2021年11月24日水曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 弍

井蛙抄seiashoから
挿絵入り和歌
おしなへて
花の盛に 成にけり
山の端かとに
かかるしら雲

よしの山
やかて出しと 思ふ身を
花ちりなはと
人や侍らん

雲はらふ
夕風わたる ささの葉の
音やさやかに
いつる月影

ともしして
今宵もあけぬ 玉くしけ
二村山の 峰の横雲

春たつと
いふ計にや みよし野の
山も霞て 今朝は見ゆらん

ほのほのと
あかしの浦の 朝きりに
島かくれ行
舟をしそ思ふ

人ならぬ
岩木もさらに
かなしきは
みつの小島の
秋の夕暮

2021年11月23日火曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 壱


井蛙抄から
立かへり
又もきてみん
松しまや
をしまのとまや
波にあらすな

又やみん
かたの(交野)のみのの
桜かり
はなの雪散
春のあけほの

なをさゆる
けしきにしるし 山桜
また冬こもる
梢なるらん

思いきや
しちのはしかき
書つめて
もも夜も同し
まろねせんとは

むかしより
めくみひろ田の
神ならは
さりとも秋の
心しるらん

したふへき
冬には雪の おくれいて
春ともいはす
さえわたるらむ

かけしあれは
おられぬ波も おれけり
みきはの藤の
春のかさしに

2021年11月22日月曜日

マンドリン修復 そして琵琶の撥を補修

 

修復中のヴィンテージ
マンドリン
響板の補修を終えました

こちらは補修の依頼を受けた
薩摩琵琶の撥bachi
先端の絃が当たるところが
かなり摩耗しています

先端部を平らに削り


ツゲ材を接着

接着後、余分を削り取り



平らにし

色付けをして完成


これでまた永く使えます

検査官はこちら・・

2021年11月21日日曜日

秋、満月、和歌 井蛙抄


11月19日は満月
そして月蝕だったようなので
秋の月に因んだ和歌を
井蛙抄seiashoから
霜さゆる
庭の木の葉を
ふみわけて
月は見るやと
とふ人もなし

雲はらふ
夕風わたる
ささの葉の
音やさやかに
いつる月影

影きよき
花の所は
有明の
月もえならす
すめる空哉

見し秋も
何に残さん
草の原
ひとつにかはる
野辺のけしきに
あふ坂の
関の清水に
かけ(影)見えて
今やひくらん
望月の駒