古い会津鉋
重長寸六を預かりました
会津の桐下駄を作る
職人さんが使っていた
ものだそうです
鋼は炭素鋼系
裏出しは容易だったので
焼き入れは甘めと思われます
堤章氏の著書「会津の刃物鍛冶」
によると、重長は
本名 三瓶延雄
明治41年(1908年)生まれ
大正12年(1923年)、会津の名工
重正の二代目に弟子入り
昭和4年(1929年)年季を終え
1ヵ年の御礼奉公をした後
会津市内で独立開業
昭和54年(1979年)廃業とあります
裏研ぎに使った
ダイヤモンド砥石と
人造砥石、研承3000
金盤を使った裏押しをしなくても
今は優れた人造砥石があるので
このように苦労せずに
裏を研ぎ上げることができます
この後は
天然砥石の三河名倉砥と
天然仕上げ砥で
最終仕上げを行います
柔らかい桐材を削るためか
鉋身の刃角度はかなり低く
22度程度
これには驚かされます
こちらで使うには
やはり28度は必要なので
刃先から1mmほどを
約28度で研ぎました
地鉄jiganeも少し
研ぎ上げてみました
和鉄でしょうか
このような地鉄は
会津の鉋によく見られます
よく詰んで
幕末の日本刀のように見えます
身の造り込みはかなり薄く
厚いところでも
7mmほどしかありません
こちらは押金
おおまかに錆を除去し
仕上げた状態
市販の寸六掘り台に
収めた状態
昔の寸六は今よりも
やや狭いので
押金が収まる部分を修正
Black walnut材で
試し削りをやってみました
下に紹介した動画のように
粘りのあるウォルナット材でも
切れは軽快で、片手でも
苦にはなりませんでした
削り肌も美しく期待が持てます
しばらく仕事で
使ってみようと思います