2013年1月15日火曜日

古い会津鉋 重房銘寸六を研ぐ


昨日UPした研ぎ動画で
使った砥石と同じもので
重房銘の鉋身を研いでみました
動画UPしました)
この刃角度もギター製作に使うには
低すぎるので
先端5mmほどを26度~27度に
角度修正しながら研いでいきました

最初に使ったのは伊予砥
粒度約800


次に丹波亀岡・岡花産青砥
粒度約1200


仕上げ研ぎは
最初に丹波亀岡・丸尾山産巣板
黒蓮華


同じく亀岡・一本松産戸前


亀岡大内産仕上砥


最終仕上げは京都梅ヶ畑
中世中山産仕上砥


2013年1月14日月曜日

会津鉋、重房と重明削り比べ


先日手に入れた古い鉋身
重房寸六重明寸六を台に挿げ、試し削りをやってみました
刃角度はどちらも約26度

重房銘寸六は使い込まれて重明銘よりも身が短くなっていたので
重明が収まっていた鉋台に挿げました




刃口を埋め、これで使えます

まず、ギターのネック材に使う
スパニッシュ・セダーを削ってみましたが
軽い削り感で、石気の多いスパニッシュ・セダーでも
刃先は大丈夫のようです
研ぎ上げた際には、焼き入れが甘めのように感じたのですが
実際に使ってみると弱さは感じません

削り肌も問題ありません


こちらは重明銘の寸六
新しい台に挿げました


東郷ハガネと思われるので
まず粘りの強いメープル材を削ってみました
刃先を多めに出して荒削りをしても何ら問題ありません

次にギターの指板に使うインド産の本黒檀を削ってみました
刃角度は約26度と黒檀を削るにはやや無理がありますが
なんとか仕事で使えるレベルで削ることができます

削り肌も問題なし

5分ほど削ると、さすがに刃先がこのようになりましたが
まだまだ切れは止んでいません

刃を研ぎ直して(研ぎ動画参照下さい)
今度はローズウッドを削ってみました
重房と削り比べをしてみました(動画UPしております)

動画での削りくらいでは刃先はまだまだ大丈夫です

こちらは重房銘寸六

滑らかな削り肌で逆目も止まっています
重明銘寸六も同様に仕上がります

こちらはやや刃先が摩耗していますが
切れは重明よりも軽い感じです

上の状態からスプルースを荒削りしてみました 
こちらは炭素鋼の重房・寸六

鉋屑の艶がありませんが
まだまだ切れは大丈夫です

細かい刃こぼれの痕が見えます

さすがに刃先はこのような状態になりました


こちらは東郷ハガネの重明・寸六
こちらも鉋屑に艶がありませんが
切れは思ったより重くはありません

刃こぼれはなく、削り肌もなんとか見れる状態です

刃先は全体に白くなっていますが
まだまだ切れ止んでいません

以上、どちらも仕事で充分に使える手応えです

翌日、仕事で使ってみました
製材したスプルースの荒削り(動画
19世紀ギター、ラコート・タイプの響板削り(動画

古い会津鉋、重時銘寸六を研ぐ


古い会津鉋、重時銘寸六を研いだ
動画をUPしました

今回二度目の研ぎになりますが
試し削りで刃先がかなり
摩耗していたので
最初は荒めの伊予砥を使いました
粒度約800

刃角度を26度ほどに修正しているので
研いだのは刃先から5mmほどです
鋼(おそらく東郷ハガネレイ
号)が強靭なので
砥石の反応が鈍いのが分かって
頂けると思います
この伊予砥では途中目起こしをし
砥泥を出して研ぎました

次に丹波亀岡・岡花産青砥
(粒度約1200)を使いました
この砥石も通常の刃物には
良く反応するのですが
今回の研ぎでは鈍い反応でした
動画でお分りのように
以下どの砥石にも同様の反応です


仕上げ研ぎは丹波亀岡産の
3種類を研ぎ比べてみました
最初に使ったのは丸尾山産巣板・黒蓮華


そして一本松産砥前


そして先日紹介した大内産仕上砥


最終仕上げはこれも先日紹介した
京都梅ヶ畑・中世中山産仕上砥


2013年1月11日金曜日

重房銘鉋身を研いでみた


昨日届いた重房銘の寸六鉋身の裏押しをし、研いでみました

裏押しを終えた状態



研ぎの仕上げには京丹波亀岡・大内産の仕上砥を使ってみました
あまり良い状態ではありませんが
筋はあたらず、問題なく使えます



やや硬めですが良く反応し、強い研磨力があります



大内は丸尾山を採掘されている砥取家さんがある地域ですが
そのためか丸尾山産の仕上砥とよく似た仕上がりです



違う角度で撮影したもの
地鉄(じがね)は荒めの仕上がりで鋼(はがね)は微塵に曇ります
刃角度を26度ほどに変更しているので
刃先から6mmほどを仕上げています
 



最終仕上げとして京都梅ヶ畑・中世中山産仕上砥を使いました
かなり硬い石質ですが、硬さを感じさせない研ぎ感です



ご覧のように地・刃ともにスッキリと冴えました




違う角度での撮影
刃先に研いだ際の返りが細かく残っています
鋼はやや甘めの焼き入れとなっているようです
ギター製作で使えるかどうか気になるところです・・
30年ほど前に重房銘の小刀を手に入れ
ギター製作用として使ったことがありますが
焼きが甘すぎ、使うのを断念したことがあります・・





これは今回の鉋研ぎとは何の関係もありません・・
近所の猪肉販売店で売られていたので買ったものです
猪(イノシシ)の牙ですね・・
この牙も猪の道具として理想的な形をしているのだと思います・・