2012年11月21日水曜日

佐伯砥と奥ノ門産仕上砥で自作小刀を研ぐ

今ではほとんど入手困難な
京都丹波産・佐伯saeki砥を
手に入れました
研ぎ動画参照ください

古事類苑では(参照
丹波に産する佐伯砥は
荒めの砥石である
同じく丹波の猪倉からも
佐伯砥と称される砥石が掘られている
と説明されていますので
産地がいくつかあったものと思われます

佐伯砥独特の
黒いゴマ状の斑点が顕著に確認できます

やや硬めですがよく反応し
たいへん研ぎやすい中砥です
粒度は800番といった感じですが
研ぎ傷が浅いので
後の研ぎが楽に行えます

佐伯砥の産地と同じ地域である
丹波亀岡産の青砥に比べると
傷はやや粗いですが
青砥よりは均一な傷です
研いでいる小刀は
自作のもので(参照
鋼haganeは安来鋼yasuki-hagane
白紙2号

動画で次に使っているのは
産地不明の中砥で
粒度はおよそ1200番

やや硬めで反応がやや鈍い感じです

その分、研ぎ上がりは緻密です

そして、仕上げ研ぎの中継ぎとして
奥ノ門産の仕上砥を使いました

ほどよい硬さで、よく反応し
強い研磨力があります


地・刃ともに微塵に美しく曇ります

最後に使っているのは
京都梅ヶ畑・中世中山産の仕上砥
鮮血のような赤い模様が入っています

硬めの石質ですが
カチカチの鏡面仕上砥ではなく
ほど良い研ぎ感で
鋼は鏡面に仕上がります


2012年11月20日火曜日

新作オブジェ



製作中のトーレス・タイプのブリッジに使った
インレイの切れ端と黒檀を使ったオブジェを作ってみました



2012年11月17日土曜日

ブリッジの加工と接着

製作中のギター3台の
ブリッジを今日接着しました
以下はこれまでの過程

Laprevotteラプレヴォット・タイプのブリッジ
上の画像の小刀はどれもハイス鋼(HSS)で
刃角度は30度~32度ほど


これは加工途中の
Torresトーレス・タイプのブリッジ
弦を結ぶスペースのデザインを 
どのようにしようか、いろいろ思案しましたが


結局このように仕上げてみました







そして膠ニカワで接着

これで

ヘッド

サウンドホール縁飾り

ブリッジの貝のインレイが揃いました
インレイの下描きはこちらを参照ください


ついでに修復中の古い楽器の
縁飾りのインレイを3個切り出しました


これはラプレヴォット・タイプの
ブリッジ接着の様子
圧着はできるだけ弱い力で済むように
接着面の加工は慎重に行います


2012年11月15日木曜日

幻の砥石・浄教寺砥を使った研ぎ動画の画像


12日に紹介した幻の砥石・浄教寺砥
使った研ぎの画像をUPしておきます
これは動画で最初に使っている
福島県産の会津荒砥
粒度は約400番
やや硬めで、ほど良い研ぎ感
たいへん使い易い砥石です

研いでいる鉋身は11日の鉋仕立ての
レクチャーで裏出しをし
この鉋刃はギター製作用として
研ぎ上げていきました

次に荒目の伊予砥
粒度は約600番
これはやや柔らかめですが
その分よく下り、研ぎやすい中砥です

そして、幻の浄教寺(じょうけんじ)
常見寺とも表記されます
江戸時代の砥石に関する文献では
ほとんど常慶寺と書かれています
たとえば、江戸時代の初めに書かれた
雍州府志では
「越前えちぜん(福井県)
常慶寺砥というものがあり、
これは俗に「じょうけんじど」と
呼ばれている」
と説明されています(参照


こちらは同じく浄教寺赤砥
これも福井県に産しますが
現在では掘られておらず
大正時代頃まで掘られていたようです
粒度は赤砥の方がやや粗い感じで
傷も深いような気がします
研ぎ感も赤砥の方が力があります

後に新たに手に入れた浄教寺砥

そして三河名倉砥、層はアツと思われます
強い研磨力があり
浄教寺砥の傷が僅かの時間で消えました
日本刀の研ぎでは
浄教寺砥の後は改正名倉をかけますが
一般的な刃物でしたら
その必要はありません

仕上げ研ぎは
中継ぎとして奥殿産巣板

そして最後の鏡面仕上げは
仕上砥石の名門
京都梅ヶ畑産の中世中山砥です
これはそこそこ硬い石質ですが
反応が良いので
心地よく研ぐことができます
これはさゞれ銘砥さんから
お世話になりました

2012年11月14日水曜日

鉋刃の裏押し

11月10日の鉋仕立てのレクチャー
行えなかった、鉋刃の裏押しの動画をUPしました
以下その画像を紹介しておきます



上の二枚の画像は未使用の古い鉋身を
裏出しを行い#800の電着ダイヤモンド砥石で
仮押しした状態(身幅48mm)


こちらは研ぎ面ですが、裏出しのため
ハンマーで叩いた痕が付いています


裏押しのための用具
今回は粒度#1000のGC(グリーン・カーボランダム)
パウダーを使いました


これは鉋身の押え棒
30年以上使っています
中央部の黒い部分は厚み3mmほどの
柔らかめのゴムを貼っています


裏押しが終わった状態
この後、砥汁を出した天然仕上砥石3種で仕上げます

小刀など小さな刃物は金盤は使わずに
ダイヤモンド砥石を使っています


仕上がった状態
使った仕上砥は奥殿産巣板