2023年1月28日土曜日

匠家必用記中巻  三章と四章の 読み下しを紹介


匠家必用記中巻より
三章と四章の
読み下しを紹介
間違いなどありましたらご
教示願います

三 素戔嗚尊清地に宮を建給ふ事
素戔嗚尊は上に云ごとく、諸神の逐(やらひ)によりて遂に出雲国簸(ひ)の川上に天降り給ふ。其地に八俣の大蛇(おろち)ありて稲田姫を害せんとす。素戔嗚尊是をきき給ひ、忽(たちまち)いつくしみの御心を起し給ひて、其苦を救ひ給はんと欲し、大蛇を退治せんことをはかり給ふ。先あしなづち、てふづちをして毒酒を造らしめ、大蛇にあたへたまへば、大に酔てねふる。其とき、そさのおのみこと帯し給ふ十握(とつか)の剣(つるぎ)を抜て大蛇をずだずだに斬給ふ「此剱を天羽々斬の剱と云。又は虵(おろち)の麁正(あらまさ)共号(なづ)く。今備前国赤坂郡石上魂神社に祭る。又は大和国石上の神社い祭るともいへり」。其尾に至て剱の刃すこし缺ぬる故、割て見給ふに霊異なる剱あり。天のむら雲の御剱と号く

「是三種の神宝の一つなり。景行天皇の御宇東にぞ賊徒起りしとき、皇子日本武尊此御剱をもって発向し給ふに、賊徒畏恐(おぢおそれ)てことごとくなびきしたがへり。国平安となりしこと此剱の御徳也。神を木にたとへて一柱、二柱といふ。万民を草にたとへて、あおひとくさといへり。かるがゆへに、此つるぎをくさなぎの剱といふ。草なびきの中畧なるべし。今尾張の国熱田の神宮におさむ」。素戔嗚尊、今奇異の剱を得て私に持えきことにあらず、太神へささげ奉り、天下の重宝となさんとおぼしめして、天照太神へ上献し給ふ。此とき稲田姫をめとりたmひて、宮地求給はんと欲し、出雲国清といふ所にいたり給ふときに、素戔嗚尊、御心もやはらぎ清浄の心にたちかへりたりとおぼし召して、吾心清清之(すがすがし)と自(みずから)の給ふ也。則この清という所、清浄なる地によって宮殿を造営して住給ひ、ほどなく御子大己貴命(おほあなむちのみこと)を生(あれま)し給ふ。この御宮も手置帆負命、彦挟知命の造りたまふものなり。

四 大己貴命日隅宮を建立し給ふ事
天照太神御孫、天津彦火瓊々杵尊(あまつひこほのににぎのみこと)を芦原の中津国の主とし給はんとおぼし召て、経津主尊(ふつぬしのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)二神に詔して豊芦原の中津国を平げしむ。二神、出雲国へ降り給ひて大己貴命に対面し、太神の詔の旨を仰られしは、国を皇孫尊(すべみまのみこと)へ譲べし。汝は天日隅宮を造りて住むべし「日隅宮は今の杵築大社(きづきやしろ)也。今より後は神事をしらすべき也。宮造りの制は、柱はふとく高く、板は広く厚きを用ゆべし「杵築の大社は余の社よりも大なるは此謂也」。其外、高橋、浮橋、天の鳥船を造りて海に遊ぶの具とすべき也。番匠神は手置帆負命、彦挟知命を定べし「日本記に紀伊斎部(いんべ)遠祖、手置帆負命を定て笠縫とし、彦挟知命を盾作(たてぬい)とすといへり。元正天皇養老年中に一品舎人親王、日本記をゑらみ給ひしとき、此二神の裔(はつこ)、紀伊国、名草郡、御木郷、麁香(あらか)郷(ごう)に居住し故、其先祖の神をさして紀伊忌部遠祖と書給ふ也」。天目一箇命、金工と定給ふ「上にもいふごとく、是鍛冶の祖神也。此とき宮入用の金物を造り給ふなるべし」。大己貴命、此

詔(みことのり)をうけ給りて、其御子事代主命ともに太神の勅命にしたがひ、事ゆへなく国を皇孫尊に授給ふ。則大己貴命の持給ふ所の広矛を二神に授給ひて曰(のたまはく)、吾(あれ)此矛をもって国を治るに功あり。今、皇孫尊、此矛をもって国を治め給はば、かならず平安なるべしと、の給ひて隠去給ふ。二神此矛を請取給ひて、天照太神へ此由を作上られける「此段大己貴命出雲の大社を建立し給ふこと、かくのごとし」。


2023年1月27日金曜日

ハイス鉋の刃口埋め そして謎の生物


新調した粉末ハイス鉋

半年ほど経って
台が安定してきたので
刃口にステンレスを
埋めることにした



接着には木材と金属を
接着できる水性ボンド
速乾アクリアを使った
刃口を埋めない状態だと
黒檀削りで半年ほど使うと
刃口がひどく乱れてしまうが
金属を埋めると
10年以上はもってくれる
これまで使っている
真鍮刃口のハイス鉋は
20年ほどもっているものもある

