いま製作中の2台のラプレヴォット・タイプは
響板に燻煙化学処理された
アルペン・スプルースと
未処理の同じ産地のスプルースを使っています
サウンドホールの縁飾りを入れる部分を
削り取ったところで、ふと
処理されたものと未処理のものの
光の透過具合はどうなのだろうかと思い
いい加減な実験ですが
ちょっと比べてみました
上の画像は右が30年ほど自然乾燥させたものを
燻煙化学処理してもらったもの
左は未処理のもので
20年ほど自然乾燥させています
心なしか右の処理されたものの方が
光の透過率が低いような気がします
溝を彫ったところはどちらも
厚みは2mmほどです
溝を彫っていないところは
どちらも現状の厚みは約3,2mm
こちらは未処理のもの
こちらは燻煙化学処理されたもの
これに、このような電球を当て
反対面から見ると
未処理のものはこのように透過します
そしてこちらは処理されたもの
やはり燻煙化学処理されたものの方が
光の透過率は低いようです
このような実験を思い立ったのは
ここ30年ほど150年以上経った古いギターを
かなりの数修理・修復してきましたが
響板に使われているスプルースは
ほとんど光を透過しないのです
それが何故なのか、そしてどれ位の年数で
透過しなくなるのか
ということを知りたいと
かねがね思っていたのです
そういうこともあり
25年ほど前にやってみたことのある
実験をもう一度やってみました
上のスプルースは30年ほど自然乾燥させた
アルペン・スプルースですが
このように光が透過します
これを家庭用アイロンの強(約190度)で
このような状態になるまで
両面から熱をかけてみました
時間にして片面2分ずつ、合計4分ほどです
やや透過率が下がったような感じです
これをさらに高い温度で
両面から少し焦がしてみました
時間は片面数秒です
そうすると焦げた部分は
ほとんど光を透過しなくなりました
これは木質部が炭化したためだろうと
思われますが、内部までは
影響は及んでいないようにも思えます
真相を知りたいところであります・・