2023年12月14日木曜日

有元利夫の銅版画 そして奴奈川姫


有元利夫のエッチング

同じ版で作られたもの
表現の違いが興味深い

これは九州の最北端に位置する福岡県の志賀島shika-no-shimaから江戸時代に発見されたとされる金印。「穴師兵主神anase-hyozu-no-kami の源流」という本に目を通していたら、万葉集の「ちはやぶる 金の埼を 過ぎぬとも 吾は忘れじ 志珂の皇神」という和歌が紹介されていた。
この金が金印のことだとしたら、話がややこしくなるが、万葉集が成立した8世紀頃に、すでに志賀島に金印が存在していたことが一般的に知られていたとも捉えることができるのでは・・


このことは翡翠hisuiで作られた勾玉magatamaにも言え、昭和の初め頃までは日本の古代遺跡から出土する翡翠は海外からもたらされたもので国産のものではないとされていました。
それが、万葉集にある歌「渟名河(ぬなかは)の 底なる玉 求めて 得まし玉かも 拾ひて 得まし玉かも 惜(あたら)しき君が 老ゆらく惜(を)しも」から翡翠は日本にも産するのではないかと推測され、新潟県の糸魚川で翡翠の原石が発見されたのです。
現在では兵庫県や長崎県からも産出することが分かっています。




奴奈川姫像
上に紹介した万葉歌の渟名河は
奴奈川とも書かれ
奴奈川姫は中国の神仙思想に
登場する西王母
と同一とする説もあります

wikipediaで紹介されている
西王母

銅鏡にも鋳込まれている

2023年12月11日月曜日

四つの緒 そして「もちにまる」

 

兵庫県三木市で行われた
エクラ・ハートフルシティ
コンサート
無事に終了しました

当日ゲットしたガチャ
鏡餅「もちにまる」の
いぬもち

肉球まで再現されている

こちらは十訓抄jikkinsyoの記述
平安時代の出来事
上東門院(一条天皇の后)の御帳の中で
犬が子供を産んだことが
大げさに吉兆とされている

琵琶についての記述
玄象genjoの三緒という字が
目に止まった
玄象は琵琶の銘だが
文脈から察すると
緒は琵琶の絃と思われる
ちょっと調べてみたら
四つの緒というのは
琵琶の異称らしい


2023年12月8日金曜日

高山辰雄氏の作品 そして18世紀マンドリン


修復中の18世紀マンドリン
力木が1本紛失しているので

この参考楽器のように
作り足す

そして接着

日本画家、高山辰雄氏の作品
文芸春秋の表紙絵156枚の中から
初期、中期、後期の絵を3点ずつ紹介
どれも味わい深い









2023年12月6日水曜日

ビウエラ製作 そして18世紀マンドリン

 

修復中の18世紀マンドリン
に使うパーツを
糸鋸で切り抜いているところ

これを

このように接着

こちらは自作のフレットヤスリ


このように使う

製作中の特注ビウエラ Vihuela
ネックとヒールの継ぎ目に
補強の木片を接着したところ





鋸で挽き落とした後
豆鉋で平らに削る

ネックとボディを接着



2023年12月5日火曜日

蚩尤と神武天皇などの容貌

兵庫県によく見られる兵主神社hyozu-jinjaの祭神である兵主神hyosu-no-kamiは中国の武神である蚩尤shiyuであるとする説は以前紹介したことがあります。
五帝本紀」では蚩尤は最も乱暴な武士で、鉄沙をもって兵器を作り、黄帝軍をさんざん悩ました、と記述されているほどですから、武神でもあり、鉄の神とされたのは当然かもしれません。

「穴師anase兵主神の源流」の
著者、皆神山すさ氏は
蚩尤はシュメール語のシムグが
源であるとし、朝鮮では朱蒙
であるとしています。

蚩尤の容貌
Wikipediaから引用

このような図もある

上に紹介した蚩尤は異様な容貌をしていますが、先代旧事本紀には
人皇・天皇の容貌が書かれていて、
初代天皇の神武天皇は身長が3m以上あり、頭に9cmほどの角があり長い尾も生えている。
また、二代目の綏靖suizei天皇には背中にウロコがあり、怒ると逆立つ。
七代目孝霊天皇は顔が長く龍のようで耳は逆立ち、その耳の後ろに白い鱗(うろこ)がある。また、胸にも9枚の鱗があり、その九つの隙間から気を放っている。
十代崇神天皇は身長は1m90cm。額に10cmほどの青い角が1本ある。
下アゴの歯は長く鋭く上アゴの歯は短く丸く舌は長く鼻にまで届く。
十一代垂仁天皇は身長1m80cm。髪は右曲がりに頭を9周するように生え、
頭頂部で輪のように巻いている。
また、両脇の下には金と緑の羽を持ち、
肘にも同じような羽が根ざしていた。
とあります。

人皇16代・応神天皇の容貌。身長3mほど、目は弓を張ったような形、
胸に72本の牛の尾のような青毛があり、
長さは馬の尾の如し。

人皇17代・仁徳天皇の容貌。身長2.7m、耳は眉の上あたりから口の下に垂れ、
足の指は長く手の指の如し。
これらの記述を見ると蚩尤や神武天皇などはレプタリアン系の
宇宙人のようにも思えます。
以上のことは古事記や日本書紀には書かれていませんが、不思議なことにサルタヒコの容貌は日本書紀に「鼻の長さは七咫(ななあた)、背(そびら)の長さは七尺(ななさか)、目が八咫鏡(やたのかがみ)のように、また赤酸醤(あかかがち)のように照り輝いている」と記されています。
この記述は先代旧事本紀のサルタヒコの記述とほぼ同様なのです。
これはいったいどういうことでしょうか・・