2011年11月19日土曜日

駒王丸と高麗王若光 その1

次に製作の予定である平家琵琶の撥面には、
木曽義仲に因んだ絵を描くことにしています、それで、いま木曽義仲のことをちょっと調べています。
琵琶を依頼して下さった方から、義仲の幼名は駒王丸(こまおうまる)であるということを教えてもらっていたので、どうしてそのような幼名が付けられたのかも知りたいと思い、調べ始めたのですが、手立てがほとんどないのです。
そういうことなので、こまおうまる コマオウマル・・・と
念仏のようにブツブツ云いながら本棚を眺めていたら、以前、滋賀県にある渡来人歴史館で買っていた高麗王若光(こまおう じゃっこう)に関するDVDが目に入ったのです。コマオウ! 近い! もうちょっとでコマオウマルではないか・・・ということで、早速そのDVDを見直したのですが、最初に高麗、許麻、巨摩、狛、駒、という字が紹介されているのです・・
どれもコマと発音します。このコマという発音に様々な当て字が付けられているのですが、漢字の意味はそれほど重要ではなく、コマという発音が重要なのは想像がつきます。
許麻、巨摩は地名によく見られます。狛は神社の狛犬のコマですね・・
そして駒は「ヒョウタンからコマ」の駒で馬のことです。







2011年11月17日木曜日

「楠美甚之助勤務控え」

平家詞曲相伝者である鈴木まどかさんが
共著で「弘前城手廻組藩士の日常と世相」
副題 「楠美甚之助勤務控え」を出されました
楠美甚之助はまどかさんの御先祖でもあります
出版社 大河書房

歴史は鑑と言われますが
そのことを痛感させられる1冊です
300年前のことが昨日のことのように蘇ります


2011年11月14日月曜日

もう1台の新作ラプレヴォット・タイプ


今回出来上がった
もう1台を紹介しておきます



全体に淡いクリーム色に着色してほしい
という要望がありましたので
このように仕上げてみました





 
ポジション・マークは白蝶貝






糸巻きは特注ロジャースです


ブリッジ・ピンにはアバロンを入れています
実際はもっと濃い緑色です


2011年11月12日土曜日

霧島銘の鉋

霧島という銘の一枚刃寸三鉋(身幅55mm)を手に入れました


島という字が消えかかっていますが
霧島という銘は間違いないでしょう
その上に右から保険という刻印があり
上段中央に丸十字の紋が入れられています
丸十字は薩摩藩の家紋でもあるのですが
鹿児島県で打たれた鉋身でしょうか・・
裏の透きが不均一ですが
島の字の下半分が消えているので
後に透き変えられたのかもしれません

鋼は炭素鋼で、研ぎやすく
絶妙の焼きが入っている感じです


仕事で様々な硬さの木を削ってみましたが
甘い焼きの鋼なのに驚くほど永切れします

このように刃先が摩耗しても
切れは止んでいません

正清銘の鉋と並べてみると


頭の形状が違うくらいで
身の厚み、鋼の質などよく似ています

霧島といえば鹿児島県ですが
正清という銘は日本刀にもあり
薩摩(鹿児島県)刀工の主水正(もんどのしょう)正清
という有名刀工が思い浮かびます
この鉋とは関係はないと思いますが
この鉋身を鍛えた鍛冶職人が
薩摩に縁がある人だったとすれば
主水正正清のことに思いをよせて
銘を付けたということは想像できます

その後二枚刃に仕立て直しました

2011年11月11日金曜日

おそるべし 自然のデザイナー

庭先の地面にポロリと落ちていた
小さな虫の死骸・・
体長約7mm、ゴミと見間違えるほど・・





 ところが、よくよく見ると
翅の表面に美しい模様が・・


なんともオシャレではありませんか・・




腹側も美しい瑠璃色です
いったい何のために、誰のために
このように美しくする必要があるのか・・