2012年3月22日木曜日

IPAでシリコン樹脂を薄めることはできるのか・・


サザレ銘砥(330mate)の中岡氏から
IPAを送ってもらいました
これはガソリンの水抜き剤と
ほぼ同じものだそうですが
これで1液硬化シリコン樹脂を
溶かすことができるかどうか
試すためです

ついでに、手許にある
溶剤や洗浄液として使っている
変性エタノール、アセトンでも
試してみました
普段、シリコン樹脂が
手に付いたときには
変性エタノールで除去していますが
シリコン樹脂を溶いたりは
やったことがないので
今回試してみました
も市販されているようです

これはそれぞれの液と
シリコン樹脂を混ぜたものです
右からIPA、変性エタノール、
アセトンですが
溶解力が最も強いと思われる
アセトンでも溶けていないようです
変性エタノール、IPAも
溶けている感じはありません

ほぼ20時間経った様子
画像では分かりにくいですが
右のIPAと混ぜたものは
やや白濁しています
その左二つはほとんど同じ状態で
固まっていますが
固まった状態の弾力は
左のアセトンを混ぜたものが最も強く
順に変性エタノール、IPAと
弾力が弱くなっています

その1日後、弾力は
どれもほぼ同じになっていました

これはチューブから出したすぐの
シリコンボンドですが

布で拭き取ると、このように残ります

それを各溶剤を布に付けて
拭き取ってみると
右のIPAと、中央の変性エタノールは
きれいに除去できました
左のアセトンは白く曇りが残りましたが
アセトンは溶解力が強いので
塩ビと思われるシートを
溶かしているようです
これがPETPP、あるいは
アクリルでしたら
こんなことはありません

ちょうど小刀の柄を作っていたので
シリコンボンドで木を接着してみました




約20時間後
夜中の温度管理はしていなかったので
まだ完全には硬化していませんが
接着はされていました

仕上げた状態

切り取った端を剥してみたら
まだ完全に硬化していません

それをIPAで除去してみました
右側3分の1

中央部を変性エタノールで除去

左3分の1はアセトンで除去
それぞれきれいに除去できましたが
アセトンは右の二つに比べ
除去がスムーズにはできませんでした

シリコンボンドを除去した面と面を
タイトボンド(水溶性接着剤)で
接着してみました
問題なく接着できているようです

2012年3月20日火曜日

作者不明のガラス絵

きょう手に入れた作者不明のガラス絵
サムホール・サイズ

額はタモ材のように見え、それに
グワッシュ風の絵具が
塗ってあります

サインはMか・・
有元利夫の世界をもっと
ピュアにしたような雰囲気・・
バックの色も美しい

見る角度によって
背景の金色の出方が
変わる・・

この絵の作者について
心当たりがある御方は
ぜひご教示を・・

マリア味記子さんのCD発売



3月21日
マリア味記子さんのCD発売
Amazonでも注文できます

製作家の遣り甲斐

マリア味記子さんのブログから・・

楽器を作る者にとって
何より光栄なことです

2012年3月16日金曜日

長勝窓鋸と古い窓鋸でスプルースを製材する

長勝鋸さんに目研ぎをしてもらった
窓付き鋸と古い窓付き鋸で
スプルースを製材しました(動画参照
このスプルースは
前回、2010年11月に製材したものと
同じ産地のもので、材質もほぼ同じものです

手前は先日長勝さんのところで購入したもの
奥の古い方は、長勝さんに見てもらったら
もう使い込まれていて寿命だということなので
そのまま持ち帰ったものです
刃先の摩耗が激しかったのですが
今回何とか使いたかったので
自分で目立てをしたものです
刃先の先端が揃っていないので
切れが荒いのですが、なんとか使えました

どちらも銘は同じで
会津の中屋光右衛門です(参照


こちらは長勝さんが目研ぎを施した窓鋸
刃渡り約50cm、身幅は最大約13cm


挽き屑です


こちらは自分で目立てをした古い窓鋸
刃渡り60cm、身幅19cm


交互に使って約20分で挽き終わりました



2012年3月13日火曜日

平家琵琶 鶴首と海老尾を仕上げる

鶴首と海老尾を膠接着し

鶴首に出ている芯を一部埋木しました
埋めたのは、この鶴首材にしたカリンの木

木の皮部分を表面に出したかったのですが
面が微妙に合わず、これが限界でした
これで出来上がりとします





中世中山砥で三代目千代鶴鉋を研ぐ


You TubeにUPした研ぎ動画
画像を紹介しておきます
研いでいる鉋身は三代目・千代鶴
落合宇一作「三水」銘 寸八です 

最初に使っているのは
無印のセラミック砥石(人造中砥)
粒度は#1000






次に今日手に入れた
京都梅ヶ畑・中世中山産の仕上砥
厚みが5cm以上あり
裏側の皮が薄めだったので
5mmほど削り
こちら側も研ぎ面にしてみました
ザクザクと良く反応し、強い研磨力があります
砥泥は邪魔にならず
砥面の底力を充分感じることができます

人造中砥の深い傷が短時間で消えました

筋はほとんど死んでいますが
地鉄(じがね)にやや及ぶものがあります
(はがね)は大丈夫です
後で筋は掘って除去します





こちらは本来の研ぎ面
この面の筋も死んでおり
ほとんど当たりません

こちらの面もよく反応し
裏側よりは緻密に仕上がります
荒い研ぎ応えにもかかわらず
鋼が鏡面近くまで仕上がるのは
実用上大変助かります





研ぎ上げた鉋で
燻煙熱処理された国産カラマツ材を
削ってみました(参照





厚みを約1mm減らした刃先の状態
通常のスプルースよりも
刃先の摩耗が激しい(参照 




その後、ハイス鉋を研いでみました
こちらは裏面で、筋を2本除去しました
よく反応し、強い研磨力を発揮します





こちらは表面
こちらも同様に良く反応します





ハイス全鋼鉋も研いでみました
両面とも良く反応します

ハイス全鋼鉋刃でも
通常の、薄い鋼(はがね)を鍛接した鉋身と
同じように反応するというのは
ちょっと考えられません
恐るべき仕上砥です



2012年3月12日月曜日

長勝鋸とレザーソーで本黒檀のフレット溝を切る

長勝さんに目研ぎをしてもらったフレット・ソーと
フレット・ソーとして使っているレザーソー180厚刃
で本黒檀・コクタンの試し挽きを行いました

長勝さんに目研ぎをしてもらう前の
同じ鋸でフレット溝切りをしている
動画も参照ください


下から1・3・5本目の切り溝が替刃式レザーソー
商品銘はレザーソー180厚刃 No.S-293
2・4・6本目の溝が長勝さん目研ぎの
谷口清三郎銘の導突鋸
どちらも良く切れますが、長勝鋸の方が
切れ音はスムーズで、切れ痕も美しい
試し挽きをしながら感じたことは
フレットの溝切りは、この2種類の鋸を使うと
より効率的に行えるのではないかということです


替刃式レザーソーの180サイズ厚刃は
やや切り溝の幅が広いので
アサリを狭くする必要があります
その時に重宝するのが
このダイヤモンド・シャープナーです
粒度は#1000ほどの細かいものです


このダイヤモンド・シャープナーを
鋸板面に沿って軽くアサり部分を全面擦ります
両面軽く1回擦るだけで切り幅は
狭くなりますので、試し挽きをしながら
切り溝の幅を調整していきます