本の整理をしていたら
画家・竹内絹さんの本が現れた・・
2007年付けの手紙が添えてある
竹内さんとはもうずいぶん前
20年ほど前になるのか
知り合ったのだったか・・
たぶんそうだったと記憶している
たしか神戸でやった私の楽器製作展に
来てくれたのでした
その後、近藤さんの作品展の会場に行くと
必ずと言っていいほど竹内さんと顔を合わせた
関東に住んでおられる竹内さんが
関西でやっている近藤さんの
作品展会場に足を運ばれているその時に
こちらがその会場に赴く・・
そんな偶然が重なったので
竹内さんも私のことを気にかけてくれていて
それで本を出版されたときに
私にも送って下さったのだと思う・・
この本は、大正八年生まれの竹内さんが
喜寿(八十八歳)のときに出されたもの
本を頂いたお礼に
自作の勾玉をお送りしたら
いたく喜んで下さって
丁寧な礼状を頂いた・・
今はどうされているのかは
近藤さんからも聞かないが
天衣無縫な絹さんのこと
風のようにあちらこちらに赴き
笑顔を振り撒いておられるに違いない
銑せんという古い道具を手に入れました
重春という銘が刻まれています
打たれたものだと思われます
会津の桶作りの道具として
地・刃ともに健全で
研ぎ直せばまだまだ使えるでしょう
しかし、私は銑として使うことはない・・
刃の長さは24,5cm、身の幅は4cm強
厚みは4mmはある
これだけあれば小刀や小鉋身が
多く取れるだろう・・
歴史的資料として残しておくべきか・・
悩むところであります・・
堤章著「会津の刃物鍛冶」によると
重春銘について、このように説明されています
のように刻まれていますが
これは明治以降の近代会津刃物鍛冶の
先駆者とされる重房銘の刀工であった
若林安右衛門の長男安左衛門の
流れだということです
一方、本来の「重」の字を刻んだのは
若林安右衛門の二男猪之吉の流れだそうです
昨日仕上げた鉋身には
台も付いていましたが
かなりひどい状態だったので
長さを短くして
なんとか身を収めました
ちょっと頭デッカチになってしまったが・・
刃口も補修したので
これで一応削ることができそうです
ギター用ヨーロッパ・スプルースを
削ってみましたが
パサパサの削り屑で艶がありません
削り肌はそれほどひどくありませんが
刃こぼれの痕が残っています
拡大した刃先はムラがあり
部分的に刃こぼれがあります
約180度で1時間焼き戻しをしてみました
研ぎ直した状態
刃先が精緻になり
刃こぼれもなくなっています
削った手応えも軽くなり
削り屑に艶があります
削り肌も滑らかになりました
これで仕事に使える状態になりました
古い鉋身を手に入れました
身幅5.7cm
刻印銘がありますが判然としません
二字めは房と思われます
ひどい錆でしたが
なんとか使えそうです
古い鉋身によく見られる
薄い造り込みです
研ぎ易く、しかも鋼(はがね)には
強靭さを感じます
刃先を拡大してみると
微細な刃こぼれが確認できます
玉鋼特有の状態です
焼き戻しでうまく直って
くれるでしょうか・・
地鉄(じがね)は細緻でたいへん美しく
幕末・新々刀期の刀を見ているようです
仔細に観察すると微細な柾目のようで
地沸(じにえ)がキラキラと細かく輝いています
和鉄独特の景色です
現代の鉋ではほとんど見られません
拡大しても美しさが伝わってきます
小刀2点の成形を終えました
右は片切刃、左は平造り
どちらも刃角度は約25度
焼き入れはまだまだ先になりそうです
これは鋼材から切り出したところ