2023年3月2日木曜日

匠家必用記下巻 六、七、八、九、十章 読み下し 

匠家必用記下巻から
六、七、八、九、十章の
読み下しを紹介
間違いなどありましたら
ご教示願います

 

六 鞭掛の事
鞭掛は宮でんむね板の下、破風中よりつらぬき出たる木なり。神代には万事しっそなれば、屋根まいの端外へあまいたるかたち也。男神のみやに十本、女神宮に八本也。然れども伊勢両宮にかぎり、このほかのみやには、はばかるべきことか。



七 玉垣の事
玉垣は角なり木にぬきを通し、神社の廻りに押通して之を設く。又は左の図のごとく厚き板にて造るもあり。是本式の玉垣也。或は木の皮を削ずそのまま用るあり。是を黒木の玉がきといふ也。玉がきを瑞垣(みづがき)ともあらがきともいふ。神社によりて二重、三重、設る也。然時は内にあるを瑞垣と云、外にあるを玉がきともあら垣ともいふなり。


皆是汚穢(けがれ)、不浄を入ざる為の垣也。谷氏曰、木の削たるを朱の玉垣と云。朱にぬる謂なし、と。今俗間にいふ玉がきわ過半上を立格子にして下に壁を、或は組格子に付こし板打、上に雨覆有。是は玉がきといふ物にはあらず、かべがきなり。神社のかこみなり。意あらん人は本式の玉垣に造るべきこと也。


八 拝殿の事
神社の拝殿を造るにはひじき造りなるべし。からはふ等は両部習合の制作にして、神代の遺風にあらずと先輩に聞き侍る。

九 神門の事
神門を建立するには、其地の広狭を見合、宜に造べし。近世印行の書に、門を造に唐尺の法を用といえり。甚妄説也。信用することなかれ「唐尺の弁委は後にいだしぬ」。組物彫ものづくり、或は二重(にちょ)造り、瓦ぶきと、神国の忌風にあらざる故、神の御心に叶ざらんか。門の両脇に門守の


神と安鎮ずる也。此神を豊盤間戸尊、櫛盤間戸命と云。両部習合に神門には両金剛を安置す「今俗に云仁王なり」。是を仏門に置は是にして、神門に置くは非也。くわしくは俗説弁に見えたり。

十 灯籠の事
神社のとうろうは木にてつくるを本しきとす。石、銅のたぐひは略義なるべし。


2023年3月1日水曜日

真鍮板フレット そして豆まき図

 

幕末から明治の漆工芸師
でもあり画家でもある
柴田是真の漆絵
豆撒きの図ですが
鬼は外、福は内
というのはよく考えると
何だか不思議です・・

こちらは工房の様子
1.5mm厚の真鍮板を
金切り鋸で切っているところ

修復中の1920年代
ヴィンテージ・ギターの
板フレットとして使う

打ち込んでいるところ

作り換えたブリッジも接着



2023年2月27日月曜日

2023年2月25日土曜日

ゴッホが描いた蛾

 
ゴッホの油絵に
このような蛾が描かれている
ものがある


また、スケッチもあり


弟のテオに宛てた手紙にも
描かれている


京都大学大学院HP
紹介されているゴッホの手紙の一部
上の日記文の下線が
引かれているところ
la tête de mort は日本語で
死人の頭という意味らしい
この描かれている蛾は
オオクジャクサンと
説明されているが

実際のオオクジャクサンを
見てみると
ゴッホが描いているような顔は
見当たらない・・
個体差があるのだろうか

一方、日本にも生息している
メンガタスズメには

面のような顔が
はっきりと確認できる

因みに
これはアケビコノハの一種
これにも顔らしきものが
確認できるが
羽にある勾玉のような
模様に惹かれてしまう

こちらは山下清が
描いた蛾

2023年2月24日金曜日

トン・コープマン そしてブリッジ作り換え


昨日は神戸まで
トン・コープマンの
チェンバロ演奏家に
足を運びました

 
トン・コープマンの音楽は
ほがらかで生き生きとしていて
聴いていると活力が湧いてきます


お目当ては
後半に演奏される
フローベルガーの曲
トン・コープマンの
フローベルガーは始めて


こちらは今日の工房
ハイス全鋼小刀を研いだところ
仕上研ぎの
動画UPしました

使った砥石は
強い研磨力がある
京都梅ケ畑奥殿okudo産の
巣板suita



修復中のヴィンテージ・ギターの
作り換えたブリッジ