもの
左の熊本県産備水・赤虎とも
右の群馬県産沼田・虎砥とされるものとも
違った雰囲気があります

岐阜県産のものだとか岡山県産のものだといった
意見も頂きましたが、真相はいかに・・
ご存知の御方はぜひご教示願います

そしてこれは但馬(兵庫県北部)の
リサイクルショップから出たもの
かなり使い込まれて4面とも凹んでいます

左の山梨県産羽黒砥とも右の熊本県産備水・白砥とも
違うような感じですが

面出しをして汚れがなくなると質感が明らかになり
これは備水砥かな、という気がします

試し研ぎの動画をYouTubeにUPしました
これは最初に使いましたが

粒度がよく揃っていて、たいへん研ぎやすいものでした
おそらく備水砥でしょう


次ぎはオレンジ色のもの
これもよく反応し研ぎやすい中砥です

粒度がよく揃っていて針気がないので
即戦力として使えそうです


仕上砥ぎの中継ぎとして使ったのは
以前紹介したことのある、さゞれ銘砥さんからお世話になった
中世中山産の天井巣板です

この仕上砥はどのような刃物にも
ザクザクと反応し、守備範囲の広い砥石で


地鉄にはやや荒めの傷が付くものの
鋼はピカリと鏡面近くまで研ぎ上がる
不思議な仕上砥です



最終仕上げとして使ったのは
福井県産若狭砥・田村産の戸前(参照下さい
黒い筋は悪さをしないものの
動画では無意識についつい避けています・・




砥いだ鉋は身幅30mmの小鉋で
接着した後のギターの補強材を
両側から肉落としをするためのものです