こちらは
オリーブ材の端材で
作った富士山オブジェ

そして謎の生物・・

2023年1月26日木曜日

銀世界、美しい! そして描かれた猫と犬


丹波篠山は
雪国ではないので
今回の寒波でも
積雪はこんな感じ

改めて見ると美しい


そして、猫
パウル・クレーに
かかるとこうなる・・


こちらは
100歳になられる染色家
柚木沙弥郎氏
 Yunoki Samiro の作品


2023年1月23日月曜日

匠家必用記中之巻から一章と二章の 読み下しを紹介

立石定準記
匠家必用記中之巻 
から一章と二章の
読み下しを紹介
間違いなどありましたら
ご教示願います



一 陰陽の二神八尋の宮殿を化立(たて)給ふ事

夫天地開闢のはじめ、高天原にまします神の御名を天御中主尊(みこと)と申奉る。今の伊勢外宮豊受神是也。天地開闢の始より今にいたる迄、国にとこしなへにまします故、国常立尊と申奉る。是天神初代の御神也。次に二代、三代、と相続し給ひて七代目の御神を伊弉諾(いざなぎ)尊、伊弉冉(いざなみ)尊と申奉る。天神此二神に詔し給ふは豊芦原の瑞穂の国あり。汝往て知領し給へとて、天瓊矛(あまのぬぼこ)を賜ふ。二神天の浮橋の上に座(まし)て、一心を起し戈(ほこ)をさしおろして、国をもとめ給ひしかば、滄海(あをうなばら)を得給ひき。引あげ給ふとき、矛のさきよりしたたり落る潮コリて一つの嶋となり。是をおのころ嶋と云。おのころ嶋はおのづからコリといふ義也。二神此嶋に天降り給ひて国中の天御柱を立、八尋の宮殿を化立給ふ也。此宮殿は天の瓊矛の御徳によって化立宮殿なり。これ神代天宮のはじめ也。はつは神道に愛する数、神徳八方へ布(しく)を称する義也。尋は手をのべ、尋どって宮の大さをきはめ給ふ也。上にもいふごとく是手量(てはかり)といふ。又は手尋ともいへり。ひとの長にてはかる、是をたかはかりと云。今の鴨居の高さ五尺七八寸にするは根元たかばかりより出たることなり。則此宮殿にましまして、天道万化を施し、日月山海土金水火草木等の神を化生し(あれまし)給ふ。


二 天照大神磐窟(いわや)に幽居(こもり)給ふ事

伊弉諾尊、伊弉冉尊国土を化生し(あれまし)給て後、天照大神、月読尊を生せり。次に素戔嗚尊を産み給ふ。然に素戔嗚尊悪行日々にさかんなる故、天照大神の御いかり甚し。もはや対面すまじと、の給ひて天下の政を捨て、天の磐窟に幽居(こもり)ましましぬ時に六合(くにのうち)常闇にして昼夜のわかち


なく「常闇とは天照大神磐窟へ入給ふゆえに、守護なく村に長なきがごとくにして安心ならざるをいふ」。此故に八百万神愁給ひ、天の高市に会集して太神(おんがみ)を磐窟より出し奉らんことを談合評議し給ふ。ときに思兼命遠く慮(おもんぱかる)。天糠戸命をして日像(ひのみかた)の鏡を鋳さしむ「天糠戸命は鋳物師の祖神也」。長白羽の神は和幣(にぎて)を造らしめ、天棚機(たなばた)姫命は神衣(かんぞ)を織て和衣(にごたえ)を造らしむ「今婦人の尊崇奉る機神は是也」。櫛明玉命は御統(みすまる)の玉を造しめ、天目一箇命(あまのまひとつのみこと)は剱(つるぎ)、斧、及もろもろの刃物を造り給ふ「是鍛冶の祖神也。播磨(はりま)の国多賀郡に御鎮座有。俗説に管相丞(菅原道真のこと)を祭り、或は稲荷を祭るはあやまり也。二神ともに鍛冶を祖神にあらず」。手置帆負命(たおきほおいのみこと)、彦狭知命二神は斎斧(いんおの)、斎鋤(いんすき)、天御量を以て「斎斧は今いふまさかり也。斎鋤はすき鍬也。天御量は番匠道具の名也。大小長短をはかりて宜に用る故はかりと云」山へ入、材木を伐出し瑞殿(みずのみあらか)を造り給ふ「瑞はみづみづ敷清浄の儀、殿(みあらか)御在家也」。手置帆負命、彦狭知命、番匠の道を始給ふとは伊弉諾尊伊弉冉尊国中に天御柱を化立給ふ御神徳かんじ給ひて番匠の道の基本をひらき給ふ也」。天鈿女神楽(かぐら)を奏して舞給ふ。天児屋根命、天太玉命はともに祈祷まさしむ。ときに太神(おんかみ)岩戸をほそめにあけ御覧じ給ふ。故にめでたいと云言葉、此ときよりぞ始る也。天手力雄命は磐窟の側に侍りて終(つい)に岩戸を引啓(ひらき)、太神の御手をとりて引

出し奉り、右の新殿にうつし奉る。櫛磐間戸命、豊磐間戸命は殿門を警護して人の出入を禁じ給ふに、此故に今神社の門に此二神を安置するの謂也。終に太神の御心とけて万民安堵の思ひをなし。常闇の雲はれたる心地して、人の面(おもて)もしろじろと見ゆる故。おもしろといふことは此ときよりぞ始る也。よって罪を素戔嗚尊によせて根国へ遂(やらひ)給ふ。此故に天照太神天下を御(しろしめ)し給ふこともとのごとし。此とき尊貴の神々は宮殿造り居住し給ひ、万民貧ものは山に往来して岩穴に住とかや「今諸国にある岩穴は神代に人の住みし後也。俗説に上古(むかし)は火の雨ふりし故に穴居するといふは誤り也」。此頃、手置帆負命、彦狭知命専宮殿及屋宅を造り給ふ故に、後には穴をすて家に住事になりぬ。此故に諸人此二神の恩頼(みたまふゑ)を蒙らずといふことなし。

 

2023年1月22日日曜日

牛骨のオイル浸け


牛骨のオイル浸け
私は煮亜麻仁油に
浸けていますが
今回は大きめなので
この状態で1年ほど放置し
その後オイルから出して
夏場に半年ほど乾かして
出来上がる



ギターのナットやサドル
大きめの塊は
糸巻きのツマミなどを作る