海外で編纂された「世界の偉大な日記図鑑」を入手。日本人では松尾芭蕉が選ばれているが、手紙ではなく奥の細道が掲載されている。しかも芭蕉が書いたものではなく、蕪村が芭蕉の「奥の細道」を絵巻にした一部が紹介されている。なんで?と、つい思ってしまった。蕪村の奥の細道絵巻を本家の芭蕉の直筆奥の細道と比べて読んでいたら、違っているところを発見。
蕪村が書いた
芭蕉の奥の細道を
絵巻にしたもの
朱線は「路より近し」だが
芭蕉の直筆奥の細道では
「道よりちかし」
となっている
有名な句
蕪村の写しでは
「さみたれを あつめてはやし
最上河」
となっていますが
芭蕉の本句では
「さみたれを あつめてはやし
最上川」です
こちらは蕪村の
奥の細道図屏風
蕪村は琵琶を詠んだ
「ゆく春や おもたき琵琶の
抱こころ」
という俳句がありますが
絵にも描いています
琵琶についての記述は
「其夜目盲法師の 琵琶をならして奥上るりと云物をかたる 平家にもあらず 舞にもあらず ひなびたる調子うち上て 枕ちかう かしましけれど さすかに辺土の遺風忘れさるものから殊勝に覚えらる」
こちらは奥の細道図絵巻
蕪村の文字。「其夜目盲法師の 琵琶をならして奥上留りと云物をかたる 平家にもあらず 舞にもあらず ひなびたる調子うち上て 枕ちかう かしましけれど さすかに辺土の遺風忘れさるものから殊勝に覚らる」
芭蕉直筆 「其夜目盲法師の 琵琶をならして奥上るりと云ものをかたる 平家にもあらず 舞にもあらず ひなびたる調子打上て 枕ちかう かしましけれど さすかに辺国の遺風わすれさるものから殊勝に覚らる」
芭蕉直筆と蕪村の文が
微妙に違っているのが興味深い
因みに
松尾芭蕉の琵琶を詠った俳句は
二句知られていて一つは
「わた弓や 琵琶になぐさむ 竹のおく」
そして「琵琶負て 鹿聞に入
篠sasaのくま」。