2023年2月21日火曜日

雪! 埴輪犬もビックリ


朝 外を見てビックリ
雪!
埴輪犬もビックリ




こちらは
これから修復する
1920年代のイタリア製ギター
響板力木の端がライニングに
乗せられていないタイプ
裏板の力木の端は
ライニングに乗せられている


通常はこのように
響板の力木の端は
ライニングに乗せられている
これは19世紀の
イタリア製ギター
以下、同



こちらは18世紀の
イタリア製ギター
これもライニングに
乗せられている

2023年2月19日日曜日

平安時代高杯出来上がり

 

平安時代の木製高坏
出来上がり
こちらでは木地仕上まで





塗り上がると
こんな感じになる


描かれた高坏




天地を反転させ
燈明台としても
使われたようである

弥生時代の木製高坏
これは一木造りか・・
素晴らしい技術

古墳時代の須恵器と
思われる土器
以下、同じ



どちらも造形が素晴らしい

2023年2月18日土曜日

匠家必用記 挿絵

江戸時代中頃
宝暦六年(1756年)に
出版された版本
匠家必用記、上・中・下巻に
掲載されている挿絵を紹介


上巻から
番匠の作業の様子

上巻、番匠の
祖神祭りの様子


中巻、天照太神の
岩戸隠れの図

下巻から
釿始 teono-hajime の神事

下巻、棟上式の様子

以下、付録の図
鳥居の図

玉垣の図

神輿 mikoshi の図
正面図


側面図

神幸 miyuki に用る神輿は、今専ほうぎやう屋根、蕨手造りにして、組物、彫物、唐戸有。是唐土 morokoshi の鳳輦(ほうれん)といふものに日本の鳥居、玉垣を添たるもの也。屋根の上に鳳凰鳥有を以て鳳輦なることを知るべし。鳳輦の図は訓蒙図彙 kunmouzui に見へたり。又屋根の上に玉有輿有。是を玉輦 gyokuren といふ也。是又唐土の製法にして、日本の神輿にあらず。日本の神輿は古代の製法有べけれど、今此法をしる人まれ也。予近世見及所の神輿を図して、後覧に備ふ。まだしも此造にして可也。猶又古代の製法も有べし。番匠たる人は其図を尋て常に心得有べき事也。








右の雛形は一 aru 番匠古より伝ふる所也。幸にこれを求得て爰に写し、童蒙に便 tayori す。予元来此職ならねば割合寸法の事はしらず。宮を造る人此図を種として恰合 kakkou よろしく地引すべし。組物、彫ものなき故、古代質素の理 kotowari にななふべきか。


2023年2月17日金曜日

工房の様子

 
製作中の19世紀ギター
特注ラコート・タイプ
弦長630mm


ヘッドの加工



荒目の短いヤスリが
必用になったので
いま使っているものをカット


切り端は
フレット用ヤスリにする
今回はウルトラ多用途SU
を使って接着してみた

2023年2月14日火曜日

匠家必用記 下巻 三、四、五章 読み下し

匠家必用記 下巻
三、四、五章 読み下しを紹介
間違いなどありましたら
ご教示願います

 三 宮造りの事

宮社を造ら(ん)と欲ば先其やしろの故実を尋、あく迄吟味して社の風を定べし。其形様々有といへども、両部習合ならざる社は神明造りか社造りにすべし。是古代の風なり。延佳神主曰、上古宮造りの制法丁寧にして、且(そのうえ)質素也。後世の風俗は是にたがひて花靡(び)也。心あらん人は居家、調度に至迄古代の風をしたふべし。くみもの・ほりもの造は異国の


