明治39年(1906年)に
発行された本を入手
バラバラの状態なので
製本をやり直そうと思います
この本は晩年の北斎が
魔除けのため
毎朝仕事始めに描いた
とされる獅子図が
まとめられてたものです
葛飾北斎日新除魔帖
ここで説明されている
阿栄(おえい)とは
北斎の娘のこと
参照下さい
阿栄は優れた画家でもあり
離婚して家に戻ってからは
北斎と一緒に描き
北斎の代筆もやっていた
とされています
号は應為(おうい)
ちぎれていた表紙を
端裂で補強
各ページの補修を
終えたところ
オリジナルは
金属線で綴じられて
いたようなので
銅線で綴じてみました
表紙の裏と奥付けの裏に
古裂を貼り付けてみました
補修した新しい紙に
水彩絵の具で古色付け
今日の日付の獅子図
卯年となっていて
解説では天保14年
西暦1843年に描かれた
とされています
この年の正月元旦から
描き始められ
12月29日に至るまで
描かれたもののうち
219点が現存している
ということで
この本では86点の獅子図と
宝珠の図、そして
長寿の薬の調合法の
説明書き
合わせて八十八点が
掲載されています
その中から獅子図を
少し紹介しておきます
いま作っている楽器に
ユリの花をデザイン化して
象嵌をするので
描かれた百合の花を
いろいろと参考にしてみました
これは江戸時代の陶芸家
これは作者は誰でしょうか・・
乾山と同様、琳派風でもあります
描いたもの
そして幕末の大画家
これは北斎の娘である
阿栄(おえい)が描いたもの
雅号は鷹為(おうい)
因みにこれは鷹為が
描いたものですが
鷹為の人物画は指がすらりと
異様に長く描かれているのが
特長とされています
この指を見て、私は
連想しました
これは藤田嗣治の作品ですが
指が異様にすらりと長く
描かれています
そのことをSNSで紹介したら
知人から、イタリア15世紀の画家
よく似ていると指摘がありました
こうして見ると
確かによく似ています
いろいろと興味が湧きます
さてこちらは藤田嗣治が描いた
百歳の自画像
藤田嗣治は81年の生涯でしたが
100歳の自画像を描いているのは
興味深く、また鷹為の父である
北斎が目標としていたことを
連想させられました
北斎は90歳でこの世を
去っていますが
自分の絵は110歳で完成される
と信じて毎日精進していた
ということです
90歳で病に倒れ
臨終の間際には
あと5年だけでもいいから
長生きしたいと口にした
と伝えられていますが
この意欲にはまったく驚かされます
藤田嗣治も葛飾北斎も
自分の腕を上げるために
毎日毎日ひたすら絵を描いた
とされていますが
このことはもちろん
苦痛ではなく
才能ある人はそれが楽しくて
仕方がないのだろうし
少しずつ自分が進化・深化・新化
していくのが実感されて
さらに、さらに上を
目指していたのだと思います
ということで
こちらはユリの花を
Inlayする前段階
下地を仕上ているところです
そして白蝶貝のシートから
デザイン化したユリの花を
切り出しているところ
こんな感じに嵌め込みます
もう1台の方は
こんな感じです
から出版された本
日本の古来からの
大工道具に関する絵が
紹介されています
これは江戸時代初期の
川越三芳野天神縁起絵巻
に描かれたもの
初めて見る鋸・・
金切り鋸のように
弓が付けられています
これも同じ絵巻に
描かれたもの
鉋を研ぐ際の
持ち方に興味が沸きます
これは鉋刃を出しているところ
と思われますが
台尻を叩いている
のでしょうか・・
こちらでは押して
鉋削りをしています
これは江戸時代中頃に
描かれたもの
この絵では鉋を引いて
使っています
鋸は木葉型ですね
犬が描かれていて
微笑ましい
ベルギー産仕上げ砥石で
ハイブリッド全鋼ノミを
研いでみました
よく反応し
研ぎ上がりも
文句ありません
使った砥石
左から人造砥石・研承1000→
会津砥→ベルギー産仕上げ砥
ついでにハイスHSS全鋼小刀も
研いでみました
ハイス全鋼刃物にも
よく反応し、研磨力もあります
Okudo suita と
Okunomon suita を
貼り合わせた仕上げ砥石
こちらは奥乃門産白巣板
反対面の奥殿蓮華巣板
研いだ鉋は
昨日、ベルギー産仕上げ砥石で
研ぎ上げたものと同じ
羅生門寸六