2019年1月16日水曜日

葛飾北斎日新除魔帖

明治39年(1906年)に
発行された本を入手
バラバラの状態なので
製本をやり直そうと思います

この本は晩年の北斎が
魔除けのため
毎朝仕事始めに描いた
とされる獅子図が
まとめられてたものです

葛飾北斎日新除魔帖

ここで説明されている
阿栄(おえい)とは
北斎の娘のこと
以前のブログ投稿
参照下さい
阿栄は優れた画家でもあり
離婚して家に戻ってからは
北斎と一緒に描き
北斎の代筆もやっていた
とされています
号は應為(おうい)

ちぎれていた表紙を
端裂で補強


各ページの補修を
終えたところ

オリジナルは
金属線で綴じられて
いたようなので
銅線で綴じてみました




表紙の裏と奥付けの裏に
古裂を貼り付けてみました

補修した新しい紙に
水彩絵の具で古色付け


今日の日付の獅子図
卯年となっていて
解説では天保14年
西暦1843年に描かれた
とされています
この年の正月元旦から
描き始められ
12月29日に至るまで
描かれたもののうち
219点が現存している
ということで
この本では86点の獅子図と
宝珠の図、そして
長寿の薬の調合法の
説明書き
合わせて八十八点が
掲載されています

その中から獅子図を
少し紹介しておきます



2019年1月15日火曜日

百合の花の象嵌 Inlay

いま作っている楽器に
ユリの花をデザイン化して
象嵌をするので
描かれた百合の花を
いろいろと参考にしてみました

これは江戸時代の陶芸家
尾形乾山が描いたもの

これは作者は誰でしょうか・・
乾山と同様、琳派風でもあります

これは乾山の兄尾形光琳
描いたもの

そして幕末の大画家
葛飾北斎が描いた百合

これは北斎の娘である
阿栄(おえい)が描いたもの
雅号は鷹為(おうい)
YouTube動画参照下さい

因みにこれは鷹為が
描いたものですが
鷹為の人物画は指がすらりと
異様に長く描かれているのが
特長とされています
この指を見て、私は
藤田嗣治が描いた女性の指を
連想しました

これは藤田嗣治の作品ですが
指が異様にすらりと長く
描かれています


そのことをSNSで紹介したら
知人から、イタリア15世紀の画家
コズメ・トゥーラが描いたものと
よく似ていると指摘がありました
こうして見ると
確かによく似ています
いろいろと興味が湧きます

さてこちらは藤田嗣治が描いた
百歳の自画像
藤田嗣治は81年の生涯でしたが
100歳の自画像を描いているのは
興味深く、また鷹為の父である
北斎が目標としていたことを
連想させられました
北斎は90歳でこの世を
去っていますが
自分の絵は110歳で完成される
と信じて毎日精進していた
ということです
90歳で病に倒れ
臨終の間際には
あと5年だけでもいいから
長生きしたいと口にした
と伝えられていますが
この意欲にはまったく驚かされます

藤田嗣治も葛飾北斎も
自分の腕を上げるために
毎日毎日ひたすら絵を描いた
とされていますが
このことはもちろん
苦痛ではなく
才能ある人はそれが楽しくて
仕方がないのだろうし
少しずつ自分が進化・深化・新化
していくのが実感されて
さらに、さらに上を
目指していたのだと思います

ということで
こちらはユリの花を
Inlayする前段階
下地を仕上ているところです

そして白蝶貝のシートから
デザイン化したユリの花を
切り出しているところ


こんな感じに嵌め込みます


もう1台の方は
こんな感じです


2019年1月13日日曜日

江戸時代の鋸と鉋



昭和49年に新建築社
から出版された本
日本の古来からの
大工道具に関する絵が
紹介されています

これは江戸時代初期の
川越三芳野天神縁起絵巻
に描かれたもの
初めて見る鋸・・

金切り鋸のように
弓が付けられています

これも同じ絵巻に
描かれたもの

鉋を研ぐ際の
持ち方に興味が沸きます

これは鉋刃を出しているところ
と思われますが
台尻を叩いている
のでしょうか・・

こちらでは押して
鉋削りをしています

これは江戸時代中頃に
描かれたもの
この絵では鉋を引いて
使っています


鋸は木葉型ですね

犬が描かれていて
微笑ましい

2019年1月12日土曜日

ベルギー産仕上砥でハイブリッド全鋼鑿を研ぐ

ベルギー産仕上げ砥石で
ハイブリッド全鋼ノミを
研いでみました
YouTube動画UPしました
よく反応し

研ぎ上がりも
文句ありません


使った砥石
左から人造砥石・研承1000→
会津砥→ベルギー産仕上げ砥

ついでにハイスHSS全鋼小刀も
研いでみました
YouTube動画参照下さい

ハイス全鋼刃物にも
よく反応し、研磨力もあります



2019年1月10日木曜日

奥殿蓮華巣板と奥乃門白巣板

Okudo suita と
Okunomon suita を
貼り合わせた仕上げ砥石

こちらは奥乃門産白巣板
YouTube動画UPしました


反対面の奥殿蓮華巣板


研いだ鉋は
昨日、ベルギー産仕上げ砥石で
研ぎ上げたものと同じ
羅生門寸六