まず、中野武夫氏作東郷鋼鉋
(寸三・身幅55mm)を
他の特殊鋼、安来鋼青紙スーパーと
燕鋼の寸三鉋と削り比べを
やってみました
左から東郷鋼寸三、青紙スーパー鋼寸三、燕鋼寸三
削った材はギター用材として
最も削りにくいものの筆頭
ホンジュラス・ローズウッド
粘りが強く強烈な逆目交じりの堅材
これを荒削りしてみました
動画で最初に使ったのは
中野武夫氏作東郷鋼・寸三
刃角度は約25度
動画撮影後の刃先の状態
次に使ったのは青紙スーパー鋼・寸三
一応、銘にモザイクをかけ作者は
伏せておきます
刃角度は約28度
動画撮影後の刃先の状態
最後に燕鋼・寸三
これも銘にモザイクをかけ作者は
伏せておきます
刃角度は約28度
動画撮影後の刃先の状態
鉋身の仕込み角度は
手前の東郷鋼と青紙スーパー鋼は
ほぼ八分勾配(約40度)
奥の燕鋼はほぼ九分勾配(約42度)
動画撮影後の刃先の状態は
3丁ともほぼ同様ですが
燕鋼は切れが止みかけています
東郷鋼と青紙スーパーはまだ切れていますが
切れが軽いのは東郷鋼の方です
削る音も東郷鋼は最も軽い感じがあります
次に中野武夫氏作東郷鋼鉋・寸三と
昔の鉋、秀弘銘・寸三鉋
(身幅57mm、炭素鋼)とで
削り比べをやってみました
左が東郷鋼・寸三(刃角度約28度)
右は秀弘(炭素鋼)・寸三(刃角度約28度)
削った材は同じ
ホンジュラス・ローズウッドです
これは東郷鋼
動画撮影後の刃先の状態
これまで現代製の東郷鋼鉋を
いろいろと手に入れ、使ってみましたが
どれも仕事で使えるレベルでは
ありませんでした
しかし、この中野武夫氏のものは
これまで使った中では最も強靭で永切れします
充分仕事で使えます
こちらは秀弘寸三
動画撮影後の刃先の状態
こちらは東郷鋼よりも
やや刃持ちがいいような気がします
研いだ感じは東郷鋼よりも強靭で
研ぎ上げるのにやや苦労します
動画の削る音を聞いて頂くと
この秀弘鉋の方が鋭い感じが分かって
頂けると思います
やはり優れた炭素鋼は切れが軽く
しかも永切れし
ついつい手が伸びてしまうのです・・