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2022年11月18日金曜日

ホバリング虻 そして職人絵の猫と犬


小春日和
まだ咲いている
ムラサキツユクサに
虻・アブがやってきた
ホバリングが
素晴らしい!



突然ですが
回る水差しの底を磨いたら

回転時間が延びた

こちらは
鍬形蕙斎が描いた
職人尽絵詞に描かれている猫




そして犬


こちらは
鎌倉時代に描かれた
一遍聖絵
Ippen-hijirie 
に描かれている犬




2022年1月17日月曜日

餓鬼草紙に描かれた琵琶


平安時代末から鎌倉時代に
かけて描かれたとされる
琵琶を弾いているところ
も描かれています

かなり忠実に描かれていて
撥は正倉院に
同様の形で
右手の構え方も
現在とは違って
手首を弛めて下から
絃を弾いている
感じを受けます
これは平安時代に
描かれた他の
琵琶を弾いている絵に
共通したものがあるので
当時の弾き方の
特徴だったのかもしれません

こちらは1982年(昭和57年)に
出版された「新猿楽記・雲州消息」引用された餓鬼草紙の絵
その版下絵と原画との微妙な
違いが興味深い

琵琶を弾いている男の肩に
描かれている餓鬼の霊が
版下絵では餓鬼とは
分からないところは時代を
反映しているのか・・

これは室町時代以降に
描かれたとされる
百鬼夜行絵巻の琵琶妖怪

江戸時代頃に描かれた
職人絵から琵琶法師
楽器や撥は忠実に
描かれれいて
撥面に月が付けられていたり
平家琵琶の特徴が
よく表現されている

2022年1月13日木曜日

松森神社 職人尽彫物絵

 

長崎県にある
江戸時代に寄進された
職人尽彫物絵があり
今でも存在しています
その研究書も出されていて
それを入手

その中から少し紹介しようと
思います
研究書では彫られている
木材については
述べられていませんが
欄間彫刻なので
欅keyakiが使われているものと
思われます
この彫物絵は鼓職人


これは鼓を使っているところ
曲舞舞kusemaimaiのような
三河万歳mikawa-manzai
のような・・

烏帽子eboshi職人

櫛職人が舞錐
使っているところ

排簫haisyou職人

琴師が琵琶を作っているところ

琵琶はとくに
間違いは見あたらないが
琴師の左手、小指?が
折れ曲がっているようで
何かおかしい
以前、大黒天の彫物でも
親指が妙なものを
目にしたことがあるが
未熟な弟子にでも
彫らせたのだろうか・・

2022年1月11日火曜日

土佐国職人絵歌合

昭和43年(1968年)に出版された
土佐国職人絵歌合を紹介
これは江戸時代後期
文化文政期に出された歌合が
紹介されたもので
絵は小さなモノクロ印刷しか
載せられていませんが
以下、歌合を付けながら
紹介しておこうと思います

左右の歌の判者は 海老すき

一番
左:弓打
いつわあれとわきて今宵は丸木弓
うち見る空にすめる月かけ

右:鞍打
立霧にうすくもる夜の月のかさ
きんふくりむのくらと見しはや

二番
左:博士
かしこしな梓の弓に犬神の
うらみもはれていつる月かけ

右:博労bakurou
大空をわたるものいちかたは
たか武者押のためにひくらん

三番
左:鯨突
沖番にまた夜をこめて行船の
いろゑもさやにてらす月かけ

右:茶師
土佐山やあわたつ雲もうちはれて
茶のはなてらす秋の夜の月

四番
左:焼物師
かはらけも今宵はやかし名にしおふ
月を烟のさへもこそすれ

右:檜物hinokimono師
まとかなる月もますみの天下一
鏡のすをやまつつくるへき

五番
左:蝋燭rousoku屋
さやかなる月の夜比はふところの
うちまてかけのさしてこそいれ

右:豆腐toufu屋
ゆく水の底さへすみてかかみ川
家の名におふかけのさやけき

六番
左:棺hitsugi屋
いにしへの野中のひかりしるけれは
月も棺屋をたつねてそすむ

右:とうま
けふもまたほりて帰りし山端に
あととふ月のかけのあわれさ

七番
左:釣鍛冶
大空にたかきさけをかかけつらむ
月も丸輪にすみのほる影

右:梁打
すみまさる梁瀬のなみの月影に
なれもあそふか年魚のひとむれ

八番
左:鰹katsuo釣
棹鹿の角釣針の月のふね
清水七浦かけてこくらむ

右:節切
真清水の深井にかけすむ月にこそ
献上ふしもみかくへらなれ

九番
左:硯suzuri石取
室戸埼はれ渡る夜はかきのから
つきにむかしのしのはるる哉

右:紙漉suki
月影はここをせにとやすみぬらん
青土佐色の庭の浅茅生asajiu

十番
左:山師
材木の相場につれて柳瀬山
たかねにのほる月そうれしき

右:船乗
うらとかたふりにしあとをしのはらや
つきのみふねもこころよすらん

十一番
左:夷廻
家々のくわんしむのみかにっこりと
わらい出したる三か月の影

右:七夕tanabata
秋わまたあさをのはしめたなはたの
かけ絵たふときゆふ月のかけ

十二番
左:座頭
月影はならしも見えぬ雲霧も
はれといふ名をおへるわか身に

右:比久尼bikuni
おほつかなたれにうちとけて月の顔
雲のほうしをぬきてみすらん

十三番
左:取売
仲間市月の夜比は赤坂の
雁のすかしもさやに見えつつ

右:古手furuteかか
久かたの月の桂の男物
衽eri垢akaもなきかけのさやけさ

十四番
左:古家触
桁ketaたるきはりまやはしのあきの月
はやみにこよとふれさらめやは

右:木遣kiyari
さいとりてふりさけ見れは石の口

十五番
左:真言宗
五台山さし登る月をさなからに
月輪観をわかしうる哉

右:禅宗
さししめす指も何せん吸口や
座禅の床にこころ澄月