2012年4月5日木曜日

平家琵琶の撥面と落帯を仕上げる


きょうは製作中の平家琵琶の
撥面と落帯を仕上げました

こちらは下染めをした状態の落帯
落帯の模様については
木曽義仲のルーツである民族のシンボル
双魚紋を入れようと思っていたのですが
その背景をどのようにするか
なかなかアイデアが浮かばなかったのです
今朝、唐三彩のイメージで・・
という閃きがあったので
一気にやってみることにしました
色を作っているときに、何か懐かしいもの・・
という思いが出たので
そのような雰囲気にもっていったのですが
そのときふと、木曽義仲は
おばあちゃん子で、左利きだったのでは・・
という思いが浮かんだのです
何故なのか、不思議なことでありました

出来上がった落帯
双魚紋は縦の双魚にしました
琵琶の胴体に貼り付けてから
表面に保護処理剤を塗りますので
もっとクッキリとした質感になると思います
木曽義仲に因んで馬の革を使用しました

撥面は楽器が出来上がってからの
お楽しみということで・・

2012年4月3日火曜日

琳派の絵はたまた平家納経の絵の再現か・・

これは何でしょう・・
琳派風の風景画を模しましたが
月がもっと大きくなければ琳派風や
平家納経風にはなりません
やはり絵には敵いません(参照





手前にピントを合せてみました





手前の物は梅の木の切り株でした・・
さっき犬の散歩をしていて
小川堤に植えてある梅の木が
間伐されていたのです
その中にこのように厚み4cmほどの
輪切り状の切り株があったのです
おもしろい年輪の出方で
惚れ惚れとします・・


久しぶりに端材のオブジェを作る



製作中の平家琵琶の試作パーツを
使って久しぶりにオブジェを作りました
これまで作ったオブジェの一部は
兵庫県西脇市にあるレストハウス花屋敷
展示販売されています(4月22日まで)
今回は画家宮本英雄さんの作品とのコラボです



2012年4月1日日曜日

藤井刀匠が鍛えた玉鋼小刀を研ぐ


You TubeにUPした研ぎ動画
画像を紹介しておきます

これは最初に使っている粗めの伊予砥(参照


次に使っているのは
同じく伊予砥で、粒度細かめのもの
粒度は約#1000


そして三河中名倉砥
粒度は約#1500


中研ぎの最終段階として
沼田虎砥(粒度約#2000)


仕上げ研ぎの最初は
京都新田産の白巣板


次に中世中山砥の戸前を使いましたが
この刃物とは相性が良くありませんでした


最終仕上げは京都梅ヶ畑・中山産の黄板


こちらは裏側


藤井刀匠作・小刀の柄を作る


昨日預かってきた藤井刀匠作の小刀を
木の柄に挿げるため




元の部分をカットし
グラインダーで成形し直しました





柄にする木は手許にあったポプラ材







仮収めをして状態を確認した後





タイトボンドで接着




握り易い形に成形
木地のままだと自分の手になじまないので
柄には私はニスを塗っています





今回は濃い色のセラック・ニスを塗りました
アイスキャンディーでも五平餅でもありません・・





出来上がりました


2012年3月31日土曜日

平家琵琶の覆手を接着


製作中の平家琵琶の覆手を接着しました


 腹板(表板)の膨らみは鉋仕上げのままなので
均一な凸面ではありません
ですから、平家琵琶の覆手の接着面を
仕上げる際には、じっくりと
少しずつ削っていくしかなく
 この作業に時間は惜しみません
 このときには二種類の四方反り鉋を
使いますが、その調子がいいと大変助かるのです

2012年3月28日水曜日

平家琵琶の覆手を作る


製作中の平家琵琶の覆手を
作っていく様子を少し紹介します

これは覆手の先端と猪目(ししめ)
象嵌するための鼈甲(べっこう)

同じく象牙


先端に貼り付ける鼈甲を切り出し
それを埋め込む溝を彫ったところです

ここからは猪目の象嵌パーツ作り




こうして象嵌したあと
猪目に象牙で目玉を入れ
そこに絃を通す穴を開けます

ほぼ出来上がり
この後輪郭を整え面取りをし
腹板(表板)との接着面を仕上げます

2012年3月25日日曜日

中世中山砥でハイス全鋼小刀を仕上げる

さゞれ銘砥から新たに手に入れた
中世中山砥でハイス全鋼小刀を
仕上げてみました動画参照
最初に使っているのは
無印のセラック砥石・中砥#1000
この砥石は手持ちの人造中砥の中では
ハイス全鋼の刃物に最も良く反応します


次に使っているのは天然砥石の伊予砥
これもハイス全鋼刃物によく反応します



そして仕上研ぎの最初は
新たに手に入れた中世中山砥
やや硬めの仕上砥で
通常の刃物でしたらほぼ鏡面に仕上がります


驚くことにハイス全鋼でも
鏡面近くまで仕上がりました
ハイス鋼をここまで光らせる仕上砥は
手持ちの中では他にありません



次に、これは大変硬い中山黄板で
通常の刃物でしたらピカピカの
鏡面に仕上がるものです


良く反応し、黒い研ぎ汁が出ていますが
仕上がりは先の中世中山砥よりも曇っています
刃の先端部分に中世中山砥の研ぎ跡が
残っているので画像で確認できると思います
天然砥石というものはほんとうに不思議です・・