風にして、両部習合の制なれば、習合の宮はくみ物・ほり物をするともくるしからず。自余の社は組物・彫物を用ずして造るべし。然ば神代質素の理にかなひ、番匠たる人も神の御心に合べし。名目抄にも神社にはくみ物を用ずといへり。伊勢太神宮に組物・彫ものを用ずると有て、名目抄の意を思ひ合べし。中にも延喜式に載たる由来は久しき宮社は猶以て神明造、やしろ造にして可也。然ども伊勢及其外の名高き御社は故実を用ひて造れしことなれば、ことごとくその風に似するははばかるべきこと也。只何となくしっそしやうじやう(質素清浄)にしてかざり無、ていねいに古代の風をかんがへ造るべし。是人々家造りにおごるまじきとの神教也。宮社の図あらましおくに致ぬ。考え知るべし。惣じて宮社を造るには木は桧を用べし。余の木を用べからず。神代巻に、其用当を定。及ことあけてのたまはく、杉及櫲樟(よしょう・クスノキ科)此両樹者浮宝に以為(つくる)可(べし)。


檜は瑞宮の材を以為可といへり。此故に伊勢の神宮を造るに桧を用ゆるとみへたり。今雑木を用ゆるは古法にたがへり。柱を丸くすることは上古は万質素にして、山より木を切り出し皮を削、そのままはしらに用る故自然に丸し。是に倣て今宮社に丸柱を用ること也。宮を造る番匠は祖神の血脈の番匠をえらみて、工長(たくみかしら)と定こと故実也。然を今は此事をしる人もまれなり。番匠たる人も多くは姓氏を取失い、何やら角(か)やら、わけもなきことになり行、なげかしきこと也。扨宮造に臨では清浄の家に宿すべし。又は仮屋をいとなみて、是に宿するも可也。常に清浄火を食して他の火を交べからず。又病を問ず穢悪(えあく)のことに預るべからず。不浄の人と一座をする事なかれば、慎を第一としてはかまを着して、細工をつとむべし。自然おもはずけがれに混することあらば、早く其場を引はらひ、我家へかへり、清浄になるをまちてサイクをつとむべし。



四 屋根葺草の事

神社の屋根は茅ぶきをほんしきとす。こけらぶき、或は檜膚(桧皮)ぶき、とちぶき、(な)どの中古よりはじむるじんじゃにかぎり、瓦ぶきは大ひにいむ(忌む)こと也。屋根のむねにももちゆべからず。そうじて、とり井よりうちへ入べからず。もしありきたらば、はやくとりすつべきことなりと先輩に(き)けらし。


五 千木鰹木の事

千木は神社の棟左右へウチちがへたる木をいふ。違木の中略なり。上古宮を造に摶風(はぶ)の端棟へ余りたる象(かたち)也。神代の遺風にしたがひ神社にかぎり是を用。今百家にはハフと名付て棟のうちに包也。女神の千木は内をそぎ、男神の千木は外をそぐ。大政官府製法曰、大社の千木四支長さ壱丈三尺、中社の千木四支壱丈、小社四支長さ八尺云々。又一説に大社の千


木長さ壱丈六尺、壱丈弍尺、中社八尺五尺(寸か?)、小社三尺六寸、又三尺弍尺(寸か?)、弍寸(尺か?)八寸といへり。千木を氷木とも又比木とも、氷橡とも書り。ほうき本記曰、木の片掞(かたそぎ)は水火の起、天地の象也と云り。宮社により二神、三神、五神、七神を祭る宮は其御神名に付て、そぎやう内外のちがひあり。識者に問て製すべし。鰹木は斗木ともいへり。一説に大社の鰹木八丸、長五尺、わたり九寸。中社は六丸、長四尺、わたり八寸。小社四丸長三尺五寸、


わたり七寸といへり。其外神社によりて数の相違も有べし。先押通り女神の宮は陰数を用ひ、男神の宮は陽の数を用ること也。社の大小によって割合。鰹木の意は今在家かやぶきにして、棟の上おさへのため、かやを束ておく、是からすとどりといひ、或は針目おさへともいふ。是則鰹木の意也。今、伊勢太神宮に千木、鰹木を用るこのことのもと也。然ども神社により故なふして、みだりに千木かつを木をあぐることなかれ、くわしくは俗説せい弁にみへたり。